May/2004 ペトロヴィッチ引退記念試合 in オランダ

5月19日　ヴァールヴァイクにて part 2

驚く私を尻目にすでにジョージは携帯をペポペポと！

でも、
「だめだ、出ない。まだ寝てるのかな」
「そうだね、まだ朝早いから」
半分ガッカリしつつも、半分ホッと。

ところが、
「よし、わしもペトロにかけてみよう！」
と、お偉いさんまで携帯をペポペポしだした！
やめてぇ〜！朝からペトロで遊ばないで〜（汗）
「やっぱり出ないねぇ」

そこへ突然ジョージの携帯の着メロがっ！ま、まさか・・・ニヤリと笑うジョージが私の目の前に突き出した携帯の液晶画面には
「PETROVIC」
きゃああ〜（大汗）！！

「おう、寝てたのか？起きてた？今、ここに明日の試合を日本から見にきたファンが来てるぞ」なんて感じのことを話すジョージ（オランダ語なので当然まったくの推測です。）そして、
「ペトロ、20分で来るってさ。」

ええええ〜〜っ！！ちょ、ちょっと、なんでいきなりこんな展開に〜っ！！と、テーブルの下にでも潜り込みたくなっている私の横で、今度はお偉いさんの携帯が鳴りだしました。
「またペトロだぁ〜！」
と全員が大笑い。電話に出たお偉いさんは
「ペトロか？だから早く来いってことだよ」（当然まったくの推測）
とだけ言って私にニッコリと笑いました。

いや、あの、ほんと、どうすればいいのよ〜（涙）

「そうそう、ペトロの写真を見せてやるよ」と、ジョージが奥から持ってきたのは ユニフォームを脱いで、上半身裸で雄叫びしているペトロでした。
「（笑）なに、これ？」
「この間のホーム最終戦の時の写真だよ。終了間際にペトロが得点したんだ」
相変わらずだなぁとクスクス笑う私を見て、ジョージも「いいだろ〜」と笑ってました。

そんなことをしていると、後ろのドアが開く音がして・・・ぎゃぁぁぁ〜！ほんとにペトロが来ちゃった〜！！

いつも私はペトロに会うと日本語で「ゲンキ？」と聞くんですが、 それを覚えていてくれたのか分からないけど、私を見たペトロは、
「あ〜っ！！ゲンキ〜？」
と、私よりも先に満面の笑顔で言ってくれました。

それからペトロは私の隣に座ってコーヒーを飲みながらみんなと話し始めました。

「レッズはどう？何位だっけ？」
「３位だよ」
「３位！いいじゃないか！」
「よくないよ〜！」
「え〜？３位ならいいだろ？」
「よくないよ〜！」
「いいだろ〜？」
「いくないっ！だって１位のジュビロははるか先なんだよ！もう優勝はかなり難しいんだよ！」
「そうか〜。ジュビロは強いもんなぁ〜」
なんて話をしたのですが、よくよく考えると、私ってすごい贅沢になってる？確かにペトロの言うようにレッズにとって３位はいい成績なんだよね。でも・・・ねぇ？今のチームがすごく歯がゆいんだもん。

それにしても・・・いざ、ペトロが隣にいると緊張しちゃって話したかったコトも思い出せない〜。だって横を見るとあのイイ男なペトロがすぐ隣にいる訳で（オロオロ）。スぺイン語の教室で「ペトロヴィッチとスペイン語で喋ってくるよっ！」と宣言したのに、かけらも頭に思い浮かんでこなかったです。

ペトロに一昨年のナビスコ決勝戦後のサポ・パーティや福田引退試合の時の写真をあげました。中でも福田の試合の時の、ペトロが写ったスタメン発表のオーロラビジョンとゴール裏の写真を嬉しそうにみんなに見せていました。ジョージたちに「すげえなぁ！」と感心され、
「ペトロヴィッチ！イチバ〜ン！！」と日本語でエバってました。

でも本当にペトロはヘビースモーカーでした（汗）１時間くらいの間で５、６本吸ってたかなぁ。もしタバコを吸わなかったら一体どんな怪物級の運動量になってたんだろう、なんて想像してしまいました。でもこの歳まであの運動量でボランチやってきたんだもんね。・・・でもそれも明日で・・・

ペトロも明日のことを考えて、少しナーバスになっていると言ってました。
「明日で最後だからね・・・」と。

「今日は練習しないんだね」
「夜に試合があるからね」
「リーグ戦は終わったでしょ？」
「そう、フレンドリー・マッチだよ。見にくるか？」
「アムステルダムまで帰るのが大変だしなぁ。それにペトロは出ないでしょ？」
「俺は出るよ。」
「え？だって２日連続だよ！？」
「俺は出る(笑）」
「え〜っ、ペトロが出るなら見たい（笑）」

その夜の試合は隣町のデュルーネンのアマチュアチームとの対戦で、相手のホームで行われるそうでした。

「あそこは車がないとキビしいかもなぁ。」
「・・・・・・」
「行きは俺か誰かが乗せていくとしても、俺は試合後はいろんな人と会うから送ってやれないんだよ。帰りだけでもなんとかできるか？」
「うん、バス停まで歩くよ。最終バスには間に合うと思うし、アムステルダムまでの列車は12時頃でもあるから。」
「よし。じゃあ５時にまたここに来い。そうしたら俺か誰かスタッフが乗せていってやる。でも帰りは自分でなんとかしろよ。」

そうしてペトロと別れ、スタジアムを出ようとすると
「バス・ステーションに行くんだろ？乗せてってやるよ」
と、ジョージが車で送ってくれました。

「ペトロは明日の試合の後で歌を歌うんだよ。カラオケだよ」
とジョージが教えてくれました。まさかそれでナーバスになってるんじゃ（違う、違う！）でも、ペトロ・・・「マイ・ウェイ」だけはヤメてねぇ〜！（苦笑）