FIELD DAY 6-7.JUNE.2015 ■VICTORA PARK LONDON part 1
ロンドン東部にあるビクトリア・パーク(Victoria Park)。そこで開催されるミュージック・フェスティバル「フィールド・ディ(Field Day)」に行ってきましたっ!
イギリスの野外フェスティバル・シーズンの幕開けを告げるように、グラストンベリー・フェスティバルに先駆けて開催されるこのフェスティバル。2015年は6月6日(土)7日 1日(日)の2日間で開催され、夜10時には終わっちゃうのでキャンプサイトも無いようなお気楽なフェスですが、でも"Good Small Festival"と評価されているように、ピクニック感覚で楽しめる良い雰囲気のフェスティバルでした。
FIELD DAY
ビクトリア・パークへは地下鉄マイルス・エンド(Mile's End)駅から徒歩20分ほど。つまりロンドン中心地から地下鉄で気楽に行けるフェスなのですが、私たちはさらに東のストラトフォード(Stratford)のホテルに前日から泊まっていたので、会場まではバスで1本。しかも公園横の停留所に到着するので「無駄に歩かなくていいぜ、へへっ」と軽い優越感にひたっていたのに、フェスティバル期間中の夜間は停留所が閉鎖されると張り紙が。ウソぉ!・・・でも、手前のバス停なら乗れるでしょ?と、あまり深くは考えずフェス会場へ。
細長いビクトリア・パークは樹木と芝の緑が続くイギリスらしい広々とした公園ですが、会場に到着するとゲートには物々しい警備員たちが・・・と、思いきや、フレンドリーな彼ら(彼女ら)の荷物検査は結構ユルユル(苦笑)封を切ったペットボトルも没収されず(一応、持ち込み禁止のはずなんですけどね)バッグの中もたいしてチェックせず。でも「犬にチェックしてもらってね」と麻薬犬(?)にバッグをクンクンされます。私のバッグは「フンッ!」と鼻にもひっかけない様子でしたが、いつまでも犬が離れずに執拗に匂いを嗅がれている人もいて、普段何を持ち歩いているんだか(苦笑)
朝早くて人がいねえ(苦笑)
そしてこのフェスティバルの特徴は、ロンドン下町の地域色が豊かで、近所のマーケットからやってきた屋台や、ロンドンのクラフト・ビールなど、ローカルな味が楽しめるのです。
琥珀色のアンバーエール。ンマイっ!
なので、入場と同時にさっそくクラフト・ビールのテントに向かい、ブランド名はわからないけど小さな樽に入ったアンバー・エール(Amber Ale)を注文。普通のビールよりちょっとだけ高いけど、きれいな琥珀色でテントの中の日陰で程良く冷えたエールは、フルーティでウマいっっ!!大きなフェスではスポンサーのビールしか売られていないことがありますが、このフェスではそんな心配は無用。次はどのビールを狙おうかなぁ・・・なんて考えながら、気持ちの良い青空の下をのんびり歩いて、まだ始まらないメイン・ステージを横目に、裏の「CRACK MAGAZINE」テントで話題のニューカマー、フートン・テニス・クラブ(HOOTON TENNIS CLUB)をチェックっ!
リバプール郊外のWirralという街からやって来た彼らですが、ロンドンの駅やあちこちで彼らの広告を見かけたのでどんなバンドなのかと期待したけれど・・・それほど特徴は無い、ごくフツーのポップなギター・バンドという印象でした。彼らのレーベル、Heavenlyがリリースするバンドは昔から苦手だったから、しょうがないか(苦笑)しかし、このバンドを観たくて朝イチ(と言っても12時過ぎですが)から来たのに、いきなり初手からつまづいてしまい、2時からのSPECTORまでどうやって時間を潰そう(苦笑)
Hooton Tennis Club
と、いうのも、今年のフェスは日曜日にインディー系バンドが集中し、土曜日はむしろダンス系がメイン。なので、それほど観たいバンドも無くて、とりあえずビール片手に会場をブラブラ。
西部警察なTelegram(苦笑)
細長いビクトリア・パークの中におよそ8ステージが土曜日には設置され、インディーズ系のバンドが出演するテントは東側に、そして西側にはダンス系のテントに集中していますが、芝の中の東屋がDJブースになっていたりして、ダンス系にあまり興味が無くてもまったりとした良い雰囲気が楽しめます。
そして立ち寄ったのが、ちょうど会場の真ん中あたりにある唯一のインドア・ステージ「JAGERHAUS」。 突貫工事で立てた山小屋のような小さな建物の中に、これまたドラム・セットでいっぱいいっぱいのような小さなステージの、ほとんどライブ・ハウスのサイズのステージですが、ここに登場したのがテレグラム(TELEGRAM)。ロンドンで活動するサイケ・ロックなニューカマーらしいんですが・・・レザー・ジャケットにドロップ・タイプのサングラスという「西武警察かよっ!」と思わず突っ込みたくなるような70'sなルックスのボーカルに、音もサイケというよりハードロック色が強くて、ううっ、あまり得意じゃないなぁ・・・
と、なかなかテンションが上がらないところでようやく2時になり、メインのEat Your Own Earsステージにスペクター(Spector)が登場っ!!・・・って、そうなんです、Spectorがメイン・ステージ(汗)大丈夫なのか?とドキドキしながらステージ前に入り込むと、登場したボーカルのフレッドの超ロン毛にビックリ!2年前のレディング・フェスティバル(その話はこちらで→)の時からさらに伸びて、デビュー当時のあのピッチリ七三分けヘアの面影はすっかりございません。
メイン・ステージに登場したSPECTOR!!
もっともあれこれ言うほどのルックスでもございませんが(苦笑)
フェスティバルとしてはまだ宵の口とも言える時間。ステージ前は熱心なファンの女の子達が押しかけていますが、全体としてはのんびりムードのメイン・ステージで、まだリリースされていない2ndアルバムからの新曲をバンバンと演奏・・・って、おまえら、客を盛り上げる気が無いのか!?(苦笑)フェスティバルなんだからフツーは皆んなが知ってる曲をメインに演奏するもんだろ?それでも「だって俺たち新曲作ったんだも〜ん、聴いて欲しいんだも〜ん」と言わんばかりの彼らの不器用さがなんか可愛く見えてしまうのは単に私がファンだから??
まだこなれていない新曲ばかりで最高のデキのライブとは言い難いけど、1stで見せた彼らの徹底したポップ・センスは新曲でも全開!とことんポップ!あくまでもロック!なSpectorの魅了はしっかり見せつけ、こいつはぁ2ndアルバムが楽しみだぜっ!おなじみの「Chevey Thunder」では大合唱。おまけにフレッドとトーマス(ベース)のキスまで飛び出して女の子たちをキャアキャアさせて、少数精鋭な観客はステージ前でみんな笑顔で盛り上がった30分でした。とにかく憎めないバンドなんですよ、Spectorって。
カメラマン達が去った後でメガネを変えてました
で、Spectorが終わると、今度は20時のDjango Djangoまで時間が空いてしまう土曜日のタイム・テーブル(苦笑)この時間に食事をしようと、会場の中央に集まっているフード・テントを物色。大きなフェスでは屋台もチェーン店っぽいお店が多いけど、ここでは普段は近くのマーケットに出ているお店も来ていて、ギリシャ風のハンバーガーからカラフルなワンピースの女の子達が売るカップケーキまで、美味しそうなメニューが並んで目移りしちゃうけど、ベジタリアン・フードの屋台の隣でブタの丸焼きをディスプレイしてる屋台が並んでるってのもスゴイなぁ(苦笑)
そしてこのフェスでは屋台だけでなく、そこで行われている大運動会(笑)もローカルな雰囲気を盛り上げてくれます。麻袋に入ったジャンプ・レースやパイの早食い競争は大盛り上がり。日焼けしそうな晴天の下で干し草に腰掛けて、こんなイベントを見ているとまったり気分になってしまいます。チケット代が高めということもあって、お客さんは20歳を超えたような大人がほとんど。皆んな、ロンドンの下町に住むおしゃれな人たちという感じで、良くも悪くもロンドンっぽい雰囲気のフェスなのです。
春の大運動会(笑)
でもそんなまったりしたフェスも、夕方が近づいてくると徐々に観客が増えてきて、クラフト・ビールのテントに向かうと、うわぁ大行列で買えないよぉ(汗)そしてインドア・ステージの「JAGERHAUS」に行くと、うへぇ!入場制限!?(汗)女の子たちが「お願い!今のバンドが見たいの!」とセキュリティに頼み込んでも入場できません。30分近く並んでようやく入場するとThe Vaultというバンドのラストの2曲で、女の子達はとにかくお目当てが見られて喜んでいましたが・・・ウチのダンナさんはこのフェスでTOYのライブを一番楽しみにしていたんですが、彼らは明日のこのステージのトリ・・・。「観るのは諦めたよ・・・」とヘコんだダンナでしたが、しっかし、こんなフェスでわざわざこんな小さな会場にしなくてもいいのにねぇ。
めっちゃ小さいJAGERHAUSステージ
そんな訳でこのテント、一度入っちゃった人は出るのがもったいないのでなかなか人が動かない(苦笑)しかも小さな会場のくせに休憩にちょうどいい中庭やバーまで備えているから余計に人が出て行かないんです(苦笑)
ノセ上手なDjango Django
そう言う自分たちもすぐに出るのがもったいなくて中庭で休憩していると、ステージで始まったのがボックスド・イン(Boxed-In)。なんでも元KeithのOli Baystonという人のプロジェクト・バンドらしいんですが、そんなWikiな情報は全く知らず、あまり好みではないピアノ系なポップ・ソングをボーッと聴いていると、「あれ?この曲、知ってるぞ!?」と、驚いたのが彼らの「Mystery」。BBCのネット・ラジオで耳にしていたんだろうけど、それぐらいでも覚えてしまうぐらいキャッチーなメロディーのこの曲はちょっと良いな。興味がある方はぜひこの曲を聴いてみて。
20時でも陽が明るい6月のイギリスで、野外のメインステージに登場したのがDjango Django!彼らのライブを見るチャンスが無くて、2ndアルバム「Born Under Saturn」がリリースされたこのタイミングでようやく観られたんですが、なのに彼らときたら1stアルバムの曲ばっかりで、観客をノセるわ、ノセるわ(笑)新曲なんて2、3曲ほど。Spectorがリリースもしてないアルバムの曲ばっかりやったのと好対照で笑えちゃったけど、やっぱり彼らの方がフェスティバルのデカいステージ慣れしてるんでしょうか。でも、そんなサービス精神のおかげで、青空の下、無国籍でダンサブルなライブに気持ち良く盛り上がったDjango Djangoでした。
Django Djangoで一汗かいて、さぁクラフト・ビールを一杯!と、テントに向かうと、嫌ぁ!ほとんど売り切れちゃってるよぉ!確かに大量生産できないクラフト・ビールなんだから分かるけど、ちょっとガッカリ。よしっ、明日はまた朝一からビールを飲むぞっ!と、心に誓い、夕食にほとんどケチャップ・ライスのようなパエリエを食べながら、盛り上がるメイン・ステージのトリ、Caribouをチラ観。
夜はさすがに大入り満員
メインの観客の混雑を避けるため早めに会場を出て、閉鎖されてる公園横の停留所より先でバスを待つことにしたけれど・・・なぜか全然バスが来ない(汗)一部の道が閉鎖されているから大渋滞なのは分かるけど、それにしても自分たちが待っているStratford行きのバスだけが来ないなんて、どうなってんのよ!?
「ねえ、あなたたちのバス、本当に来るの?」と横でチラシを配っていたおネエちゃんに声をかけられ、だってこのバス停は閉鎖してないでしょ?と、電光掲示板を見上げると、あれ?Stratford行きはルートが変更されてここには来ないって書いてある!?マジっすか!?どうもそのバスだけルートが大幅に変更になってしまっていたようで、結局バスは断念。Mile End駅まで歩くと、駅までの道も迂回させられ、最後の最後でヘトヘトになった土曜日でした。明日は別ルートのバスをトライしてみるかぁ。