May/2004 ペトロヴィッチ引退記念試合 in オランダ

5月19日　ヴァールヴァイクにて part 1

今日は練習を見にRKCのスタジアムに行きます。

メールでチケットを頼んだ時に「練習については詳しいことが分かったらまた連絡する」と返事をもらっていたんですが、結局、出発の日までメールが来ませんでした。でも「とりあえず朝10時までにスタジアムに行けばなんとかなるでしょ」と、気楽に考え、朝７時にアムステルダムを出発しました。

インターシティ（特急列車）でデン・ボッシュまで１時間、そこからバスで40分ほどで2年半振りのヴァールヴァイクに到着しました。

スタジアムの正面の駐車場も練習場も人気がなくひっそりとしていました。正面玄関に入り、ちょうどそこにいた女性に練習についてたずねると、
「私には分からないのよ。事務所のほうで聞くといいわ」
と、事務所の窓をノックしてくれました。
そこで出て来たスタッフにまた聞くと、
「今日は夜に試合があるから練習はないのよ」
ガ〜ンっ！！
「試合って、RKCの試合？」
「そうよ。デュルーネンのチームとやるの」
「・・・ペトロヴィッチは出るの？」
「彼は明日に試合があるから出ないと思うわ」
は〜っ、残念。

とりあえず明日のチケットを受け取って、しょんぼりとしながらスタジアムを出ようとすると、先ほどの女性に「ねえ、2階を見てみたい？」と、声をかけられました。2階って、試合の時の関係者の休憩室だよね。えっ？そんなトコを見てもいいの？
「うん！見たい！」
「じゃあ、いらっしゃい」
と、2階へ案内してくれました。

2階はちょっとした広間になっていて、そこにはきれいにディナー用のセッティングがされたテーブルが並んでいました。「明日は試合の後にパーティをやるのかな？」と思っていると、その片隅で、まだセッティングされていないテーブルを囲んで数人の男性たちがコーヒーを飲んで談笑してました。

「こっちよ」と言われるままに行くと、
「さぁ、ここに座って。コーヒーがいい？紅茶？」
と、いきなりその男性陣の中に座らされてしまいました。

え？ええっ？？

こ、この人たち、RKCの関係者だよね？？隣の初老のおじさんなんてスーツを着て、見るからにお偉いさんって感じだし。反対側の男性は「アシスタント・コーチ」と紹介されるし、ええ〜っ！私ごときがこんなトコでお茶なんて頂いてていいのぉ？

どうも「明日の試合を見に日本からきたヤツが下にいるそうだから、せっかくだからお茶でも出してやるか」というコトだったんでしょうね。

お偉いさん（らしき人）が
「ペトロはな、毎朝ここでこうやってお喋りしていくんだよ。そこ（私が座っている席）がペトロの指定席だよ！彼は毎朝ここに座って、たくさんコーヒーを飲んで、たくさんタバコをすうんだよ」
と話してくれました。え？タバコ？？ペトロが喫煙するという噂は聞いていたけど、やっぱりそうなんだ。

すると前に座っていた、ジョージ・クルーニーをちょっと（かなり？）崩したような風貌のおじさんが（結局彼の名前を聞けなかったので勝手にジョージと呼ばせてもらいます）、
「お前はペトロヴィッチの日本での最後の試合は見にいったのか？」
と、言いました。最後の試合って、大宮戦のコトかな？
「うん、見たよ」
「あれ、ビデオで見たけど本当にすごいな〜っ！」
お偉いさんがウンウンとうなずきながら、
「何万人もの人がみんな泣いていたね」
「そうそう、みんな泣いていたよなぁ、あれはすごかった」
「うん、私も泣きまくった！」
そう言ったらみんなに笑われちゃった。

「今日の試合を観にくるならチケットをあげるよ。」
と、お偉いさんが誘ってくれたんですが、
「でも今日はアムステルダムにホテルをとってあるから、夜の試合を観てしまうと帰るのが大変なの。」
「そうか、残念だな。」
「うん、今日は本当は日中に練習が見られると思ったから、夜までにはアムステルダムに帰れると思って・・」
するとジョージが、
「そうか、ペトロに会いたかったんだな。よし、今からここにペトロを呼んでやるよ」

・・・・・・は？？？？今、何と？？？？