あまり睡眠を取る時間もないまま、ロンドン1日目の朝です。
朝食は1階のレストランでバイキング式のイングリッシュ・ブレックファーストです。 イギリスの小さくて薄〜いカリカリのトーストにバターとジャムをたっぷり塗って、ソーセージ、ベーコン、卵料理にベイクド・ビーンズ(豆のトマト煮)、果物に、そして当然ミルク・ティー。朝からお腹パンパンです。
今日は午後からオックスフォードにライブを見に行きますが、まずはKさんの忠告に従い列車のチケットを発券しに行きます。
ホテル近くのバス停から「7番」のバスでパディントン駅へ行きますが、二階建てバス(ダブルデッカー)の二階最前列の席はとっても見晴らしが良くて、6年振りのロンドンでダンナは子供のように大はしゃぎ。
パディントン駅に到着して、さっそく発券機に向かいました。
予約した時のクレジット・カードを入れ、予約番号を入力すると、ガシャンガシャンとチケットが印刷されて、無事にチケットをゲットできてました。
でもレシートとか予約券とかも一緒に出てきて、しかもそれが全部見た目が同じ。だからカーディフとオックスフォード往復で、全部で16枚も同じようなチケットがウジャウジャ!間違えそうで怖いなぁ〜。それにチケット本体には列車の時間とか書いてないんだよね。こんな分かりにくいチケで大丈夫か??
ともかく予約したチケを無事受け取れて、街に出てレコード店を覗いたり、おみやげを買ったりしてブラブラ。
そして音楽好きに有名なBerwick Streetにあるテイクアウトのベジタリアン・レストランでお昼。外のテーブルで食べていると、急にどしゃ降りの雨が降ってきました。
ロンドンに住んでいる友人も言っていましたが、最近のイギリスはスコールみたいな雨が降ってきます。1日の間に晴れたり雨が降るイギリスの天気は変わりませんが、以前は傘もいらない程度の小雨で、こんなどしゃ振りの雨なんてほとんどなかったけど。 今ではイギリスがおいしいワインの産地と言われるし、やっぱり温暖化が原因なのか?
でも「どうせすぐに止むさ」と、皆、傘もささずに歩いていきます。「どうせコートは脱ぐから」と真冬のライブにTシャツ1枚でやってくる。そんなイギリス人の性格は変わってないのかも。
それから一度ホテルに戻って荷物をおいて、そしてオックスフォードへ向かいました。
朝のバスが渋滞したので、今度は近くのユーストン駅(Euston)から地下鉄で行こうとちょうど来たバスに飛び乗ったのですが、よくよく確認するとパディントン駅に行く地下鉄は「ユーストン」ではなく「ユーストン・スクエア駅(Euston Square)」だった!うげっ!
大慌てでユーストン駅の交通案内所で聞くと、歩いて5分程でスクエア駅があるとのこと。
「まだ時間はあるからそんなに慌てなくてもいいよ。」と言うダンナ。
でもね、ロンドンの地下鉄はアテにならない。最近はかなり改善されたとはいえ、ロンドンの地下鉄で30分くらい待たされるなんてそんなに珍しいコトではありません。さらにユーストン・スクエア駅は3本の路線が同じホームを走っているので、次にどの路線がやって来るのかはけっこう運次第(笑)おまけに私は時間が気になってドキドキしてしまうタイプなので、もう焦る、焦る!
でも意外とあっさり目的の地下鉄がやってきて(それが普通なんだけどね)結局30分前にパディントン駅に到着してしまいました。
一息つきたくて熱々の紅茶などを買いこみ、オックスフォード行きの列車を待ちました。
が、イギリスのターミナル駅では、列車がどのプラットフォームから出るのか決まっていません。だから電光掲示板にプラットフォームの番号が出るのを待ちますが、う〜ん、出発まであと10分になっても出てこないぞ〜。
「あっ、出たっ!」
と、思った途端、掲示板の前にいた人たちが一斉にドッとプラットフォームに走り出しました。うっひ〜っ(汗)
しかも以前のイギリスの駅には改札がありませんでしたが、テロ対策なのか今では自動改札機が設置されています。そこに皆が一度に殺到して大混雑!紅茶がこぼれそうっ!そして改札を抜けても2等車ははるか後方。みんな早足!早足っ!紅茶を押さえて小走りでついていきます。
そして予約した座席に座ってホッと一息・・の間もない程に、何のアナウンスもなく静かに列車は出発しました。あぁ、疲れたぁ。
オックスフォードまでは1時間程度で、列車の中はどちらかといえば通勤列車のような雰囲気です。そこに年配のご夫婦がやってきて、空いている席を探していました。
「あなたはそこに座りなさい。私はここに座るから。」
「あなた、傘はどこにやったの?そこじゃ危ないから上に置いておきなさい!」
と、しきる奥さん。そしてオックスフォードに近づくと降りる準備を始めるダンナさんに
「まだ大丈夫よ。バカなことしないで!皆、降りるんだから!」
う〜ん、キツいヨメだこと。尻に敷いてるなぁ。
「私はあんな風じゃないよね?」
「・・・・」
答えろっ!(苦笑)
ずっと黙って奥さんの言うなりになっていたダンナさんですが、「バカみたい」と言われながらも、そそくさと出口に行ってしまいました。
そしてオックスフォードに到着し、大勢の人たちと順に列車を降りていくと、先にプラットフォームに出ていたダンナさんが
「なっ?だから早く出口に並んでたのさっ!」
と、言わんばかりのガッツポーズをしてる(笑)奥さんに「何よっ!」ってな感じであしらわれつつも、ニコニコしてるダンナさん。ま、仲良さそうでいいんじゃないですか。
さて。
私は2年前の冬にT.E.ロレンス(アラビアのロレンス)の家や大学を見に、ここを訪れたばかりでしたが、初夏のオックスフォードは、植物園やパント(竿で操作して川遊びをする小舟)の乗り場もあって、なんだか街が華やかな空気です。
「ここがロレンスが通っていた大学なんだよ。」
なんてダンナに観光案内(ロレンス案内)しながらライブ会場へと向かいました。
しかしそんなコトをしてちょっと回り道をしてしまったら、会場までが意外と遠くてちょっとヘトヘト(苦笑)しかもダンナが狙っていた会場近くのレコード店が見つからない(無くなっちゃったのかな?)もうおとなしく入場待ちの列に並ぶことにしました。
今日のライブは音楽新聞「NME」が主催する新人バンドを集めた「NME NEW NOISE TOUR」です。会場のカーリング・アカデミー(CARLING ACADEMY)には複数のホールがあるようで、NME LIVEはゾディアック(ZODIAC)という小さいホールです。じゃあメイン・ホールは誰かと思えば、うひっ!ポール・ウェラーかっ!
私たちがゾディアックの列に並んでいると、明らかにポール師匠(笑)が目当てのオジさん、オバさんが後ろに並んでくる。でも私たちのチケットとかを見て「あれ、なんか違うぞ」と向こうの列に移動していきました。しかしなぜか次々と間違える人たちがいる。もしかして私たちのせい?
よくよく我が身を見ると、トリコロール・カラーのマフラーにグレーの細めのショートコート・・・意図せずして、ちょっとモッズなファッションだったかも??
それに確かに年齢的にはどう見てもポール師匠の客だしねぇ(苦笑)NMEの方は14,5才のお子様ばかりだからね。でも不思議だったのは、その子(男の子)たちがなぜか皆ジーンズをケツ半分あたりまでズリおろしているのです。今どきその履き方なの??ロンドンではそんな人はいなかったよなぁ。オックスフォード限定のブームだったのか?