シリア・ヨルダン旅行 2006年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、初めての中東ー

遂に中東へ!ー旅の準備

唐突にダンナと海外旅行へ行くことになり、
「久々にニューヨークにでも行きたいなぁ」と、ダンナ。
「うーん・・・」と、イマイチ乗り気にならない私。
「・・・じゃあシリアにでも行く?」
「えっ?シリアに行きたいのっ??すぐに調べてみるね!」と、強引に行き先を決定(苦笑)

とはいえ、私も「シリアやヨルダンに行ってみたいなぁ」と漠然と思っていただけで、具体的な事は何も分かっていませんでした。「アラビアのロレンス」ことT・E・ロレンスの足跡を巡りたい!でも、あんなトコに観光で行けるのかっ!?しかも出発予定はわずか1ヶ月先だぞ?!大慌てでネットで調べてみると、意外にも、この2つの国はパック・ツアーなどもあって、個人で行っても全然問題がないことが分かりました。しかも、ロレンスゆかりの場所が、今でもあちこちに残ってる!でも(当然と言えば当然ですが)そんなロレンス巡りを網羅してくれるツアーなんてありません。
「よしっ!航空券を買って自由旅行だっ!!プランは私が立てるからねっ!!」
「はいはい」と、”どうにでもしてくれ”状態なダンナでした。

まずは航空券の手配。中部国際空港に就航を始めたばかりのエミレーツ航空の場合、ドバイを経由して、行きはシリアのダマスカス、帰りはヨルダンのアンマンからの往復航空券が8万円強でした。しかし燃料の値上がり分補充だとか言って、2人分で6万円近くも余分に取られました(涙)しかも往復ともドバイでは10時間前後の待ち時間があります。これはついでにドバイ観光でもするか。

ホテルは到着してから探す事にしましたが、とりあえず到着日のダマスカスと、シリアのアレッポのにある「バロン・ホテル」は予約しておきたい。バロン・ホテルとは、ロレンスが滞在したことで有名なホテルなのです!そんなホテルが現存しているなら泊まるしかないでしょ?

しかし、シリアは超高級ホテルしかネット予約ができません。「地球の歩き方」は今年の新版が出版されてなかったので、去年版に載っていたメアドを頼りに、バロン・ホテルとダマスカスのホテルにメールしてみました。「メアドが古くないかなぁ。だいたいシリアにメールが届くのかなぁ?」なんてドキドキだったのに、意外とあっさり返事が帰ってきて、両ホテルとも無事予約ができました。

そして、シリアのビザはあらかじめ日本での取得が必要です。旅行社に頼むと手数料が割高なので、シリア大使館に直接電話してみました。・・・でも、電話に出てくれません(苦笑)どうやら午前中しか業務をしてないようで、後日かけ直してみると、郵便では受け付けしていないとの事で、値打ちなビザ代理業者を紹介してくれました。

その業者に連絡を取り、送られてきた申請書を書いていると、その中に「イスラエルに入国した事がありますか?」という質問がありました(イスラエルに入国経験がある人は、シリアのビザが取れないそうです。もっとも、パスポートに記録が残ってなければ通っちゃうらしいけど。)でも、その質問の英訳を読むと、「『占領されたパレスチナ』に行ったことがありますか?」と書かれてあり、どうやらシリアは「イスラエル」という名前すら使いたくないようです(笑)


右も左も真っ茶色のシリア(汗)

そして一緒にシリアの絵葉書が同封されていましたが、その風景はどこもかしこも一面、真っ茶色!!こんなトコに行くのかと、今更ながら実感が(汗)こんな調子でこの先、大丈夫かなぁ。

そして、ヨルダンのビザは、シリアとの国境で簡単に取得できるそうです。一般的にはシリアーヨルダンの国境越えはバスかタクシーですが、数年前から鉄道でも行けるようになったそうです。そしてその鉄道こそ、戦争中にロレンスが爆発しまくったヒジャーズ鉄道!当然、乗ってみたいっ!なので、鉄道での国境越えでもビザがもらえるのかどうか、ヨルダン大使館に電話してみました。すると応対してくれたおじさんが流暢な日本語で、
「確かヒジャーズ鉄道ですよね?(うんうん!)あまり利用する人がいませんからねぇ。ビザは取れると思いますが、心配なら日本で発行しますよ。」
と、郵送でのビザ申請に対応してくれました。

しかし、ヒジャーズ鉄道について調べていくと、どうやらとんでもない路線らしく、週2便しか走っていないし、しかも貨物車のおまけに客車がついている程度の鉄道で、車なら4時間程度の距離を7時間かけて、しかもひどい時は翌日到着になることもあるらしくて、さすがに今回は断念しました。でもいつかは・・・。

と、こんな調子で着々と準備を進めていき、出発まであと1週間!友人たちにも「ペトラ遺跡という名所があってね」なんて、ウキウキと語っていたのに・・・イスラエルがパレスチナのガザ地区に侵攻したとのニュースを見た時は、「なんだかキナくさくなってきたね」なんて程度にしか思ってなかったのに、えええっ!!!イスラエルがレバノンを爆撃っ??!!しかもシリアにまで威嚇飛行!!??(汗)


今回旅した場所の大まかな地図

ダンナは「シリアが攻撃されたら、中東全体が戦争になってしまうでしょ。だから大丈夫!」と言って、あまり心配してません。確かにシリアが攻撃されたらイランも参戦してきそうだし、今回の爆撃はイスラエルや、後押ししてる米国が批判されているから・・・。でも、いつの時代も、「絶対ありえない」コトが起こってしまった時に戦争が始まるんでしょ?いざとなったら、ヨルダンかトルコに逃げれば大丈夫かなぁ・・・。

しかし、状況はますます悪化していきました。10万人もの人々がレバノンからシリアへ避難し、避難する道路が爆撃され、民間人が次々と犠牲になっていました。これではシリア国内もかなり混乱して可能性が・・・。あーっ、ほんの数日前までは、あんなに「ウキウキ」してたのにぃぃ!!

でも・・・旅行先を別の国に変更しても、そこでテロや交通事故にあったりしてね(苦笑)そう考えると、どこに行っても似たようなモンかな。出発当日も、家を出るギリギリまでネットに張り付いて情報収集。現地に滞在している人達によると、シリアも、ヨルダンも、ほとんど普段と変わっていないらしい。

よしっ!シリアとヨルダンに行ってくるぞっ!!頼むぞ、ロレンス!(何を?)

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2006 初のシリア・ヨルダン旅行へ

Feb/2006

May/2006

July/2007

番外編

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