THE FUTUREHEADS in LONDON/2007年11月

12月1日/「DOCTOR WHO」in CARDIFF(その1)

今日はKさんと2人で「ドクター・フー」巡りにカーディフに行きます。

 

「ドクター・フー(DOCTOR WHO)」とは?
それはイギリスの国営放送BBCが制作する、現在イギリスで超人気のSFドラマです(日本でもNHKが放送してます。)

「ドクター」と呼ばれるエイリアンが地球人の女の子と一緒に、時空間を旅して地球をピンチから救うというお話・・・と聞くと、たわいもない子供向けドラマみたいですが、そこがイギリスのドラマはクセものです。
ヒョロヒョロなヤサ男ルックスのデビッド・テナントが演じるドクターは、スーツにロングコート、足下はコンバースと、とても宇宙人とは思えないファッション。おまけにおしゃべりで早口でとっても変人。それはそれはイギリス人的な宇宙人なのです(笑)
そして彼の宇宙船「ターディス」なんて、外見が昔のイギリスの木製電話ボックス!こんなモンがクルクルと回りながら時空間を飛び回ってしまうんです。

そんなドクターがターディスに乗って、1970年代のイアン・デューリーのライブを見にいこうとすると、間違えて1870年代に到着しちゃってビクトリア女王と一緒に狼男と戦うハメになるのです。

こんなドラマ「ドクター・フー」にハマってるKさんから
「土曜日はカーディフに行かない?」
とお誘いがありました。
このドラマはBBCウェールズが制作しており、撮影のほとんどがイギリス・ウェールズ地方の都市カーディフで行われています。なのでカーディフのあちこちにドラマに登場した場所があり、しかも「ドクター・フー」エキシビジョンまでやっているそう(NHKの大河ドラマにかこつけた町おこしみたい?)

ウェールズ地方はまだ行った事がないし、そして当然私もドクターが好きぃ!
カーディフに行きますっ!(しっかし、「Kさんは友達との旅行じゃなかったのか?」と言われそうですね(苦笑))

そんな訳で、土曜日。
Kさんと朝8時のコーチ(長距離バス)でカーディフに向かって出発しました。

サッカー好きな方はご存知でしょうが、通称「英国」と呼ばれる国は「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」という、ほとんど「国」と呼んでもかまわない程の独自の言語や文化を持った地域に別れています。

中でも英国の南西部にあるウェールズは「俺たちをイングランドなんかと一緒にすんなよ!」と言わんばかりに独立心が強い。でも田舎モン(ドラマでもそこを自虐的ギャグにしてたりします。)
そんなウェールズが誇れるものといえば、羊とラグビーとManic Street Preachersぐらい?そこが今英国で一番人気のドラマを発信しているとなれば、そりゃ街をあげての大騒ぎに違いない!

ロンドンからほぼ真西にあたるカーディフまでバスで約3時間。
雨が振ったり止んだりのあいにくの天気でしたが、途中では巨大な虹が現れて、車内の大人達がみんな笑顔になってました。

 

あらゆる標識にウェールズ語表記が

その虹の下をくぐってひたすら高速道路を走っていくと、「ウェールズにようこそ」の道路標識には、英語と並んでウェールズ語も書かれていて、それだけでもうワクワク。Super Furry Animalsの国に来たよぉ〜(スーパー・ファリー・アニマルズというウェールズのバンドはよくウェールズ語の曲を作るのですよ。)

なんて浮かれていたら、いきなり「バタバタッ」と窓を打ちつけるようなすごい音が。何かと思ったら、なんと大粒のヒョウが降ってきた!うわ〜っ寒そう・・・。

そしてカーディフのコーチ・ステーションに到着。
カーディフの中心地はこじんまりして、これといって特徴もないイギリスの地方都市という感じでした。でも、
「うんうん、なんとなく『ドクター』に出てくる街の雰囲気があるよ。」
ロンドンが舞台と言いながら、なんだか通りとかがこじんまりしてるんだよね(苦笑)

でもドクターのエキシビジョンをやっているレッドドラゴン・センターは中心地から離れた港のカーディフ・ベイにあるそうです。インフォメーション・センターで聞くと、そこまで行くバスを教えてくれました。
「ではその前に中心地で観光を済ませちゃいましょ。」
と、すぐ近くにあるカーディフ城へ行きました。しかし入場料がけっこう高かったので中に入るのは断念。中国人の団体さんに交じって、外で記念撮影だけしておきました。

カーディフ・ベイへ向かうバスは青色の小さなバス(帰国してからドラマを見たら、ロンドンのはずなのに画面の奥でこのバスが走ってました(苦笑))
中心地を抜けるとすぐに広くて新しい道路に出ました。そして
「あ〜っ!あれあれっ!あの建物、『ドクター』に出てきたよね!!」 巨大なウェールズ語で壁面が飾られたウェールズ・ミレニアム・センターが見えて来たっ!遂にカーディフ・ベイに到着・・・と、思ったら、あれ?あれ?バスが道を曲がっちゃったぞ(汗)降りなきゃいけなかった??

私たちがオロオロしていると
「あなたたち、レッドドラゴン・センターに行くんでしょ?着いたら教えてあげるわ。」 と、後ろの座席のオバさんが教えてくれました。ほっ。
結局バスはグルリとセンターを廻って正面に到着しました。

「着いたわよ。」
オバさんと一緒にバスを降りると、うわ〜っ、まさに「ドクター」の舞台っ!
「ここに時空間の隙間があるんだよねっ!」
って、ドラマではそういう設定になっていて、宇宙船ターディスがミレニアム・センターの前でエネルギー補給をするんですよぉ。
「ドクターはどこだぁ!」
「ターディスはどこっ!」
なんて、私達の大騒ぎをさっきのオバさんがクスクス笑いながら見てました。
ま、まさか私達の目的が分かってた??


ここでターディスがエネルギー補給をするんだってば

でもまずは腹ごしらえをしようということになり、「海辺だからフィッシュ&チップスがおいしいらしい」というKさんの意見でお店を探したけど、カーディフ・ベイはお洒落なレストランばかりで、庶民の味のフィッシュ&チップスの店が見当たらない。
「このお店に置いてあるけど12ポンドだよ・・・」
「え〜っ、フィッシュ&チップスなんて3ポンドくらいだよ。2500円は出せないよねぇ。」
「もしかしたらレッドドラゴン・センターにあるかも!」

本降りになってきた雨の中を駆け抜け、ニュー・ニュー・ニュー・ニュー・ニュー・ヨークの病院ロビーを横切り(ミレニアム・センターのロビーは未来都市ニュー・・・ヨークの病院ロビーとして登場)レッドドラゴン・センターに入ると

 

「きゃ〜っ!ドクターっ!」
いきなり等身大のターディス&ドクターのハリボテだぁ!
でも子供たちが入れ替わりたちかわり記念写真を撮っている。邪魔っ!邪魔っ!(って、子供にムキになってどうする!)
するとビショ濡れの私たちを見て、おばあさんが
「ひどい雨よねぇ。ほんと典型的なウェールズの天気よ。」
と笑っていました。