バスでまずはセント・ポール寺院へ行き、そこからミレニアム・ブリッジを渡って、昨日の悔いが残るサウスバンクに行きました。
ミレニアム・ブリッジ
このミレニアム・ブリッジはテムズ川に約100年振りに新たにかけられた歩行者専用の橋です。セント・ポール寺院の横からテムズ川の方に降りていくと、この橋でそのままサウスバンクに行ける訳です。ふ〜む、こうやって人をサウスバンクに呼び込むのか、うまく作ってあるなぁ、と、ちょっとロンドンの再開発のやり方に感心。
正面に見えるのがセント・ポール寺院
ミレニアム・ブリッジはハイテク風のあんまり色気のない橋で、それに他の橋でも歩いて渡ることはできるのに、なぜか「歩行者専用」というだけで気分がのんびりします。今日は割と天気も良くて、また大勢の人がこの辺りを訪れてました。
そしてまずはすぐ近くにある「グローブ座」へ。
16世紀にシェイクスピアの劇場としてあったものを、また同じロンドンのサウスウォーク地区(Southwark)に復活させた劇場です。
それほどシェイクスピアに興味がある訳ではないけど、前回の旅行の時に買って帰ったイギリスのSFドラマ「ドクター・フー」のシリーズ3のDVDで(詳しくは昨年の11月の旅行記で。NHKが放送してるけど、シリーズ2までしかやってないの。)この中でドクターがシェイクスピアと出会うストーリーがあり、グローブ座で行われた撮影のメイキング映像を見ていたら、無性に行きたくなっちゃったんだよね(笑)
THE GLOBE/グローブ座
この時期の昼間にはシェイクスピアの劇が公演されていますが、観劇する時間はないので中に入れる見学ツアーに参加しました。ビジター・センターに行くと、ちょうど3時半からのツアーがありましたが、入場料が9ポンド(約1800円)!うげ〜高いっ(汗)
「ど、どうする?」
「せっかくここまで来たんだから入ろう。中を見たいんでしょ?」
2人分のチケットを買い、中に入ると、ビジターセンターは小さな博物館になっていて、当時のグローブ座の建築や衣装、使われていた楽器などが説明されていました。そして小さなステージでは衣装担当のオバちゃんたちがお客さんの女の子に衣装を着せながら、当時の服装について教えてくれました。
集合の時間になって20人くらいの見学ツアーがスタート。
が、ここで案内のリーフレットに日本語版がない・・・そういえば売店でも日本語のガイド・ブックがバーゲンになってたなぁ・・・。確かにGWシーズンだというのにほとんど日本人を見かけないし、イギリスって、今では日本では人気がないのかなぁ・・・。
ともかく、ツアーについて劇場に行くと、ガイドのオバさんが、
「今日は中で工事をやっているので、私の声が聞こえにくい時があるかもしれません。」
え?工事?なにそれ??
と、思いつつ着いていくと、そこにあの「ドクター・フー」に登場したグローブ座がっ!うひゃひゃ!
木と漆喰のチェダー調(かな?)の小さな円形劇場で、木の扉を開けて中に入ると、中も全部木造。一階の立ち見席を3階建ての客席がグルリと丸く囲んでいます。で、席に座ると、あっ、ほんとに工事中だ。というのも、次の舞台のために何人もの大工さんがステージを組み直していました。へ〜こんなのが見れるってのも珍しいかも、なんて呑気に思いつつ説明を聞いていたら、
「チュイイイイ〜ン!!」
と、すごいチェインソーの音(汗)あはは。あくまで工事は進める訳ですね。
3階席からの眺め
現代ではシェイクスピア劇なんていうと高尚(?)なイメージがありますが、このグローブ座のあるサウスウォークは当時の庶民の歓楽街で、このグローブ座も周りに立つ他の劇場と一緒に娯楽の中心だったとか(日本の歌舞伎だって元々はそんなモンじゃない?)ドクターのドラマの中でも、ここの1階でみんなが押し合いへし合いしながら劇に一喜一憂しながら立ち見しているシーンはなんか今のライブの雰囲気に近いものがあったなぁ。これがイギリスのライブの原型なのかもね。
45分のガイドツアーはとっても面白かったです。で、ちょっとお茶でも飲もうかと思ったら、もうカフェが閉まってた。しかたないので、テート・モダンに行きましょう。
テート・モダン(Tate Modern)という美術館は、近くのテムズ対岸にあるテート・ギャラリーという美術館が所蔵する現代美術を集めて作られました。しかも元々ここにあった工場跡を再利用して作られているので、外観はほとんどそのまま。しかも中に入ると、そこには工場で使われていたのか、天井に巨大なクレーンの設備がそのまま残ってる。建物自体がある意味現代美術で笑える。
イギリスの美術館や博物館はほとんどがそうですが、ここも無料です。4階ぐらいまでの間に時代やテーマに別れていろんな作品が展示されています。
とりあえずヘンなモンが一杯(笑)壁から手が何本も飛び出していたり、小さくてカラフルな石けんが何百個も繋がって天井からぶら下がっていたり。訳分からないけどケタケタと笑いながらグルリと一周してきました。
そして最上階の7階にあるバーに行くと、ここもすでにオーダーストップ(涙)とりあえずロンドンの風景が一望できるここの眺めを堪能しときました。
では外にあったカフェで・・・と、外に行くと、カフェも閉まってる(涙)では広場の売店でとりあえず水でも買おうかな、と思うと、売店まで閉まってる(涙)
疲れた足を引きずって歩いて行くとちょうど川沿いにパブがありました。
「もうここでいいや。何か買ってくるよ。」
酒を飲まないダンナにはコーラ、そして自分は「STRONG BOW」を注文。
「ストロング・ボウ」はイギリスでサイダー(Cider)と呼ばれる炭酸入りリンゴ酒です。リンゴといっても辛口のこれは甘みがなくてとってもおいしい。
イギリスのパブでは「PINT(パイント)」単位(およそ0.6リットル)で注文しますが、さすがに1パイントは酔っぱらいそうなので、ハーフ・パイントのストロング・ボウを注文。でもコーラが1パイント出てきちゃった(汗)しまった、ソフト・ドリンクも何も言わないと1パイントになるんだ。
でかいグラスになみなみと入ったコーラとストロング・ボウを持って外に行き、適当に座る場所を見つけてやっと一息つけました。
イギリスの初夏ののどかな空の下で、よく冷えたストロング・ボウをのんびりと飲みながら、テムズ川や、川岸を散歩する人たちを眺めていると、ほんとに気持ちいい。
これだけ頻繁にイギリスに来ていても、こんないい気候の中で酒を飲みながらボーッとするなんてなかったからねぇ。
「いいねぇ。のんびりするねぇ。」
「そうだね」と、言いながらバリバリとクリスプスを食べるダンナ。あれ?コーラも全部飲んじゃったの?(苦笑)
「晩ご飯はどうする?」
「まだフィッシュ&チップスもケバブも食べてないんだよなぁ。」と、ダンナ。
中心地の繁華街ピカデリー・サーカスに行くとチップスやケバブを売っている店がありましたが、どこもテイク・アウトのお店。せっかく時間があるのに路上で食べるというのもなぁ。
なので結局、中華料理屋で夕食をとりました。初めてまともにお店に入って食事してる気がする(笑)
考えてみると私もチップスやケバブを最近はあまり食べてない、というか、あまりお店を見かけなくなりました。
以前はどこにでもあったのに、サンドイッチのチェーン店に変わっていたり、カフェになってしまったりしてます。それに「イギリス=紅茶」のイメージがありますが、最近はイギリスでもコーヒーが主流になってきてるみたいで、スタバもあちこちにあるしねぇ。
古いものを守りつつも、一方でどんどん変化していくのがイギリスと言われますけどね。
ダンナさんは昔にロンドンで遊んでた友人たちと、60歳になった時に全員でまたロンドンに行こう!なんて約束しているそうですが、
「皆、この変化についていけるのかな?」
「違う国につれて来られた!」なんて言われたりして(笑)