イングランド東部ノーフォーク州(Norfolk)の中心都市ノリッジは、イングランドの典型的な地方都市という雰囲気。でも何世紀か昔の頃はロンドンに次ぐ大都市でだったそうで、その名残なのかお城もあります。
ノリッジ城(たぶん・・・)
日曜日の昼下がりに買い物客で賑わう大通りを抜けて、鉄道の駅の裏にある予約しておいたB&B(「ベッド&ブレックファースト」というイギリス版民宿)にたどり着きました。
こじんまりとした家族経営らしきB&Bで、その4階の屋根裏部屋まで荷物を運んでやっと一息。
紅茶を飲みながらのんびりと荷ほどきをしていると、あれっ?どこからかすごい歓声が聞こえてくる?
部屋の窓からは何も見えない。それでも「あ〜っ、シュートが外れたんだな(笑)」としか思えないスタジアムのため息まで聞こえてくる。どこかでサッカーの試合をやってるのか?さっきからうるさく飛び交っていたヘリコプターは警備のため?
そして4時になり、ライブ会場に向かおうと外に出たら、うひゃあ!街中が酔っぱらいと警官だらけだっ!そうか、ちょうど試合が終わったんだ!のどかな日曜の風景が一転してそこら中のパブが大混雑。ノリッジのチームなんて全然知らないけど、こんなに盛り上がるんだぁ。
ともかく、地図を見ながら会場への裏通りを歩いていくと、ここは人が全然いない。これでは帰りにこの道は通れないなぁ。戻ってもう少し大きい通りに行ってみても、ここも人がいない。こんなトコにほんとにライブ会場があるの?
すっかり日も暮れて寒い中、裏通りをひたすらひたすら歩いていくとようやく会場の「THE WATERFRONT」を見つけました。
THE WATERFRONT in NORWICH
んが、シャッターは閉まっているし、誰一人いない・・・どうなってんの?外にはちゃんとヘッズさんのチラシが貼られてはいるけどさぁ。2年前のツアーの時は5時頃にはチラホラと並び始めてたのに。
ちょうどやって来たお店の経営者らしきオジさんに「えっ?君、もう来たの?開場は7時だよ。どこかで何か食べてきなよ。」なんて言われる始末。
何かと言われても、この辺りは何にもないんだけど・・・「ウォーターフロント」の名前にだまされ、「きっと再開発された地域でおしゃれなレストランとかバーがあるんだろうな」と想像していたら、倉庫を改造したクラブが川べりにポツンとあるだけ(苦笑)
一応ヘッズさんのチラシはある
そんな時、んっ?人の声がする。見ると遠くの歩道をウロウロしながら携帯で話してる人がいる。クマのようにデカい体・・・ちょっとハスキーな声・・・遠目にもわかる黒メガネ・・・ロスだぁ!
メンバーのいきなりの登場にかなりドキドキしつつも、楽屋口に向かうロスに小走りに駆け寄って、「ハロ〜っ、ロスっ!」と声をかけると、「やあ、ハロ〜っ!」と笑顔。
がっ!こちらの顔を見た瞬間、
「えっ!?ええ〜っ!?ウソっ!君なの?まさかこんなトコで会うなんて思ってもいなかったよ!」
と、ムチャクチャ驚いてました。えへへっ、来たよ!来ちゃったよ!こんなトコまでさぁ(笑)
「今朝ロンドンに着いて、そのままノリッジまで来たんだよ!」
「え〜っ!マジで?!」
あれこれとロスと話しをして、Kさんが気にしてる来日について聞くと
「それがねぇ、知ってる?デイヴに子供ができたんだよ。彼がしばらくは子供のそばにいたいから遠出のツアーはできないんだ。だから来年の夏頃になるかなぁ。」
デイヴの子供のことは、BBCのインタビューでロスが話していたから知ってたけど、デイヴがそんなに子煩悩になっているとは思わなかったなぁ。ん〜でもKさんがガッカリするなぁ。
ともかく、ロスと再会して「よ〜しっ!またフューチャーヘッズのライブが見れるぞっ!」って気分が盛り上がってきたぁ。
The Waterfrontはちょうど日本のクアトロようなサイズで、3〜400人ぐらいで満員になりそう。柵前にセキュリティ・ピットもなくてイイ感じの会場です。
この日のチケットは当日受け取りに変更していたので、ボックス・オフィス(チケット売り場)で事情を話すと、「あ〜っ、分かった!これが君のチケットだ!」と封筒を出してくれました。
「ちょっと待ってね」と封筒の中のチケットの半券を切って「封筒の中を見てごらん?」そこには1ポンドちょっとの小銭が入ってました。なに、これ?
「郵便代の返金だよ。」
え〜っ!律儀に郵便代を返してくれるの!?(しかも現金で(笑))大手チケット会社では信じられないような親切な対応だ。
で、今日はロスの前を陣取り、最初のサポート・バンド「LOVE BITES and BRUISES」が登場。
ニューカッスルの新人バンドでロスが引っ張ってきたらしい(「ロスらしいインディー趣味さ」とステージでバリーがからかってました。)ちょっとだけメロコア風なところがあるイギリスのポップ・ロックって感じ?曲とかかなり良いんだけど、もうひとつ何か「押し」が足りないなぁ(でもこの後3日間連続で見ていても苦痛(?)ではなかったから、まあまあ良いバンドだと思うけど。)ともかく、興味がある方は彼らのMySpaceをチェケラっ(笑)
そして2番目のサポート・バンドはバーミンガムの「JOHNNY FOREIGNER」。
今年のサマソニで来日しているけど、その時は全然知らないバンドでした。彼らが今回のツアーのサポートに決まり、慌ててサマソニのライブ映像を見たのですが・・・正直「つまんなさそう(汗)これを毎日見るのはちょっと辛いなぁ」と覚悟してました。
ところが、ところがっ!
実際のライブは全然違うっ!メチャクチャ良いじゃないの、このバンドっ!都会版「LOS CAMPESINOS!」って感じ?すんごい気に入ったよ!
でもさ・・・ライブはいいんだけど、ボーカルの子のあのメタボ腹はマズイでしょ(笑)
3、4人いた地元のカメラマンは全員ベースのオネエちゃんにかぶりつきで、ボーカルの前に誰一人いない(笑)気持ちは分かるんだけどさぁ、彼の立場ってモンが・・・。
確かにこっちの写真を撮るよねぇ