シリア・ヨルダン旅行 2006年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、初めての中東ー

7月30日 / 帰国、途中でドバイ観光

今日でついにアラブとお別れ。朝、ホテルの清算で大きいお札を出すと、
「釣り、ない」
の一言。え〜っ。こっちも細かいお金はないよ。ダンナと小銭をかき集めたけど、それでも1ディナールほど足りない。
「足りないよ。」
「足りないと言われても、こっちもないよ!」
「しょうがないな。」
と、それで精算してもらいました。昨日の騒ぎで不機嫌になってるなぁ。

そしてタクシーを拾って空港バスの出るムジャンマ・アブダリまでの値段を聞くと、
「1ディナールまではいかないだろう。まぁ、乗れよ」
みたいに言われました。え?どうしてはっきり提示してくれないの?まぁいいか、と乗ると、実はそれがヨルダンで最初で最後の、メーター通りに請求してくれたタクシーだったのでした(苦笑)

大きいお札を出すと「え〜っ、朝だからおつりがないよ。」あんたもかよっ!しょうがないので車を降りて近くの売店に行くと、「え〜っ、おつり無いよぉ。」お前もかっ!

キップ売場ならおつりがあるだろうと、バス乗り場の反対側にある売り場まで走っていき、キップを買ってようやく小銭をゲット。ようやく料金を払い、
「お願いなんだけど、空港バスの乗り場がずっと向こうだから、そっちで荷物を降ろしてくれないかな?」
「えっ!そんなところだったのか?分かった!」
と、快く空港バス乗り場まで乗せていってくれました。パーフェクトな運ちゃんだ(笑)

朝食用に露店で巨大なパンを買ってクリームチーズを塗ってもらい、それからミント・ティーも買ってバスに乗りました。バスの中でハムハムと食べていると、車掌が「フライト、ヨルダン・エアー?」と聞いてきました。
「ノー、エミレーツ!」
「エミレーツ?UAE? OK!」
何かと思ったら、航空会社ごとでターミナルが違うので、確認していたようで、ちゃんとエミレーツのターミナルで降ろしてくれました。

空港に入るといきなり行列が!なんと、チェックインの前にX線検査と身体検査があったのです。すると、X線検査を通った私の荷物が運ばれて言ってしまい、焦っていると、係員の一人が「ナイフが入っている」と一言。えっ?あ〜っ、あれか!?ペトラ遺跡の土産物屋で買ったおもちゃの短刀が検査で引っかかっていたのです。ダンナには「ペーパーナイフにもならない」と笑われた短刀を荷物から出すと、係員たちも「あ〜あ、こんなモン買っちゃって」みたいに苦笑してました。「これ、預ける荷物に入れるよね?」「もちろん!」

その後は問題なくドバイ行きのフライトに乗りましたが、エミレーツのフライトは恐ろしいほどパーソナルTVが充実してました。特に音楽ソフトがすごいっ!イギリスの音楽新聞NMEのNO.1シングルが1960年から全て聞けるプログラムがあったり、フランツ・フェルディナンドやピクシーズ、ストーン・ローゼス、そしてザ・スミスまで新旧取り混ぜた何十枚ものアルバムが聴けるようになっていて、3時間のフライトなんてあっと言う間。こりゃ、スゲえ〜、iPodなんていらないよ(と、思ったら、日本行きフライトにはそんなプログラムがありませんでした・・・。ガックリ。)

昼の3時頃にドバイに到着。しかし名古屋行きは夜中の2時なので、この時間を利用してドバイ観光に出かける事にしました。


有名なドバイの七つ星ホテル

出発前に読んだ旅行ブログでは、どれも簡単にドバイ・ツアーに出かけていたのに、どこで申し込めば良いのか分からない(涙)あちこちで聞いても「外に観光案内があるから」としか言ってくれない。結局、まずは入国審査を通り、それから空港の観光案内でツアーのパンフをもらいました。
「ねえ、砂漠でラクダに乗るツアーもあるよ」
「まだラクダに乗りたいの!?俺はイヤだっ!ドバイを見るっ!」
チッ!

ともかくパンフレットの旅行社に電話・・・と思ったら、げっ!携帯の電源がなくなってる!昨夜にちゃんと充電したのに。それでは、公衆電話からクレジットカードで電話するか・・・と思ったら、なぜかクレジット・カードがはじかれてしまう〜!コインは使えないので、しょうがなく売店でテレカを買いました。もうお財布が空っぽ(涙)

「今からでもドバイ観光4時間コースは申し込めますか?」
「はい、大丈夫ですよ。では空港に迎えが行きますから。日本人の男女二人ね。パンフレットを目印にしますからちゃんと持っていてください。」
でも、そんな目印が不要なくらいに、空港は出稼ぎのアラブ人ばかり(笑)30分ほど待っていると、太めで真っ白なアラブ服を着たニイちゃんが迎えにきてくれました。

彼に連れられて、ようやく空港の建物を出ると、
「うげっ!ムシ暑い〜っ!!」
夕方になってもドバイは灼熱。しかも湿気のある暑さ。体にこたえるなぁ。でも、車はクーラーがガンガン効いたピカピカのトヨタのワゴン車。こんなきれいな車、10日ぶりだよぉぉ〜と、ダンナと感涙にむせぶ(笑)それにしても・・・同じアラブでこの格差。オイル・マネーってすごいんだなぁ。

ドバイは、オイル・マネーで稼げるうちに国をリゾート大国にしようとしている真っ最中。街には高級ホテルが立ち並び、道路もピカピカです。昨日までの国とのギャップがぁぁ〜。


ドバイ博物館の中庭

軽く街を案内してもらいながらドバイ博物館に行きました。ドバイの歴史や、まだ漁村だった頃のドバイの生活の様子が展示されていて、あれこれと見ていたら
「あれっ?ダンナがいない?」
どこかで落ち合えるだろうと思っていたのに、出口にもいない・・・。またかよ〜っ!探しに館内に戻ってもいない!どこにいった〜っ!

入場口から外をのぞくと、気づいたガイドさんが車から手を振っているだけ。ダンナの姿はありません。係員に聞いても見ていないというし。あ〜っ、もうっ!!

しかし、ウロウロと探していると係員が走って、「友達が探してるよ」と呼びにきてくれました。やっとダンナ発見!ああ、疲れた・・・。我が夫婦にとってドバイは鬼門だ。二度とダンナと一緒にドバイには来ないぞっ!

そして次は車でゴールド・スーク(金製品の店が並ぶ市場)へ。車の中から見ると、周辺の裏通りは人でごったがえしていて、店先に集まって話しをしてるオヤジたち、そして生ジュースやシャーイを持った出前が人ごみをすり抜けていく。あ〜っ、見慣れた風景だなぁ。ドバイも、一歩裏道に入れば、やっぱりアラブの国だ。

しばらく車に乗りながら街並みを眺めていると、「写真を撮るかい?」と言われ、車を降りたら・・げげっ!カメラのレンズが露結してるっ(汗)なっ、なんで??あっ!ガンガンにクーラーが効いた車と、外気温の差!?車の中でカメラが冷えきっていたのか!?出発前、知り合いのプロ写真家から、「砂漠に行く時は露結に気をつけてくださいね」と言われ、「砂漠で露結??」と理解できなかったけれど、このコトだったのか。


レンズが露結!?

話題の七ツ星ホテルをバックに記念写真を撮って、よし!これでドバイは押さえたぜっ!しかし・・・ドバイは、お金がないと遊べない街だなぁ。今の私たち夫婦が来ることはないなぁ。

こうして4時間のドバイ巡りを終えて、空港まで送ってもらいました。

例の無料配給所(?)で夕食を食べて、夜中2時のフライトを待ちましたが、なかなかフライトの搭乗ゲートが表示されないので、眠る訳にもいかず、結構キツい。

やっとゲートが表示され、早速向かうと、大勢の年配の方々が同じフライトを待っていました。彼らの会話に聞き耳を立ててみると、アフリカ旅行帰りだったり、登山リュックにスイスの免税店の袋を持っていたり。みんな元気だねぇ。

「よし!オレは来年またシリアに行くぞ!」と、ダンナ。
「えっ?シリアだけ?いいけど。」
「今回は何も知らずに来ちゃったからなぁ。ちょっと悔しい!しっかり勉強してからもう一度シリアに行くぞ!」
いつの間にかすっかりアラブ好きになっていたダンナでした。

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2006 初のシリア・ヨルダン旅行へ

Feb/2006

May/2006

July/2007

番外編

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