May/2004 ペトロヴィッチ引退記念試合 in オランダ
5月19日 ヴァールヴァイクにて part 3
デン・ボッシュに戻り、どうしようかと考えてゴーダ観光に行ってみることにしました。 ゴーダ・チーズのゴーダです。チーズ好きとしてはやっぱり行ってみたい。まだ時間はたっぷりあるしね。
デン・ボッシュからユトレヒトまで30分、そこからスネル・トレン(快速列車)でゴーダまで30分。
この町では夏にはチーズ市が開かれるそうですが、まだ時期外れでした。でもその日の天気はよく晴れて暑いくらいで、こじんまりとした町を運河にそってのんびり散歩しました。
チーズ屋さんで年代物のゴーダ・チーズ(味が凝縮されたかんじで絶品なんですよぉ)を見つけたんですが、大きすぎて旅行の途中じゃ買えないので断念(涙)
でもレストランでチーズのパンケーキを注文しました(朝から何も食べてなかったんです。)しかし、ふと時計を見ると、えっ!3時!?ヤバイ!乗り継ぎが悪かったら約束の5時までにスタジアムに着けない!!慌ててパンケーキを半分だけ口に押し込んで駅に走りました。
バスでも「マンデマーケルス・スタジアムに着いたら降ろして!」と頼み、スタジアムまで走ったけど・・・5分の遅刻・・・サイテー・・・。
スタジアムの正面玄関は鍵がかかっていて開かない(汗)でも扉の横のブザーらしきスイッチを押してみたら、奥からまたジョージが出て来てくれました。
ペトロが渋滞にひっかかってスタジアムに間に合わないので、ジョージに私を送ってくれるようにペトロから電話があったそうです。(結局ペトロは試合にも遅刻してました(笑))
ゼーゼーしてる私を見て、
「まずは2階に上がって座って落ち着きなよ(笑)」
2階には最初に会った女性と女の子、そして白い犬がいました。実はその女性がジョージの奥さんで、女の子は娘さんだったのです。そしてジョージと奥さんはスタジアムの2階でのパーティなどを仕切る仕事をしているのだそうです。
なので、ジョージの仕事が終わるまで娘さんとお話ししました。娘さんは11歳なんですが、それでもなんとか英語で会話をしていました(分からないところはお母さんに助けてもらってましたが。)
「毎日スタジアムにくるの?」
「うん、学校の後で」(羨ましいじゃないの・・・)
「サッカーは好き?」
「(笑いながら)嫌い・・・」
やっぱり、そういうもんだね。
そんな話しをしていると、「ねえ、これを見て」と、お母さんがテーブルの上に立てられたメニュー(か、パーティのプログラム?)を見せてくれました。その表紙には泣き顔のペトロの顔が。
「これ、この前の最終戦の時の写真なの。ペトロったら泣きじゃくってねぇ」
と、コロコロと笑っていました。
これを表紙にしちゃうんだ(笑)でも相変わらずの泣き虫なんだね(こっちもウルウル)・・・。
そして仕事が終わったジョージと1階へ。
「今、あそこでRKCの選手たちが試合前の食事とかミーティングをしてるんだよ」
興味深々に控え室を遠目に見ていると選手が一人出て来たので「彼もグッド・スピーラー(選手)なんだよ」と紹介してくれました。
「明日の試合を見に日本からきたの?ペトロは遅れてるけどもうすぐ来るからね!
必ずペトロは来るから!」
みんな優しい言葉をかけてくれます(涙)
それからジョージの車でデュルーネンの試合場まで。
ヴァールヴァイクを出て、しばらく田舎道を行くとデュルーネンの町に・・・と、思ったらいきなり町とは反対の草原の中へどんどんと・・・(汗)周りに家の一軒もないような道を延々と走っていくと、森と草原の中に唐突にサッカーグラウンドが・・・・
まずい!これは帰れない!歩いて帰れないっ!!!どうしよう!!
ここで少し説明します。ヴァールヴァイクやデュルーネンは本当に小さな小さな町です。そしてこの2つの町の唯一の公共交通機関は、東西にあるデン・ボッシュとティルブルグという大きな町を結ぶバスが団子の串のようにそれぞれの町の真ん中を走っているだけなのです。
でも、デュルーネンはヴァールヴァイクに行く途中で通る町なので、あの小さな町ならどんなに町外れでも30分も歩けばバス停まで行けるだろう、と、思っていたんです。まさか、まさか、こんなとんでもない町外れ(というか、町がみえない・・・)だったなんて。
これは素直にジョージに泣きつきました。するとジョージがRKCのフィジカルコーチに頼んでくれ、
「大丈夫。誰か選手に送るように頼むから安心して」
フィジコがにこやかに言ってくれました。感謝!(涙)
ん?でも選手に送らせちゃうの?試合の後に??それって悪くない?・・・なんて言ってる場合じゃありません!素直に甘えましょう!しかもフィジコはジュースまでおごってくれて、試合前まで私の話相手をしてくれました(涙)
このデュルーネンの試合場は、河原の草サッカー場みたいな感じでした。でも3、4面もあるピッチはきれいな芝で整えられて、バーを備えたクラブハウスもあって、昔の大原よりは立派かも(笑)アマチュアとはいえリーグ戦もあるようで成績表が張られていました。アマチュアのクラブでもこんな施設を持っているなんて、やっぱり歴史が違うのかな。
そのうちRKCの選手たちがやってきました。サインをねだる子供たちだけでなく、クラブハウスで飲んでいる大人たちもチラチラと選手たちを盗み見していました。そうか、この地域の人たちにとってRKCはエール・ディビジ(オランダ1部)で活躍するスター・チームなんだ、と失礼ながら、いまさら実感。そんなチームに、ただ日本から来たというだけでこんなに特別扱いされて・・・いいのかなぁ?
なんだかとてもダラダラと試合が開始されました。観客は5、60人くらいかな?でもアマチュアというからJFL程度なのかと思ったら、GKが太ってるし、DFが眼鏡かけてるし(笑)ですのでRKCがやりたい放題な試合でした。
いつもは背広で試合中にイライラとタバコを吸っているヨル監督も、ジーンズにポロシャツとラフないでたちで、シュートチャンスを外す選手を率先してヤジってました(笑)
この時期のオランダは日没が夜10時近くで、夜の試合なのに日焼けしそうなお日様の下で気持ちよかったです。
ペトロがちょうど姿を現した頃に前半が終了しました。
こんなのどかな雰囲気の試合