Nov 2001 - RKC vs Feyenoord観戦にオランダへ
12月1日 ふたたびヴァールヴァイクへ part2
ロッテルダム観光を終えて、再びヴァールヴァイクへ。
デン・ボッシュ行きの切符を買った後で気がつきました。ロッテルダムからはティルブルグへ行くほうが早くて乗り換えがないんだぁ。あ〜っ、失敗。
後悔しながらもともかくデン・ボッシュに到着。ヴァールヴァイク行きのバスに乗り、今度は迷うこともなくホテル・ハイブルームへ。「今回はルーム7を用意しておいたよ」とホテルのスタッフたちは変わらず明るい。
まだ時間があるので街に出てみると、土曜日のせいかショッピング・モールがすごく賑わってました。でも日本みたいに通りにチームの旗が出ていたりとかはしてません。町中にいる限りでは、ここにプロ・チームがあるなんて想像もできないくらいでした。
そしてホテルに帰ってからは、今度はちゃんとサイフも確認してスタジアムに出発です。
オフィシャル・ショップに行くと店員のおばちゃんが「また来たわね」なんて表情で笑ってました。今日はしっかり現金もってきたからね。
VS Roda JC戦
この日もJJ席で観戦です。フェイエノ戦と比べるとすいぶん空席があるけど今回はしっかりRKCのサポ−タ−席でした。
RKCの試合前にはマスコットのライオンのリッキーくんがピッチに登場します。サポーターを盛り上げようとするけどちょっと芸がない。「ちょっとパルちゃんに弟子入りしなさい」なんて思ってしまう。しかしこの日は変わったお客さまもピッチに登場しました。それは聖ニコラス御一行でした。前に書いたように、オランダには11月にもクリスマスがあり、それはこの聖ニコラスのお祝いなのだそうです。
聖ニコラスは4世紀頃、私財を投げ打って貧しい人々を助けたトルコの聖人で、深紅の法衣に長い白ヒゲ姿の聖ニコラスが現在のサンタクロースの原形なんだそうです。そしてオランダには毎年11月にお付きのピート(顔を黒く塗って、カステラの箱に書いてある「オランダの使者」みたいな格好をしています)と共に街に現れるのです。
そんな訳で11月はオランダ中に聖ニコラスがいて、この旅の間も、駅やマーケットや、いろんなところで見かけましたが、リッキーくんに手を引かれてピッチにまで現れた時はさすがにビックリしました。ピートたちは観客席にお菓子を投げ、ニコラスさまはRKCのスタッフ陣にごあいさつしてました。RKCに勝利をプレゼントしてね。
そして選手がピッチに登場してウォームアップを開始。ピッチ上でスターティング・メンバーを紹介していたスタジアムDJが「ゼリコ・ペトロヴィッチがどうしたこうした」とアナウンスしてるけど、オランダ語では何言ってるのかわからない(涙)
とにかくキック・オフ!
真冬にいきなり短髪
この日のRKCはボールをよく支配していていました。日本で放送されるRKCの試合はつねに3強(フェイエノ、アヤックス、PSV)相手なので、いつも防戦一方みたいな印象の試合ばかりなんですが、いやいや、今日みたいなホーム試合ではバランスがとれていて、なんだかんだ言っても、ちゃんとオランダ1部リーグで中盤以上の順位を保っているチームなんだよ、なんてヘンな感心をしてしまう(失礼?)
そしてペトロもしっかり攻守にわたって要となり、相変わらずよく走ってます。しかしペトロが目の前に来て驚いた。髪の毛がすんごい短くなってる!!一瞬丸刈りにしたのかと思うほどの短さになってました。どしたの??
相手のローダJCは確か去年はそこそこの順位につけていたチームだったような記憶があったのに、ボールを奪ってもなかなかシュートまで持っていけない決定力不足な感じ。そうこうしている間にRKCがポポーンと2点を奪い、その度にスタジアムはお祭り状態!音楽が鳴って隣のオバちゃんも立ち上がって踊ってる!
そして最後はペトロが伸二ばりの絶妙なスルーパス!DFの裏に抜け出たゴベダリツァがGKをも軽く避けて、ダメ押しの3点目!(ゴベダリツァ!あんたは確か守備的MFでしょ!?裏に抜けるのがウマすぎ!(笑))
結局、3ー0でRKCの圧勝!笑いが止まんねぇ!
怒ってる??
試合後はペトロに会おうとまた正面玄関に向かったのですが何か騒ぎが起こっていました。どうやらローダのサポーター達がチームのふがいなさに腹を立て、チームバスに詰め寄ろうとしているのを、駐車場の柵を閉めて押さえているみたい(どこの国のサポーターも・・・。)
坊主頭にアーミージャケット姿の思いっきりスキンヘッズな方々までいるよぉ。警官のオッちゃんたちが笑いながらなだめていて、それほど殺気だっているわけではないけど、ちょっと恐い。これではペトロのところに行けないよぉ。
しばらく遠巻きに見ていたけれど、メインスタンドの観客たちを通すため少しだけ柵を開けた時に、すり抜けるように入っていく人たちがいたので、「よしっ、あれだ!」警官やスキンズたちの横をコソッと抜けて中に入ってしまいました。セキュリティに「ニコッ」と笑いかけたら「どうぞ」と柵をすこし開けて通してくれたしね。
取材陣はいなかったけれど、土曜日のせいか2、3人のRKCサポーターが選手を待ってました。
しばらくして出てきたペトロはスーツの上に黒いコートを着てカッコいいねぇ。やっぱり髪がすごく短い。そしてなぜかユニフォームを握りしめてました。なんとなくユーゴ系な(勝手な想像)オヤジ2人と話をしていて、なんとなく「今からバーでサポーターの集まりがあって、そこにこのユニフォームを持っていかなきゃいけないんだ」なんてことをペトロが話しているみたいな感じ(全く根拠のない想像)なのでスタジアムでペトロの名前がアナウンスされてたのはこの話しなんじゃないかと(さらに勝手な憶測)
「ペトロ、私はこれで日本に帰るから」と言うと、ペトロがまた機関銃のごとく、
「あのなっ!レッズのサポーターのサイトってあるだろ?インターネット!」
「う、うん(たじたじ)」
「それにな、ペトロが全てのレッズ・サポーターによろしくと言っていたと書いておいてくれ!分かるかっ!!??」
わ、わかったよ、ペトロ(汗)
そして「大丈夫か?何か困ってないか?」と、また心配してくれた。もう夜遅くなっていたので帰り道を心配してくれたみたいです。
「大丈夫」
「本当か?!本当に大丈夫か??!!」
「大丈夫!」
「そうか!」
「ペトロ、元気でね。え〜っと・・Tot Zien!」
私がオランダ語で「またね」と言うと、ペトロはニッコリと笑って
「Tot Zien!」
と、手を差し出してくれました。そのペトロの手をしっかりと握って、そして私はホテルへ帰りました。
ホテルに帰るとヤンさんが「サッカーは終わった?」と、笑顔で待っていてくれました。
はぁ、終わったなぁと思いつつTVをつけると、ワールドカップの組合わせ抽選の結果をやってました。そうだ、今日だったんだ。すっかり忘れてたよ(笑)
あとはアムステルダムから日本に帰るだけです。おやすみなさい!