MTV SPANKING NEW MUSIC TOUR (その2)
ホテルのチェック・インを済ませ、ダンナはカーディフのレコード店巡り、私は再びライブ会場の方へ。
さっきの場所に到着すると・・・誰も並んでない・・・。中でセキュリティーに聞くと、外で並んでいればいいと言うんだけど、どこに並べばいいの(汗)もう4時だからそろそろ並ぶ時間だと思ったのに。もしかして表に列が?と、また鉄橋を渡って行ってみても、やっぱり人っ子一人いない・・・。で、また裏に戻ってみてもやっぱり誰もいない。
たぶん会場はここにある「THE GREAT HALL」で、昨夜はThe Zutonsが出演する同じMTVライブがあったから、床に1列に並んでいるビールの空き缶やゴミはその時の並びの跡のはず(笑)
1時間もウロウロしていると、
「今、会場に着いたんだけど、誰もいないのよ。どこに並べばいいの〜?」
なんて携帯で話しながら女の子がやってきました。するとちょうど出てきた会場のオジさんが「お前ら、今日のライブか?そこに並べば良いんだぞ。」
「ここでいいって言ってたよね?」と、その子に聞いてみると、
「私もこの会場は初めてなのよぉ。もうすぐ友達たちが来るんだけど」
ここでいいんだろうけど、会場のドアが張り出していて、左右から入れるようになっているんだよね。どっち側に並べばいいんだ??(汗)
なんてその子と悩んでいると、彼女の友人たちが現れました。リーダー格風の女の子が
「ここでいいの?じゃあ並びましょ。あ、あなたが先に来てたの?前に入る?」
いえいえ、あなた達の後ろで充分です(苦笑)とりあえずイギリス人が2人以上集まったのでキューができました。ほっ。(キュー:並びの列のこと。イギリス人は2人集まればキューが始まると言われるほどキュー好き。)
しばらくすると突然の激しい雨が。屋根があるところで良かったなぁ。すぐに止むと思うけど雨嫌いなダンナはどうしてるだろうか。
ここから動くこともできずにボーっとしてると、そのリーダーちゃん(勝手に命名)が
「暇だからゲームをしよう!AからZまでバンド名を順番に言うの!じゃあまず私ね!AはArtics Monkeys !」
「えっ?Bかよ・・・えっと」
なんてやり始めました。
横で聞きながら、「Dかぁ・・Depeche Mode!」なんて心の中でやっていると、思いつくのが古いバンドばっかりで悲しくなってきた(苦笑)
「あなたも入る?みんななかなか進まないからさぁ、助けてよ。」
と言われたんだけど、どう見ても17、8歳の彼女たち。「Happy Mondaysなんてバンドあったよね?」なんて言ってるしさぁ(涙)確かに彼らが全盛期の時に君たちは生まれてもいなかったかもね。古いバンドばっかり言いそうな私が参加するのはツラいよ・・・。
そんなコトをしていたら、あれ?もうダンナがやってきた!?
「開演ギリギリに来るんじゃなかったの?!」
「だって6時になったらお店が全部閉まっちゃったからさぁ。」
やっぱりカーディフはそうだったか。
次第にパラパラと人が集まり始めました・・・がっ、反対側にも列ができてるっ(汗)しかも明らかに向こうには地元民が並んでる。心配になって、
「あのさ、私があっちの列に並んでおこうか?」と聞いてみると、
「大丈夫!大丈夫!両側の扉が開くはずよ!」と、リーダーちゃん。
でもリーダーちゃんが向こう側の人に聞くと、やっぱり普段の並びは向こう側らしい。そして出てきたセキュリティーに聞くと、やっぱり並びは向こう側でした。
すでに10人くらい並んでいて、ああ、せっかく早くから来たのに・・・と、ちょっとガックリ。ところが、
「大丈夫よ。皆おいでっ!!」
と、リーダーちゃんが向こうの列に突進!そして一番前の子たちに
「あのさっ、私たちがあなたたちより前から並んでいたのは見てるわよね?で、どっちに並ぶか分からなくて向こう側にいたけど、でもこちらの扉しか開かないんだって!だから私たちがここの一番前に入っても問題ないわよねっ!?」
うおっ、すげえっ(苦笑)そんなコト言われたら、明らかにもっと年下なこの子たちは私たちを入れざるを得ないわよね。そんな訳ですんなりと並びの一番に入ってしまったのでした。
でもその後もリーダーちゃんは
「で、あなたたちはどのバンドが目当て?フューチャーヘッズ?やっぱりそうよね、MGMTも悪くないけどさぁ・・」
なんて、その子たちとヘンなシコリが残らないようにいろいろ話しかけて気をつかってました。さすがリーダー格だわ。
セキュリティーが入場の準備を始め、「みんなチケットを用意して!」と言うので、私たちがチケット受け取りのためのプリントアウトした用紙を持っていたら、リーダーちゃんが、
「あっ!それっ(チケ受取)!マジでムカつくわよねぇ!大丈夫よ、私たちが柵前をちゃんとキープしておいてあげるから!右側にいるからね!」
あはは、ありがと〜。右ってコトはジャフ側か。たまにはいいか(苦笑)
そして入場開始!みんなドドっと入っていき、私はダンナをほったらかして急いでボックス・オフィスにいってチケを受け取り、そして会場に入ると彼女達に「こっちよ〜!」と呼ばれ、隣の場所に・・・でもどっちにしろそのあたりの柵前はガラ空き(苦笑)しかも遅れてきたダンナも私の隣にやってきた。えっ!?一番前で見る気なの?
「だって空いてるんだから。」