シリア・ヨルダン旅行 2006年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、初めての中東ー

7月25日 part 1/ついにアカバへ!

今日は遂にアカバへっ!朝7時半発のアカバ行きのバスに間に合うように早起きして、長距離バス「ジェット・バス」の乗り場へ向かいました。ホテルの前でタクシーを拾うと、止まったタクシーは人で満員。あれっ?どういうコト?するとドライバーが「2人降りるから乗れるぞ!」と、手振りで言ってきました。まさに乗り合いタクシーでした(笑)

しかし、到着したジェット・バスのチケットの窓口は大混雑。しかも、彼らの様子がなんとなくおかしい?チケットがない??隣の人に聞いてみると、7時半のバスはもう売り切れ!え〜っ!!ホテルのスタッフは「予約なんていらないよ」って言ってたのに・・・。

クーラーが効いて、快適な乗り心地(多分)の観光バスが、次々と出発していくのを、指をくわえて見るしか無いのか!?
「どうしよう?9時のチケットはあるみたいだけど、せっかく早起きしたのに2時間近くも待つなんてさぁ。」
「うん。でも何か他に方法はあるの?」
窓口で聞いてみると、「ムジャンマ・ワヘダット」というバス乗り場に行けば、乗り合いバスがあるらしい。
「そこは近いの?」
「いや、遠いから、タクシーで行きなよ。」

そこはアンマン郊外にあるヨルダン南部行きのバス乗り場でした。到着すると直ぐに「どこに行く?アカバ?」と、呼び込みに声を掛けられました。
「乗り合いタクシーなの?」
「そうだ。1人8ディナールだ。女性2人が決まっているから、お前らが来ればすぐに出発できるぞ。」
女性2人なら座席もゆとりがありそうだし、今から乗合バスを探すよりは良さそうかな。

そのタクシーに決めて荷物を乗せていると、少々太めの男性2人がタクシーに乗り込んでいる・・・あれぇ?確か「Two Girls」って言ってたような(苦笑)しかも今回は普通の乗用車だったので、中はかなりキツめ。そんなタクシーでアカバへ向けて出発しました。

そんな乗合タクシーは、砂漠のハイウェイをブンブンと飛ばしていきました。窓の外にはベドゥインのテントや羊の群れ、そしてあちこちで小さな砂嵐がおきて、砂漠らしい風景が続いていました。そんな風景の中に突然現れた線路!「あれはもしかして、ヒジャーズ鉄道!?」ということは、この辺りでロレンスが鉄道爆破しまくってた訳??きゃあきゃあ!!と、一人で興奮。

アカバまでは4時間程の道のりでした。途中でドライブ・インで休憩すると、中は男性ばかり!シリアやヨルダンは非常に治安が良いので、女性の一人旅も比較的安全と言われていますが、しかしこんな砂漠の中にポツンとあるドライブ・インに入って、ゴツい男性ばかりだと、やっぱり焦るよね。女性一人旅だったらバスでの旅の方がお勧めかも。

そして、アカバまでの道の途中にも検問がありましたが、やっぱり日本のパスポートは、ほぼフリーパス状態。だから私達が日本赤軍だったら(苦笑)

検問を過ぎ、平坦な砂漠の風景から徐々に岩山が増えていき、突然!視界が開けたかと思ったら、眼下に現れた白い都市と緑のナツメヤシ、そして真っ青な紅海!
「うおおおおっ!アカバぁぁ!!!」


遂にきたぜ、アカバぁぁ!

ところで、そもそもアカバとは?

紅海に面したヨルダンの港町アカバは、ロレンス好きなら名前を聞いただけで興奮しちゃう街(笑)当時、砂漠と海に囲まれ難攻不落といわれたこの町を、ロレンスはベドゥインとともに2ヶ月間かけて砂漠を渡り、攻め落としたのです。やっぱり「アラビアのロレンス」の最高潮はアカバ征服ですからねぇ。ちなみに現在でも、この小さな湾にエジプト、イスラエル、ヨルダンなど多くの国境が入り交じっていて、政治的にも重要な地域だそうです。

まずは到着したホテルで2泊分予約しましたが、
「でも今日の夜は砂漠だからねっ!」と、私。
「はあっ?」と、ダンナ。
アカバ近郊にある「ワディ・ラム」と呼ばれる砂漠は、映画「アラビアのロレンス」が撮影されたことで有名な場所です。現在は国が管理する国定公園のようになっていて、お手軽に砂漠を体験できる観光地となっています。そして、当のロレンス自身も、ここの風景をとても気に入っていたと言います。遂に砂漠でロレンス気分に浸れるぞぉ!

荷物は部屋に置いて、ホテルには「今からワディ・ラムに行くので、もしかすると今晩は帰ってこないかもしれないけど、心配しないでね」と伝えておき、そしてまずはホテルの裏通りにあった食堂で腹ごしらえ。すると、近くの店で乾燥させたナツメヤシの実を発見!ロレンスの本にはナツメヤシの実を食べるシーンが何度も出てくるんだよね。早速、食べてみると、甘みを押さえたパサパサした干し柿みたい(日本では「デーツ」という名前で売られてるんだね。)でも、なぜかその店のニイちゃんは「バナナ買え!バナナ!」と、やたらとお勧めしてました。いらないってば(苦笑)

さらにその裏通りで、「ワディ・ラム・ツアー」と書かれた看板を発見しました。どうやらワディ・ラムでの観光ツアーを手配してくれる旅行社らしい。ワディ・ラムの現地でも、宿泊所やツアーは手配できるらしいけど、時間も遅いので、あらかじめ準備しておけるなら、その方が安心かな?


ワディ・ラムに突撃!

話を聞こうとその観光社に飛び込んでみると、ツアー手配をするオジさんと、レンタカー受付のオジさんの二人がいるだけ。
「すいません。今からワディ・ラムに行って、今日は車で砂漠を回って、一晩泊まって、翌朝にラクダに乗りたいんだけど?」
「えっ!?今から??ん〜っ、ちょっと待ってくれ。ベドゥインに聞いてみる。」

オジさんがしばらく携帯電話で話した後、
「OKだ!ラクダだけは別料金で、一人40ディナールだ。どうだ?」
4500円くらいか。まぁいいか。
「よし。では4時にここを出発するぞ。」
でも、時計を見ると今は3時。少しでも早く出発したいなぁ。
「3時半出発でどう?」
「えっ!?まあいいか。じゃあ買い物してくるからちょっと待っていてくれ。」
と、オヤジは出かけていきました。

すると、レンタカー受付のオジさんから「水を買っていった方がいいよ」とアドバイスされ、ナツメヤシを買った店に行くと、またさっきのニイちゃんが出て来て「バナナ!バナナ!」と言ってくる(笑)バナナじゃなくて水が欲しいんですけど。すると「バナナも食え!」と、ミネラル・ウォーターと一緒にバナナも買い物袋に入れられました。だから何でそこまでバナナなのよ?(笑)


ワディ・ラムのモハマド君の家で一泊

そして、ベドゥインに頼まれて買い出ししてきたという小麦粉や卵を乗せて、オジさんの車で、ワディ・ラムに出発しました。アンマンから来た時に走ったハイウェイを戻り、途中から横に道を逸れて、砂漠の一本道に入っていきます。ワディ・ラムに近づくと、景観保全をしているだけあって、電柱などが一切なく、ただ一本の道路とヒジャーズ鉄道の線路があるだけの広大な風景に変わりました。

途中で、迎えに来ていたベドゥインのオジさんの車に乗り換えて、彼の家へ。この砂漠のベドゥインは、ほとんどが既に定住していて、観光を仕事にしているそうです。彼の家は、ワディ・ラムの赤茶色の巨石の下にあり、岩壁をそのまま利用して作られた簡素なもので、そこで奥さんと大勢の子供達と一緒に暮らしていました。

そして、まだ15,6才ぐらいに見える息子のモハマド君が砂漠を案内してくれると言われました。私の名前が覚えにくいからと「姉さんの名前がファティマだから、君もファティマね」と、勝手に名前をつけられました(笑)で、ダンナはなぜか「サラーム(平安)」と呼ばれてました。

そして彼の旧式な日産の4WDに乗って、ワディ・ラムの砂漠に出発!

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2006 初のシリア・ヨルダン旅行へ

Feb/2006

May/2006

July/2007

番外編

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