レディング三日目の朝はまた肌寒い雨でした。朝食を取りにホテルの近所のパブに行くと、イギリス人のオジさんやオバさんが朝っぱらからビールを飲んでる。羨ましい(笑)
フェスではアリーナ・エリアにたどり着くまでに何度もリストバンドを引っ張られてチェックされますが、この日は「あれ?ちょっと緩んでいるね」と途中でストップをかけられてしまいました。
言われるままにリストバンド交換所へ行くと、そこでリストバンドにあるナンバーをチェックされ、どこの交換所のどんな人にリストバンドをはめてもらったのかとか、いろいろと質問されました。このリストバンドが転売されたものなのか、もしくは今後転売されても分かるように記録していたんでしょうね。スタッフはみんな笑顔で応対してくれるのでビビるようなことはありませんが、このようにレディングではリストバンドの売買をかなり厳しくチェックしているみたいなので、そんなコトを企んでいる方はご注意を。
FALL OUT BOYがサイン会 すんげえ人だかり
そんな訳で入場が少し遅くなり、FESTIVAL REPUBLIC STAGE でのSAN CISCOを途中から観ました。オーストラリアのバンドですが、ん〜普通のギター・ポップかなぁ。それからNME BBC 1 STAGEに移動して、DINOSAUR PILE-UPを観ると、ん〜これも普通にちょっとパンクなギター・バンドかなぁ。なので続いてのフォーク・ポップなVILLAGERSの方がまだ聞き応えがありました。
と、また出だしがやや不調な三日目。さすがに疲れも溜ってきて自分のテンションもなかなか上がらない・・・。
THE FAMILY RAIN
とか言いながらも、しつこくFESTIVAL REPUBLIC STAGEに移動して次はニューカマーのブルース・ロックTHE FAMILY RAIN。ヒゲ面でよく似た3人のバンド・・・と思ったら、やっぱり3人兄弟でした。だからなのか、どこかほのぼのとした雰囲気のライブで、音もイギリスの今のバンドらしく泥臭さがなくて結構カッコ良かったです。
すると次に登場したアメリカのCALIFORNIA Xはグランジっぽいアメリカのオルタナティブ・パンクですが、ロン毛の頭をブンブンと振り回すから顔が全然見えねぇ(苦笑)こういうバンドって、これがやりたくて髪を伸ばしているんだよねぇ?
CALIFORNIA X ロン毛なバンド
さすがに疲れたのでそのままTWENTY ONE PILOTS というバンドを観ることに。ライブ前に次々と目出し帽が放り込まれて、観客席が目出し帽だらけのアヤしい雰囲気に(笑)するとステージに飛び出して来たバンドのメンバーまで目出し帽姿!何なの?このバンドは一体!?何でもPANIC AT THE DISCOと同じFUELED BY RAMENレーベルからアルバムをリリースしているドラム&ピアノの2人組バンドだそうですが、これがかなりのヘンテコなバンド。ラップになるかと思えば、エルトン・ジョンばりのポップスになったり、ピアノの上からステージの上まで跳ね回り、とにかく観ていて飽きないバンドでした。おもろかったぁ。
そして久々のCHAPEL CLUB・・・な、なんじゃ、これっ?!?彼等の魅力だったあの氷のようなギター音が作る空間が消え去っちゃって、ちょっとサルサっぽいんだけどノリも無いし薄っぺらいし・・・。良いバンドだったのに・・・。今回のレディングで最もヘコんだライブでした・・・。
悲しかったCHAPEL CLUB
そしてそしてUK北東部サンダーランドからFRANKIE & THE HEARTSTRINGS。同郷のTHE FUTUREHEADSの2010年のUKツアーを追っかけた時は日程が合わずにサポートの彼等を観る事ができず、ようやくこのレディングで彼等をライブを・・・でも、想像していたよりフツーのギター・バンドだ。悪い訳じゃないけど、ちょっと古くさいギター・ポップという感じで、ちょっとだけガッカリ。それにしてもヘッズさんも彼等も背がかなりデカい。以前、ヘッズさんのボーカル、バリーがサンダーランドはバイキングの血が混ざっているからデカいなんてインタビューで言っていたけど、本当なのか?
ステージ上でもかなりデカいFRANKIE & THE HEARTSTRINGS
と、疲れが吹っ飛ぶほどのバンドがまだ出てきませんが、ここでNME BBC 1 stageに移動してHAIM。昨年のiTunes festivalの映像で観た時はUS西海岸ロックをインディーな音でやっている印象でしたが、その後リリースされたシングルではかなりポップになっていたので、じゃあライブはどうなの?これがハードな音でカッコ良いっ!そしてロック的下品さ満載の長女(ベース 彼女のヘン顔がモニターにアップになる度に場内爆笑)、ストイックにロックする次女(ギター&ボーカル)、ライブが楽しくってしょうがない感じの三女(ギター&キーボード)この3人のロックに対するポジティブな姿勢がステージに溢れていてとても楽しい。そしてそして、観客席のあちこちでは小さな女の子たちがお父さんの肩車の上で彼女達のステージを大喜びで観ている。ん〜英才教育だねえ。羨ましい。君たちもあんなイカしたロックなネエちゃんになるんだぞっ!やっぱりアニメより、こういうネエちゃん達を観てバンドを始めて欲しいよ。
今年のNMEで「トイレが最悪なフェスティバル」に選ばれてしまったレディング。でも実際はそんなに酷いモンじゃありませんでしたよっ。
最近のイギリスのフェスティバルは比較的トイレの清掃には気をつかっているようで、レディングのトイレもペーパーはこまめに補充されてましたし、トイレで困るコトは無かったなぁ。ダンナさんによると男性トイレも「フジロックよりずっとキレイだった」そうです。
ただし、キャンプ・エリアのトイレは横を通るといつもすんごい匂いがしてましたから、こちらはちょっと覚悟して行った方がいいのかも。
ちなみにレディングでは会場の外にあるRIVERMEAD LEISURE CENTREという施設がフェスの観客のために解放されていて、有料シャワーやトイレが使えるそうです。でも会場の外に出るのが大変なので、トイレの場合はもよおしてからでは・・・遅いかも(苦笑)
MERCHANDISE
またFESTIVAL REPUBLICSTAGEに移動して観たのはMERCHANDISE。アメリカン・パンクなバンドと聞いていたのに以外とフツーだぞ。それとも私の耳が疲れて来てるのか(苦笑)
そして隣のパンク系テントROCK STAGEに初めて足を踏み入れ、ダンナさんご希望のUNCLE ACID & THE DEADBEATSを。これはパンクじゃなくて70年代ハード・ロックっぽいストーナー・ロック。写真を撮っていると、前に立っていた歯のないパンクのオッちゃんが隣の友人の頭を押さえて邪魔にならないように気を遣ってくれる(苦笑)パンクはフレンドリーなのよ。
ステージ前に張り付いて離れないダンナを置いて、私はまたFESTIVAL REPUBLIC STAGEに戻ってPURE LOVE。UKのハードコア・パンク・バンドGALLOWSの元ボーカルFRANK CARTERが結成したバンドなんですが、NMEに「こんな音楽をやるためにGALLOWSを辞めたのかっ!?」と散々にコキ下ろされていたのです。そこまで言われるとどんなバンドなのか気になるでしょ?(笑)
確かに音楽としてはNMEが言う通り(苦笑)ただのハード・ロックですが、しかし彼等のおバカっぷりはケタ違い!観客席に次々とゴムボートを投げ込み、FRANKやギターがその上に乗って演奏するというクラウド・サーフならぬクラウド・ボート!!あげくにFRANKが乗ったゴムボートは観客に担がれ、そのままテントの外の外海へ旅立っていったのでした(笑)ガラガラだったテントも大騒ぎにつられてやってきた観客でギューギューに。いや〜大笑いでした。
とってもおバカなPURE LOVE
ステージにFRANKの彼女(嫁?)や兄弟が引っぱりだされたり、客席にいる家族に手を振ったり。ステージも観客席も終止笑顔で、まさしく名前の通り「PURE LOVE」な空気に満ちたライブ・・・そうか!FRANKがやりたかったのはコレなのか??
PURE LOVEのギタリストもクラウド・ボート
そしてこのライブが終わると大勢の観客がそのまま隣のROCK STAGEへ移動。なぜならこの日のタイム・テーブルはPURE LOVEの後にこちらでGALLOWSがライブという狙ったかのような組み合わせだったのです。
FRANKが飛び入りしたGALLOWS
FRANK脱退後はカナダ人ボーカルが加入したGALLOWS。GALLOWSのカッコ良さは、パワー勝負なアメリカのパンクとは違う鋼のごとく硬質で鋭い音・・・でもこのカナダ人ボーカルのGALLOWSの音はアメリカのパンクと変わらない・・・。ああ、ちょっとガッカリ。BBC INTRODUCING STAGEのDOG IS DEADを観に行こうかな〜と思いつつも、でもね、でもね、ちょっと期待しちゃうでしょ?!と、しつこく彼等を観ていたら、最後の曲でステージに飛び出してきたのはFRANK!待ってましたぁ!!そして彼が雄叫びを上げた途端、あのGALLOWSの鋼の音が蘇ったぁ!うぉぉぉ!!・・・ああ、このGALLOWSの音はもう存在しないんだよな。それでもこの一瞬は楽しかったですよ。
そしてこの日のシメはFESTIVAL REPUBLIC STAGEでSPECTOR!大好きな彼等はステージ前で観ようかな〜でもその前にINTRODUCING STAGEを少し観てこようかな・・・なんて迷いつつ、なかなかカッコ良いパブ・ロック・バンドTHE JIM JONE REVUEを観ていると、そのライブが終わった途端、女の子が次々とステージ前に押し寄せてくる!何?何?SPECTORはこんなに女の子ウケするバンドなの??ルックス、そんなに良くないよ?(笑)ともかく、そんな訳でDOG IS DEADは断念。今、ここから動いたら戻ってこられない(汗)(でも行っていたとしてもすでに終わっていたんだけどね。覗きに行ったダンナによるとめちゃめちゃ観客が集まっていたとのことでした。)
SPECTOR
いや〜やっぱり女子供にウケてこそロックだよねっ(笑)も〜観客席は見渡す限り女の子ばっかり!!SPECTORが登場したステージは歓声と大合唱に包まれてすごい盛り上がりだけど、どこかホンワカしたムード。慌てて補強されたセキュリティたちもつられて、観客と一緒にウェーブしてる(笑)「NO ADVENTURE」では「I COULD NEVER HOLD YOU DOWN」と歌えば「HOLD ME DOWN!」と観客が歌う掛け合いの練習まであり、でも「待て待て!『YOU』と歌ってる人がいるぞ!?俺が『YOU』と歌うから君たちは『ME』だろ?『YOU』!『ME』!分かる?」英語の授業かよっ(笑)
はいっ!セキュリティの皆さんもご一緒に(笑)
こんな感じで終止笑顔のライブ。この重たい空気の今の世界の中で、彼等の有無を言わせない徹底したポップ・センスはほんとに素晴らしい!それでいてTHE 1975との違いは「あくまでロック」であること。THE 1975は「ロックっぽいポップス」だけど、SPECTORは「ポップ・センスが素晴らしいロック」なんですよ。どちらが良い訳ではなく、私はそんなSPECTORが大好きなんですっ。今回のライブで披露した新曲もGOODで、次のアルバムを期待しちゃうぜっ。
女の子たちの勢いに押し出されて後ろでSPECTORを観ていたダンナさん。最後にPHOENIXが観たいというのでNME BBC 1 STAGEをちょっと覗き、ほんとはメインのヘッドライナーBIFFY CLYROだって観たかったけど、さすがに体力が限界・・・。レディングは観たいバンドが多過ぎる(苦笑)
月曜日の朝は駅がとんでもなく混雑すると聞いていたので早めにホテルを出ましたが、朝8時はまだガラガラで、ロンドンへの列車も座れました。しかし駅の構内にはすでに柵がずらりと並べられていて、そりゃああの何万もの人たちが一斉にこの小さな駅に押し寄せるんだからなぁ。駅から見えたレディングのテントの屋根に別れを告げて帰ってきました。
帰国してからの週末は身体が動かないくらいバテバテでしたが(苦笑)思う存分ライブが観られて楽しかったぁ。あの時期の航空券がもう少し安ければまた行きたいなぁ。
月曜日の朝のレディング駅 あと数時間で大混雑に
レディングのチケット販売はオフィシャル・サイトからリンクされていて、日本からはTICKET MASTER、もしくはSEE TICKETから購入できます。どちらから購入するかといえば・・・どちらも結構いいかげんな会社ですが(苦笑)TICKET MASTERの方がまだマシかなぁ。販売サイトもTICKET MASTERの方が丁寧でした。
で、ネットで購入した際に注意して頂きたいのは、チケットを受け取る場所です。
海外から注文したチケットは郵送ではなく、受け取り(COLLECTION)になりますが、一般的にコンサートの場合は当日に会場の窓口(BOX OFFICE)で受け取ります。しかしレディングの場合、フェス会場とは違う場所が受取に指定されます。しかも購入した時のメールには「会場で」と書かれているのに、後日に全く違う受取場所のメールが届きます。おまけに今回の場合はフェスの1週間前に連絡が届きました。過去には日本を出発した後にメールが届いた友人もいます(苦笑)なのでメールはしっかりチェックしてくださいね。今年指定された受取場所は駅をはさんでフェス会場とは反対にある「HEXAGON」というコンサート施設でした。
ちなみにオフィシャルでも紹介されている「STARGREEN」というチケット会社。こちらはロンドンに実店舗があるチケット販売店で、仕事が丁寧な上、他でチケットが売り切れていてもここでは買える場合が多いのでお勧めなんですが、ただしロンドンの店舗での受取になるので、店舗の営業時間に注意してください(夜や日曜日は閉まっています。)そして問い合わせは電話だけです。メールはできません。