シリア・ヨルダン旅行 2006年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、初めての中東ー

7月29日 part 1/ジェラシュ遺跡とアンマン観光

朝、猫の鳴き声で目が覚めました。バルコニーを見ると、なぜかそこに猫が一匹!どこから入ってきたの??


朝から、にゃあ

今日は予備日として空けておいた日なので、何の計画もありません。アラブの旅行なんて、きっと計画通りにはいかないだろうと思っていたのに、意外と順調だったからね。

「今日はジュラッシュに行こうか。」
「何?それ?」と、ダンナ。
アンマン郊外にあるジュラシュ遺跡は、アラブにあるローマ遺跡としては大きなもので、ここも世界遺産に指定されています。

まずは、ジェラシュ行きのバスが出るムジャンマ・アブダリまで行くため、タクシーを拾いました。

「これでアラブともお別れだか、ちょっとアラビア語を使ってみようかな」と、止めたタクシーの運転手に
「アッサラーム・アライクム(こんにちは)」
と挨拶すると、いきなり運転手のオヤジが満面の笑みに変わりました。
「ムジャンマ・アブダリまでいくら?」
「2ディナールだな」
「え〜っ!ガーリー!ガーリー!(高い!)」
「じゃあ1ディナール半!」
「え〜っ、1ディナールで〜(と、ちょっと猫なで声で)」
「しょうがないなぁ〜」
とニコニコのオヤジ。私の色仕掛けが通用するのか!?(笑)というか、ちゃんとメーターで走ってくれるタクシーはヨルダンにはいないのか?!

今回のホテルには朝食がついてなかったので、またバス乗り場の屋台でケバブ・サンドを買いました。そして紅茶を買うと、屋台のニイちゃんが葉っぱを見せながら「これ、入れる?」と身振りで言ってきました。すると隣の店のオヤジが「ミント!ミント!」と説明してくれた。
「シャーイ・ビン・ナアナア(ミント・ティー)だよね」と言うと
「そう!シャーイ・ビン・ナアナア!」と嬉しそうでした。
こんなちょっとしたアラビア語でも、みんなすごく喜んでくれます。

生のミントの葉を入れた甘〜いシャーイ(紅茶)は本当に美味しい。ダンナも「病みつきになりそう」なんて言ってる。でも、日本でこんなのを日常的に飲んでいたら、すぐ糖尿病になるよ!

乗り合いのバスで1時間もかからずにジェラッシュに到着しました。

入場口前に並ぶ土産物店をのぞいていると、店のニイちゃんが
「日本人か?オレ、母親が日本人なんだぜ〜」
え〜っ、ウソだぁ。
「本当だよ。日本の街の名前もたくさん知ってるぜ!トーキョーだろ、オオサカだろ、ヒロシマだろ、ナカタだろ」
最後の”ナカタ”は街じゃないぞ(笑)

入場券を買うと一人8ディナール・・・ねえ、国王さま。ヨルダンの観光地は高過ぎじゃない?看板にヨルダン人向けの料金が書かれていたけど、外国人料金はその10倍でした。

ジェラシュは、シリアのパルメラ遺跡の縮小版みたいな遺跡でした。パルメラより修復が進んでいるので整った建築物がたくさんありますが、街の中にあるのでパルメラほどの壮大さはないなぁ。


ジェラシュ遺跡

ここにも団体グループが何組か来ていましたが、中には絵に描いたような典型的アメリカ人のおじさん・おばさんの団体ツアーも。あんたたち・・・よくこのご時世にこんな地域に来たなぁ(苦笑)
「え〜い、ムカつく!あいつらが撮る写真全部に写りこんでやる!」
と、息巻くダンナ。そんな小さな復讐をしてどうする!

遺跡の中をブラブラ歩いていると、おっ!ここにもイチジクの木が!こそっと熟していそうな実を一つ取ってみたら、うげっ!マズいっ!見た目は一緒なのに。ワディ・ラムのモハマド君や、あのペトラ遺跡の子供たちは、熟した実がちゃんと分かるんだなぁ。

「この後どうするの?」と、ダンナ。
「タクシーで近くの十字軍の城まで行こうと思うけど。」
「それはロレンスと関係があるの?」
「全然。ただホテルにあったポスターの写真がきれいだったから」
「じゃあアンマンに戻ろうよ。アンマンに何泊もしてるのに街を全然見てないよ。」
「でもアンマンは新しい街だからあまり見どころがないんだよ。」
「それでもアンマンを見るっ!」

と、いうわけで、アンマンに戻ろうと、遺跡の外に出たものの、帰りのバス乗り場が分からない。大勢の人が交差点にいたので聞くと、皆が集まってきてワイワイと「あっちだ!アンマン行きのバスはあっち!」と、教えてくれました。


ジェラシュ遺跡

そこへ行くと、すぐに客引きに囲まれました。どうやら乗り合いバスではなく、タクシーの乗り場だったようで、5人乗りぐらいのバンがたくさん停まっていました。
「アンマンのムジャンマ・アブダリか?一人2ディナールだ。」
え〜っ、乗り合いバスは二人で1ディナールもしなかったよ!彼を無視して乗り合いバスを探そうとすると、別の客引きが、
「アンマンか?これは1ディナールでアンマンまで行くから、そこでバスに乗り換えればアブダリまで行けるぞ。」
え?どういうコト?
「大丈夫、大丈夫!乗れ乗れ!」
と、やや強引に車に乗せられてしまいました。

他の客は若いニイちゃん2人とおじいさん1人。恐ろしいほどボロボロの車で座席はガタガタなのに、でもダンナはグーグー寝てる。走っている間、運転手と前のニイちゃんの2人が何かずっと話しをしていて、時々こっちを指差したりチラっと見たりしている。なんだかイヤな感じ・・・。

そしてアンマンの街に入りかけた時、車が止まり、運転手が「おい、あんた」と、言ってきた。な、なんだよ(ビクビク)
「あんたら、アブダリに行くんだろ?だったらここで乗換だよ。」
えっ??
「ほら、向こう側にバスが停まっているだろ?あれがアブダリ行きのバスだよ」
と、隣のニイちゃん。あっ、そういうコトね。ダンナを起こして2ディナール払うと
「じゃあな」
と、二人でにこやかな笑顔。なんだい、いい人達じゃん(苦笑)

道路を渡るとズラリとバスが並んでいて、運転手にアブダリ行きのバスを教えてもらいました。そこで乗ったのはホントの路線バスで、ポロシャツ姿のニイちゃんが車掌らしく、手際よく乗客から料金を集めてました。料金が分からないので1ディナールを出して「この2人ね」という仕草をすると、すぐに計算してテキパキとおつりをくれました。

ニイちゃんが次のバス停らしき名前を叫ぶと降りる人たちがサッと手をあげて、そしてバス停に停まるとニイちゃんが「アブダリ行きだよ」と叫んでお客を集めます。こういう「生活の足」のバスには乗ってなかったから面白い〜。

アブダリに到着して、まずはここで明日の空港行きのバスの時間を確認。切符売場の窓口をのぞくと、「おい、外国人が聞きにきたぞ」みたいに後ろにいたオジさんを呼び、
「明日ね?飛行機は何時?じゃあ、この時間のバスに乗ればいいよ。」
と、チャッチャとメモ用紙に料金や時間を書いてくれました。手慣れてるぅ。

そこからダウンタウンまでのんびりと歩いていきました。

ダウンタウンでは古い薬草やスパイスを売る店や怪しげな雑貨品を路上で売る露店あったり、混雑した通りをスターフルーツをワゴンに乗せて子供が売り歩いています。どこの国の市場も活気があるね。

そんな街中で見つけた大きな食堂に入ることにしました。ケースに並んだ料理を見て注文し、そして2階へ案内されました。
「女性は1階はダメなんだね。」と、ダンナ。
「え?だって、2階には男性もいるよ?」
「2階にいる男性は女性と一緒だよ。1階には女性は1人もいなかった。だから、このお店は男女を厳しく分けているんだよ。」
これは気がつかなかったけど、二国を旅行して、今でも多くの宗教が混在しているシリアより、ヨルダンの方がイスラム色を強く感じる事が多かったですね。


また食べかけで失礼!でもおいしそうでしょ?

また煮込み料理などを食べましたが、ここでも付け合わせに山盛りのキュウリの漬け物が出ました。しかもライムまで絞ってあっておいしい〜!(ただし、他のテーブルで余ったのを使い回ししていたような(苦笑))さらに巨大な青いトウガラシの漬け物もついていて、恐る恐るかじってみると、あ、おいしい!と、いい気になってさらにかじっていたら・・・やっぱり辛い〜っ!(涙)

T.E.ロレンスを巡る旅

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