May/2004 ペトロヴィッチ引退記念試合 in オランダ
5月20日 ペトロ引退記念試合 part 3
ウォームアップ中は空席が目立ったスタジアムも開始直前には満員に。ただ、アウェイ席であるゴール裏一角はPSVサポ用に販売されたためか、3分の1ほどの空席がありました。それでもPSVサポたちは前に集まって、試合中もRKCサポが圧倒されそうな程にペトロのコールを大声で歌っていました。そしてペトロも彼らに投げキスをして答えていました。
集まったPSVサポ
ペトロがPSVを離れて7年は経っているのに、こんなに愛されているっていうのはやっぱりスゴイことだよね。そしてここにレッズ・サポもいる訳だし(笑)偉いぞ、ペトロ!
そしてバックスタンドには即席ダンマクで「ZELJKO ONZE なんとか」と書かれたものが張られていました。「ONZE」はオランダ語の「OUR」の意味なんですが、その後の言葉が分からない。まさか「誇り」じゃないよね(汗)なんにしろRKCサポからも「我々の!」と思わせるのがペトロなんですね(涙)
そして選手入場。
勢揃い!主役は隅っこに(笑)
今日のペトロの背番号は「6」!RKCは試合によって選手の背番号が変わり、私がTVで試合を見た時はペトロはむしろ「8」だったことが多いので(10番でセカンドFWみたいなことをした試合もありました)理由は分からないけど、ともかくこの日の背番号が「6」なのはとにかく嬉しい!!!(でも背中に「6 PETROVIC」とプリントされたRKCのユニを着た子供もいたので、RKCサポの間でもペトロは「6」のイメージがあるのかも)
そして全選手による集合写真。試合前の集合写真で総勢40人程のサッカー選手がいるなんて、滅多にお目にかかれないよなぁ。しかもケガで試合に出ないと聞いていた伸二までが、なぜかオールスターのユニを着て撮影に交じっているし(笑)
そしてキック・オフ!
前半のオールスターズはPSV関係中心で構成されていたのか、PSVサポがRKCのプレーにブーイングしちゃったりします。
でもあくまでも、和気あいあいとした雰囲気は忘れてません。ハイボールを競り合ったオールスターの年配(らしき)DFが「だめだ、届かねぇ!」とばかりに思いっきり手でボールを叩きおとしても場内は爆笑&ブーイングで、審判も苦笑して見逃しちゃうんです。激しいチャージもないので、両チームとも派手に攻撃しあってました。(でもそんな和気あいあいのはずの引退試合でも、遠慮なくウチの平川を削った選手がいたなぁ(苦笑))
そんな中でペトロは、「すこ〜し運動量が減った?」とは思うものの、それでもここぞという時には前へ後ろへと駆けつけ、そして左右の空いたスペースにいる選手へのピンポイントなロングパスをバンバン上げ、チャンスと見ればDFの裏へ縦のスルーパスを一気に入れる!(啓太、おまえも早くこんなボランチになってくれよぉ(笑))
でもそんなペトロが、今度は絶好のシュート・チャンス!・・・で、思いっきりゴール裏の客席へシュートした時には場内大爆笑!ペトロは「ク〜ッ!」と泣き真似してました。
そして40分で前半終了の笛が鳴りました。おじさん達の体力は高校生並みなんでしょうか。前半は(確か)3−3。どちらのチームが得点してもゴールの音楽が流れ、すべてのサポが拍手をしてました。
チキも出場です
後半はペトロもアウェイに着替え、そしてメンバーは、バカ(私)でも分かる「オールスター」なメンツに交代となりました。でもキャプテンはデ・ブール(だからどっちだよ(笑)たぶんフランク・デ・ブール)でした。
最初はチグハグしていたオールスターズも少し試合が進んでいくと、サイドに開いたスーケルにパスが渡り、ページャへパス!そしてまたスーケルにと、ペトロの試合だからこそ実現した旧ユーゴの2TOPが、ため息が出るようなコンビネーションでガンガンとRKCのゴールに襲いかかります。
そしてペトロやチキ達からどんどんボールが供給され、「よくあそこが見えていたなぁ」と思うようなパスに感動〜っ。私は戦術眼なんて全然ないんですけどね、それでも「すご〜い!すご〜い!」を連発してしまうようなチームでした。(しかもぶっつけ本番なんだよ、このメンツ!!)
そしてDFから抜け出してGKと1対1になりそうなRKCのFWを、あの鬼のような形相でペトロが猛ダッシュで追いかけていき、PAエリア内でボールを奪った時には場内大歓声!特にPSVサポは喜んでたな〜
鬼の形相でペトロがユーリに襲いかかる!
さらに、ついにペトロのゴール!!オールスター全員が駆け寄ってペトロに抱きつき、スタジアムのアナもひときわ大きな声で「ゴ〜ル!!ペトロヴィ〜ッチ!!!」と告げました。
おまけに、その後でスーケルまでやっちゃいました!ハーフラインを少し出たくらいの右サイドでボールを受け取ったスーケルは、突然そこから柔らかくボールを蹴り上げたのです。全員が見守る中、ボールは誰もいないRKC側のピッチを抜け、前に出ていたGKの上を通り抜けゴールへと吸い込まれました!その瞬間、場内は大歓声!
駆け寄ったペトロにスーケルは膝まずいて手を合わせ、そして「すげえぞ!おまえ!」と言わんばかりの満面の笑みでスーケルを抱きしめるペトロ。次々と駆け寄ってスーケルをもみくちゃにする選手たちが皆、このゴールに感動して無邪気にはしゃぐ子供のようなの笑顔になっていました。
もみくちゃスーケル
そして後半30分頃、ピッチサイドでウォームアップを始めた選手がいました。試合前から気になっていたんですが、まるで子供のように小柄な選手がいたんです。すると私の周りにいた10代くらいの子たちが
「交代!ペトロビ〜ッチ!」
みたいな歓声をあげ・・・え??!!もしかして・・・ペトロの息子ぉ!!??そういえば確かに、以前に見たペトロ親子の写真の面影がある!
そしてアナウンスがペトロの交代を告げ、「You'll Never Walk Alone」の流れる中で満場のスタンディング・オベーションを受けながら、ゼリコ・ペトロヴィッチはユニフォームを脱ぎました。そのユニフォームを息子に渡し、小さなペトロヴィッチは「6」を背負い、ピッチへと駆け出していきました。スーケルに抱きしめられ、ミヤトビッチにキスされ、ユーリに励まされながら、彼は右サイドに入りました。
小さな6番
とはいえど、やっぱりまだ子供だからね(笑)オジさんたちの中でプレーするには無理があるけど、それでもサイドのスペースに出されたボールを懸命に追いかけていくプレーに、皆が拍手を送りました。
そして「何分あるんだよ!」と突っ込みたくなるような長いロスタイムの後、ペトロの引退試合は終わりました。6−3でオールスターズが圧勝しました。
ペトロヴィッチ・ファミリー
試合後はペトロの奥さんたちもピッチに現れ、家族全員でセレモニーを受けました。 でもすべてオランダ語なので、私には何をやっていたのかさっぱり分かりませんでした。ただ、ヨハンクライフ基金とか言っていたので、たぶんペトロが寄付をしたということだったんだと思います。
そしてお待ちかね(?)のペトロのカラオケ・タイム!RKCの歌を歌うというので油断していたら・・・メロディーがまさかの「マイ・ウェイ」だ〜っ!!!!
ゴメン、ペトロ。笑うとこじゃないだろうけど、私の中では大受けでした。結局、司会者たちと3人で歌ったのでペトロの美声(?)はよく分からなかったけど、ともかくペトロは熱唱しておりましたよ。
そしてスタンディング・オベーションの中、ペトロは場内を駆け抜け、そして去っていきました。
ペトロ、熱唱!