DOCTOR WHOなつぶやき
イギリスのSFドラマ「ドクター・フー」の話題を拾った時につぶやいてます。
July 2020
更新してなくて、すっかり過去の話となってしまった「ドクター・フー」第12シリーズのネタですが、今シリーズ一番の話題(?)と言えば、久々に登場のキャプテン・ジャック・ハークネスでしょう!!
You miss me !?
モファット時代のシリーズでは(彼が生みの親なのに)全く出番が無かったので、相変わらずおバカでイケイケなジャックに興奮してしまいましたが・・・その一方で、昔の人気キャラに頼った話題作りに少々引いてしまったのも事実。おまけに総合プロデューサーのクリス・チブナルはインタビューで「エイミーとローリーも復活させたいねぇ」なんて語っていて、いやいや、それ以前に、彼らのように魅力的な新キャラを自分で生み出せよ!と、突っ込みたい。
でも、やっぱり旧シリーズのコンパニオンたちは今でも大好き。そんなファンに嬉しいニュースです!
BIG FINISHの公式HPより拝借
第5シリーズでは、愛するエイミーが閉じ込められたパンドリカをローマ兵の姿で守り続けたローリー。そんな男気溢れる彼の二千年の物語が、オーディオ・ブックとして制作されます。朗読はもちろんローリーを演じたアーサー・ダーヴィル本人。タイトルは「The Lone Centurion(孤独なローマ兵長)」で、2021年5月にリリース予定です。彼とエイミーのラブ・ロマンスがまた蘇る!聞いて理解できるかは自信ないけど(苦笑)これは楽しみです!
話は戻って、今回のジャック復活でのこぼれ話。
ジャックを演じるジョン・バロウマンは現在アメリカに住んでいるそうですが、そんな彼がカーディフの自宅に戻っていると知られると、ドラマへのサプライズ登場がバレてしまう!と、考えたジョンは先手を打ち、わざわざ「カーディフの家を模様替えするために戻ってきたよ!良いアイデアがあったら教えて!」と、自らのSNSに投稿したそうです。元々は偽装工作のためだったのに、ファンからの反応に嘘とも言えず、結局、本当に家を模様替えする羽目になったそうです。「ドクター・フー」の秘密主義に出演者のみなさん、苦労していますね。
「ドクター・フー」の秘密主義は、家族にも話してはいけないほど徹底しているので、デヴィッド・テナントの両親も、毎週番組を楽しく観ていたら、いきなりドクターが息子の顔に変わって、心臓が止まりそうなくらいにビックリしたとか。
(今さらなので、ここからネタバレしても良いですよね?)
今シリーズで新マスターとして登場したサシャ・ダワンも、出演が決定した後に別番組でピーター・カパルディに会う機会があったそうで、「彼にいろんな事を聞きたかったのに、何も言えなくて辛かったよ」と語っていました。
NEW MASTER
ちなみにこのサシャ・ダワンは、「ドクター・フー」50周年記念に制作されたドラマ「An Adventure in Space and Time」にも出演しています。「ドクター・フー」誕生を描いたこのドラマでは、インド系でゲイの監督を演じて良い演技してましたが、でもマスターには向いてないよなぁ・・・。この過去ブログ→で書きましたが、BBC自身が13thドクターの予想に彼を入れているように、サシャの顔はマスターよりも「善い人」向きじゃないかと。ジョン・シムやミシェル・ゴメスのような「狂気」が感じられないんですよね。
また話は戻り・・・12thドクターのピーター・カパルディもドラマの秘密主義に苦労した一人。
12thドクターの発表前、彼の娘も毎日熱心に予想していたそうで、「でも僕の名前は一度も出なかったよ(笑)」と語っていました。
そんなピーターのエピソードをもうひとつ。ドクター役が決まった時、彼は海外でBBCドラマ「マスケティアーズ」の撮影中でした。現場で知っていたのは彼とマネージャーだけのはずなのに、突然現地のスタッフに「『ドクター・フー』の大ファンなんです!」とサインを求められ、「どっ、どっ、どうしてバレた!?」と焦りまくったピーター。ところがそのスタッフは「あなたが出演した『The Fires of Pompeii』(第4シリーズ)が大好きなんです!」だったそうです(笑)思わず「ぜひ写真も一緒に撮ろう!」と、初めて自分から写真撮影を持ちかけたとか。「彼は世界で一番最初に12thドクターと写真を撮ったファンだね(笑)」と語っていました。
話題は変わって・・・
コロナ禍によるロックダウンで新シリーズが製作できない現在、家に篭ったWhovian達を楽しませるために、様々な企画が催されています。出演者やスタッフがtwitterで参加しての過去エピソードのネット上映会、モファットやラッセル・T・デイヴィスによるスピン・オフ小説の発表などなど盛りだくさんでしたが、その中でも、モファットによる「The Girl in the Fireplace」(第2シリーズ)のスピン・オフ・ビデオは必見!
ポンパドール夫人を演じたソフィア・マイルズによるナレーションと、本編映像のコラージュという、ロックダウン下の状況で製作された2分半のミニ・エピソードですが、その短いストーリーでこんなに切なくなるなんて・・・モファットって、ホントに「S」だ(苦笑)
「ドクター・フー」本編の次シリーズは、まだ撮影の目処が立たないようで、コンパニオンが抜けるなど噂されていますが、その前に脚本家(あえて言うならプロデューサー(苦笑))を変えて欲しいです・・・。
最後におまけで、この自粛期間中に観たドラマ「グッド・オーメンズ(Good Omens)」をご紹介。
Good Omens - BBCのHPから拝借
BBCとAmazonが共同で製作したこのドラマ。出演が10thドクターことデヴィッド・テナント、そして「The Doctor's Wife」(第6シリーズ)の脚本を書いたニール・ゲイマンが、原作・脚本・総合プロデュースと聞けば、「ドクター・フー」ファンとしては観るしかないでしょ?そして、これが面白いんですっ!
デヴィッド・テナントが演じるのは、天地創造の時から地上に住み着いている悪魔クロウリー。天使のアジラフェルと一緒に人間世界での生活をエンジョイしていたが、そこにハルマゲドンを起こすためのサタンの赤ちゃんアンチキリストが送りこまれてきたから、さあ大変!いそいそとハルマゲドンの準備を進める天国と地獄に対して、こんなに楽しい世界を滅ぼす訳にはいかないと奮闘する二人。11才になったアンチキリストやヘンな人間たちも巻き込んでの大騒ぎ!彼らは世界を救えるのかっ??・・・なんて、イギリスらしい皮肉やひねくれた笑いが満載のファンタジー・コメディなのです。(日本のAmazonでは「アジア差別が酷い!」と怒っている方々がいましたが、ストーリー自体が西洋文化の根本である聖書を茶化してると思うんですが・・・。アメリカでは「神様の声が女性」という理由で反対署名運動まで起こったとか。)
美食家の天使アジラフェルと、ベントレーのクラシック・カーを乗り回す悪魔クロウリー
ーThe GardianのHPから拝借
そしてなんと言っても、久々に「変人」を演じるテナントが「ドクター・フー」ファンにとってはたまりませんっ!!あの細身・長い手足で黒いスーツを着こなし、飄々と動きまわるクロウリーはまるで真っ黒なドクター(笑)「ブロードチャーチ」のような真面目な役も良いんだけど、やっぱりこんなテナントを観ていると楽しくなっちゃう。
日本のAmazon Primeで観れますので、興味のある方は是非ご覧あれっ!
ちなみに、この天使アジラフェルを演じているマイケル・シーンは、「The Doctor's Wife」でHouseの声を演じた方です。
そしてもうひとつ「ドクター・フー」繋がり。このドラマの監督ダグラス・マッキノンは「ドクター・フー」や「シャーロック」でも監督していますが、彼によると、「Good Omens」に登場する潜水艦は、「Cold War」(第7シリーズ)に登場した潜水艦の使い回しだとか。早速確認してみたけれど、よく分からない(苦笑)潜水艦の全体像で使われた模型の事かな?しっかし、監督のネタバレよりも先にこれを指摘していたWhovian達がいた事にビックリだよ(笑)
最後にさらにおまけで、あちこちで話題となっているBBCのリモート・ドラマ「Unprecedented」を紹介します。現在iPlayerで観ることができますが、これが噂通りの面白さ!!
5分から10分程度の短編ドラマがオムニバス形式になっていますが、単にTV会議システムを使って製作したという目新しさだけでなく、ロックダウン下だからこその人間模様を描いたストーリーは、この時代を記録した素晴らしい作品とも言えます。こんなドラマを作ろうというアイデア、そして限られた範囲の映像の中で魅せてくれる英国俳優たちの実力。イギリスのドラマを作る底力を改めて感じさせてくれます。そして「ドクター・フー」ファンとしても、アーサー・ダーヴィルが出演しているので、ぜひぜひこちらもチェックして下さいね。