DOCTOR WHOなつぶやき
イギリスのSFドラマ「ドクター・フー」の話題を拾った時につぶやいてます。
Dec 2020
嘘でしょぉぉ!?
前月にお知らせしたAmazon Primeでの「ドクター・フー」見放題の情報ですが、わずか一ヶ月で、見放題どころか、配信リストから外されてしまいました(号泣)しかも、全シリーズ!!マットやピーターどころか、クリストファー・エクレストンも、デビッド・テナントも、ジョディも観られなくなってしまいました。どういう事よぉぉぉ!?
おそらく契約切れだと思われますが、アマゾンが再契約する事はあまり無いらしいので、再度の配信は期待薄の模様。
もうすこしで50thスペシャルというところまできて、何の予告も、期限切れ間近の通知もなく、あまりに突然の出来事でボー然。なので、むかつきのあまり、思わずそのままHuluの2週間トライアルをスタートしてしまいました(苦笑)Huluでも「ドクター・フー」は最新シリーズまで配信されていますが、2週間では見尽くすのは至難だなぁ(いやいや、料金を払えば良いんだよ。)
Huluでは13thドクターがトップ・ページ
でもHuluの配信はイマイチなのです・・・。まず、HuluはCMを挿入するための暗転シーンが入ったバージョンを配信しているんです。CMが入らないBBC版を見慣れたファンにとっては、数秒の暗転シーンでもドラマの勢いがめちゃくちゃ削がれるんですよぉ!(追記:観続けているうちに、気づいたらこの暗転がなくなっていたので、挿入されているのは第7、8シーズンあたりだけかも。)
そのうえ、画面が頻繁に固まるんです(ウチの回線は遅いけど、それでもAmazon Primeで固まった事はありません。)50thスペシャルでギャリフレイを凍結させるシーンだからといって、画面が固まっていてはシャレにもならねえっ!一番盛り上がっている時にっ!!
この二つの配信サービスを比べると、イギリスもの好きとしては、ラインナップもさほど変わりなく(ただしHuluではスピンオフの「Class」が観られます)料金や映像の質を考えると、是非ともAmazon Primeでドクターのシリーズを復活させて欲しい!
続ぎのネタも配信サービス。
「Looper」というニュース・サイトからのネタですが、Netflixで2018年から配信されたホラー・ドラマ「The Haunting of Hill House」と続編「The Haunting of Bly Manor 」は、11thドクター時代の「ドクター・フー」へのオマージュに満ち溢れているとか。
このドラマの製作者マイク・フラガナンが、自ら監督したホラー映画「Oculus」にカレン・ギランを起用したのも、エイミー・ポンドの力強さを持ったヒロインにしたかったためだとか。
そんなWhovianな監督なので、このNetflixのドラマでは、お葬式のシーンでは11thドクターへのオマージュとして登場人物にボウタイとツイードジャケットを着させたり、壁に裂け目が現れたり、そして、あるシーンでのセリフ「When we die, we turn into stories」「We're all stories in the end」が、「The Big Bang」でドクターがアメリアに語りかける「I'll be a story in your head」「We're all stories in the end」に似てる??と指摘されているそうです。
この子のボウタイはCOOL?? - Looperより拝借
こんなオタクっぷりを発揮されると、このドラマが気になりますねぇ。
最後は映画の話題で。
昨年12月のこちらのブログ→で紹介した、ピーター・カパルディ出演の映画「The Personal History of David Copperfield」の日本公開が、4月から9月に延期されたかと思ったら、いつの間にか情報が無くなってしまったりと、なかなか公開されないので、しびれを切らしてUKからDVDを取り寄せましたよ。
夏頃までは、ロックダウンの影響でヨーロッパからの荷物が遅れがちで、春にドイツの業者にCDを注文したら4ヶ月かかったりしてましたが、このDVDは無事に2週間で到着!さっそく観ました!
ディケンズの半自伝的と言われる同名小説を映画化したこの作品。ビクトリア時代に生きた青年デヴィッド・カッパーフィールドの半生と、彼が関わる個性的な人々を描いていますが、その中でピーター・カパルディが演じるのは、若い頃の彼の面倒をみるミコーバー氏。
貧乏ファッションもお似合いのピーター
ピーターの出世作といえば、この映画の監督アーマンド・イアヌッチのBBCドラマ「The Thick of It」。なので、そのドラマでピーターが演じたマルコム・タッカーぶりのイヤなオッサンを期待(?)していましたが、ミコーバー氏は、貧乏の末に家族で路頭に迷ってもぜんぜん気にしない、呑気で温厚なオッサン。なんだい、ピーターも人の良いオッサンの役が出来るのか(笑)でも、ちょっと浮世離れしてるくらいのノンビリ具合が、ハイになった時のドクターみたいで可愛いですよ。
そしてこのサイトではお馴染みのベン・ウィショーが演じるのは、この映画で一番の悪人、ユーライヤ・ヒープ。
オカッパでもツヤツヤ髪なベン・ウィショー
今回のベンは美しくも可愛くもなく、猫背で粘着質、どこか滑稽で、何ともいやらしいユーライヤになっていますが、でも人間の弱さや脆さを感じさせるユーライヤはベンらしく、どこか憎みきれないキャラですね。
そして、カッパーフィールドの面倒をみる叔母のベッツィーを演じるのがティルダ・スウィントン。
ティルダ・スウィントン(苦笑)
彼女については、デレク・ジャーマン監督の”ミューズ”というイメージしか持ってませんでしたが(イメージが古くてすいませんねぇ)今作での彼女を観ていると、ティルダが演じるドクターも面白いかも?!と思ってしまった。これまでにも何度か次期ドクター予想で彼女の名前が挙がっていましたが、凛とした美しさ、カリスマ性を感じさせるオーラ、でも優しい眼差しも兼ね備えて、チャーミングでコミカル。まさにドクターじゃないですかっ!ぜひ演じて欲しいなぁ。
今作は、アーマンド・イアヌッチ監督の前作「スターリンの葬送狂奏曲」のようなブラック・コメディーは控えめで、人々に注がれる優しい眼差しや人生のポジティブさを感じる爽やかな作品。でも、このクセ強な人々が巻き起こす悲喜劇や、ちょっとした仕草やセリフで笑わせるところはイアヌッチ監督らしい。
「ディケンズって誰?」という方へ ほらほら、この人ですよ
もしくは、11thドクターの「クリスマス・キャロル」の元ネタを書いた人です
そしてこの映画では、「ダイバーシティ」なんてスローガンを飄々と飛び越えるような多様な人種の配役が素敵ですよ。中国系の男性の娘がアフリカ系でも、違和感無く、当然の事のように観てしまう。今の「ドクター・フー」で感じる教科書的な「ダイバーシティへの配慮」に少々ゲンナリしているので、この映画の軽やかさをちょっと見習って欲しいなぁ。
そして反対に、違和感を感じる程に、路上に登場するホームレスや貧しい市井の人々の姿。こうした映画やドラマ(特にビクトリア時代を舞台にしたもの)で、ドラマのバックグラウンドに、こんなに大勢の路上の人々が描かれているものを観た事がないので、否応にも目にとまって、彼らが気になってしまう。
イアヌッチ監督は、人種の多様性も、貧困も、今のロンドンの姿に重ねて描いたそうで、そのせいなのか、舞台や衣装はビクトリアンなのに、とても現代的くささを感じさせて面白い映画になっています。
映像も美しいし、これはぜひとも映画館の大画面で観たいぞっ!と思ったら、1月22日からの日本公開が発表されました!・・また延期にならないと良いけど(汗)それに、邦題の「どん底作家の人生に幸あれ!」は、客層を読み違えてませんか?(苦笑)これではインテリなお爺ちゃん・お婆ちゃんが観にいくほのぼの映画かと勘違いされそうな・・・。