シリア・ヨルダン旅行 2006年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、初めての中東ー

7月20日 part 1/ダマスカス観光


遂に来たぜ!ダマスカスぅ!!

ダマスカスの朝!・・・なのに、期待していた(?)早朝のアザーンは聞こえてきませんでした(苦笑)

朝食を食べにいくと、ラウンジのTVがレバノン情勢を流していました。でもアルジャジーラのニュースなので、さっぱり理解できないけどね(涙)映像だけを見る限りは、あまり状況は変わってなさそうです。

シリアで初めての朝食は、細長いパンとチーズとゆで卵でした。洋朝食って感じ?

さて、ダマスカスには「旧市街」と呼ばれる城壁で囲まれた地区があり、そこには世界最古のモスクや中世からの町並みが残っていて、ダマスカス観光の中心なのです。

早速、旧市街地へ出かけると、城壁の間に「スーク」と呼ばれる市場への入口があり、そこで伝統衣装を身につけたジュース売りを発見。「夏は生ジュースも注意しましょう」とのガイドブックの忠告を無視して(笑)飲んでみました。トム・クルーズも真っ青な手さばきでコップを濯ぎ(ネタが古い)背中に背負った壷のようなタンクからお辞儀して注いだイチジク・ジュースは、頭が痛くなるほど冷たくておいしかったです。それで値段は10SP(20円)でした。


手さばきが見事なジュース売りのおっちゃん

このスークはアラブ世界最大と言わていて、日避けのアーケードのような屋根の下に、多種多様な商店がズラーっと並んでいます。でも、朝早かったせいなのか、意外と静か。

スークのメイン通り「スーク・ハミディーエ」を過ぎると、現存する世界最古のモスク「ウマイヤド・モスク」に突き当たりました。(つまり、スークは日本のお寺の門前街みたいなモンなのかな?)観光客は正面からは入れないので、入口を探してウロウロしていると「サラディン廊」を発見!十字軍と闘ったアラブ世界の英雄、サラディンのお墓ですが、実はここもT.E.ロレンスとちょっと関係があるのです。

ここにあったブロンズの花輪は、現在ロンドンの博物館にあって、それはロレンスが持って帰ってきちゃったから・・・というと、まるで彼が墓泥棒みたいですが、この花輪は戦前にドイツから献納されたもので、トルコ(ドイツ)からの解放を喜んだダマスカス市民がフェイサル王子に献上し、そしてロレンスのものになったのだそうです。ロンドンにある花輪には、ロレンスが書いた証明書がついていますが、「これはサラディンの墓から『移動』されたものだと『私』が保証します。なぜならサラディンがいらないと言ったので。」と、彼らしいユーモアで書かれています。シリアからは2回返還要求があったそうですが、その時々の色々な事情で、結局まだイギリスにあるそうです。

と、話が逸れましたが、先にこのサラディン廊を訪問。とても小さな建物で、中には本来の棺と、ドイツがプレゼントした石棺が置かれています。アラビア語の説明しかなかったので、どっちがどっちなのか分からなかったけど、二つも棺が並んでいてヘンな感じでした。

そして、ウマイヤド・モスクの入口は、そのすぐ横にありました。


モスクにあらわれた謎のネズミ男(女?)

入場料を払うと、薄手のフード付きコートを渡されます。イスラム教徒以外の女性(半パン姿の男性もかな?)はこれを着てモスクに入りますが、その姿はまるでネズミ男(苦笑)


イスラム模様が美しいモスク

靴も脱いで、それから中に入ると、広い石畳の中庭を回廊が囲んでいます。靴下まで脱いだダンナが「う〜っ、冷たくて気持ちいい!」と言うので、私も脱いで見ると、
「熱っちい〜っ!!!」
「日なたの床は熱いに決まってるでしょ!」
あ、そうか。

回廊の天井は細かいタイルのモザイク模様で埋め尽くされ、そして床にはペルシャ絨毯(かな?)が敷き詰められ、荘厳で美しいモスクです。建物の中は涼しくて、柱が立ち並んだ広間では、一心にお祈りする人もいれば、集団で祈りの歌を歌っている人たちや、昼寝をする人もいて、自由に時間を過ごしている感じ。そのせいか、イスラム教徒ではない私でも、なんだかリラックスできる。元々イスラム教は、他宗教に対しても寛容だったと言いますしね。

そんなイスラム教の一面を象徴するように、ここにはキリストの弟子の聖ヨハネの首が納められているそうです。ここがキリスト教会だった時期にヨハネの首が納められたのですが、モスクに戻った後もそのまま奉納されているのだそう。ヨハネと言われても、オスカー・ワイルドの戯曲でのイメージしかありませんが、イスラム教の第4聖地といわれるモスクの中に眠る聖書の人物・・・なんだか不思議な感じでした。


のんびりしたウマイヤド・モスク

そしてモスクを出ると、早朝とは打って変わってスークが大混雑!レバノンの紛争なんて何処吹く風と言わんばかりの繁盛振り。でも、イスラエルとミサイルを飛ばし合っているイスラム教民兵組織ヒズボラの旗があちこちの店頭に掲げられ、まるで「ヒズボラ応援セール」のよう(苦笑)そして露天では、ヒズボラ党首ナスララのポスターが売られていて、「これ、欲しい」と、ダンナ。やめてぇ!ヨルダンに入国できなくなりそう!でも・・・ヒゲ面でポッチャリさんのナスララが、ニッコリ笑顔で写っているハート型キーホルダーは、一瞬、衝動買いしそうになりました(笑)

スークでは、洋服から水タバコのパイプ、鷲の剥製まで、とにかくいろんなモノが売られてましたが、どこも店員は男性。だから、真っ黒なチャドル(だっけ?)で全身を隠した女性たちが、男性店員と自分の下着を選んでいる様子は何とも不思議な風景でした。


賑わうスーク・ハミディーエ

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2006 初のシリア・ヨルダン旅行へ

Feb/2006

May/2006

July/2007

番外編

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