けっこうな荷物を抱えてホテルに帰ると、すでに5時。いい加減にライブ会場に行かないと本来の目的がっ(苦笑)
地図を見ると会場は駅を挟んで反対側。まぁ駅まで行けば分かるでしょ。大きな会場だしね。
と、駅までまたトコトコと歩いていると、暗くなり始めた通りはやっぱり少し物騒な雰囲気。帰りはタクシーを使うしかないか。あ、チップス屋だ!
そう、イギリス名物のフィッシュ&チップス。魚のフライとフライドポテトです。みんなマズイと言うけど、これはね、フィッシュは買わず(これは確かに日本人には泥臭くてマズイ)そして油ギトギトのチップスだけを買って、酢と塩をドバドバにかけて食べるとウマイんですよぉ!特にライブ後の夜食に食べると病みつき(笑)
今回はまだ食べてなかったなぁ。だってライブ後に食べてちゃって、手を油ギトギトにしてフューチャーヘッズのメンバーに会うのもイヤだからね(笑)
う〜ん、食べた〜い!今日がラストチャンスだ!しかもイギリスまで来たのにビールも飲んでないよ!でもタクシーで帰るとすれば途中でチップスを買うのは無理・・・どうするっ!安全か?!食い気かっ?!
ともかく・・・悩みながら駅に到着して周辺地図で道を調べると、う〜む困った。道が分からない(汗)適当に見当をつけて歩いて行くと、駅をグルリと回って元の場所に戻っちゃった。駅の周辺の道が入り組んでいてさっぱり分からない。
ウロウロしていると、なぜか道が通行止めになっていて、止まっているバスを警官が調べていました。
「ばっ、爆弾!?」
と、一瞬焦ったものの、そんな緊迫感はなさそうなので、見張りに立っていた警官に道を聞くと
「う〜ん、説明しにくいなぁ。とにかくあの道をまっすぐ行きなさい。」
「まっすぐ??」
「そう、まっすぐ行けば分かるから。」
よく分からないまま、まっすぐ歩いていくと、おっ、会場の案内板があった!そこからはウネウネと、広場を横切り、ビルの中を通り抜けて15分ほど歩いていくとやっと会場がありました。思ったより距離があったなぁ。ホテルから30分弱か。
当然まだ開場しておらず、何十人かのファンが列を作ってました。ダメ元でチケットを受け取りにいってみると、あっさり渡してくれました。全然「リキ」が入っていないライブで早々とチケットを渡してもらえてもあんまり嬉しくないんですけど。
すぐに開場になり、まずは悠々とトイレを済ませて(リキ入ってないから(笑))そして会場へ。
すんごい隅っこの柵前を確保して「これでOK」と安心していたら、急に警備員が 「皆、柵から離れて後ろに座って!」と、言いだした。へっ??
なんでも柵の周りを警備員が歩けるようにスペースを空けろというコトらしい。え〜!?何、それ!そんなコトしたら、割り込みし放題だろっ!!
案の定、後からきたヤツがさりげなく座っている人達の間に入り込んでくる。おまけにいつの間にか、オバちゃん2人が私と柵の間に入り込んでいた。オイオイっ!
「そこ、下がって!」
と、警備員に言われると、私をグイっと押しやって下がってくる。苦労して場所取りした訳じゃないけど、それでも後からきたヤツに割り込まれるのは腹立つなぁ。
「よ〜し、私も前に行く時はこのオバはんたちを押しのけるぞっ!」と、思っていたら、いきなり中央のファン達が立ち上がって一斉に柵に飛びついたっ!げっ!いきなりすぎっ!心の準備が整ってなかったのですっかり出遅れてしまい、柵に飛びつこうとしたらオバはん達にはじき飛ばされてしまいました。
「てめえらっ!今日はおとなしくし譲ってやるが、フューチャーヘッズでやってたら血を見ると思えよっ!」
と、心の中で捨て台詞を吐いて、スゴスゴとババアたち(すでにババア呼ばわり(笑))の横に場所を確保。ああ疲れた・・・。熱狂的ファンが集まるモリッシーのライブですから中心部の場所取りはそりゃあ熾烈です。皆、早朝から一日中並んでます。でも私が確保したスピーカー前なんて「ゆるゆる」な空気な場所。こんなトコでズルいマネまでしてスリムな(?)私一人の厚みだけ中心に寄ったところでどうなるってんだ!ぶつぶつ・・・。
と、まあ、そんな中でライブがスタート。
今日のサポートは5月の時と同じKristeen Young。モリッシーのレーベルからCDを出していますが、正直、つまんない・・・(苦笑)女性のボーカル兼キーボードと男性ドラムの二人組で、70年代のちょっとアバンギャルドなニューウェーブ(死語??)というか、モリッシーが大好きだったルーダスみたいな感じで、彼が大プッシュしているのも分かるんだけどねぇ・・・。
なんていうのかなぁ、音楽のレベルは高くてもワクワク感がないのよぉ。「クソ真面目でつまらない二枚目」みたいな感じ(笑)三枚目でも四枚目でもいいからドキドキさせてくれなきゃ音楽としての魅力がないよね。
で、ドキドキ満載な三枚目のモリッシーが登場(笑)
スミスのヒット曲、「パニック」がオープニング。チェルノブイリ原発事故の第一報を告げたラジオのDJが、何事もないかのように能天気にWHAM!の曲をかけたことへの抗議で作られた曲です(うわぁ、もう20年前の曲かよ(汗))
「ロンドンの通りでパニックが起こる/バーミンガムの通りでパニックが起こる/僕は思い悩む/日々はまた正常に戻ることができるのか?」
そうだった!ここはバーミンガムっ!この街でこの曲を聴くってのはまた格別ですなぁ(笑)なんて喜んでいたら、
「またこの街に戻ってこられてとても嬉しいよ。ここはストックホルムだよね?」
なんてモリッシーのMCに大笑い。
この日のモリッシーはやたらと喋りまくってましたが、どうもイギリスの選挙について話していたみたいで、そんなディープな話題にはついていけません(汗)
そしてなぜか今回は「Disappointed」や「I've Changed My Plea to Guilty」なんて、すんごい懐かしい曲をやり、
「この曲をやっていた頃はモリッシー・ファンの友達たちとイギリスのツアーを見にきていたなぁ〜。で、今は他の友達たちとフューチャーヘッズで同じようなコトをして、モリッシーを一人で見ているのか・・」
なんて不思議というか複雑な気分になって、あれこれと思いをめぐらせていたら、
フト目にはいった例のババアたち・・・こ、こいつら、昔の曲を知らない!?ババアのくせにニワカ!?(笑)こんなヤツらに割り込まれたかと思うとよけいムカつくなぁ。
な〜んて言いながら、反対に私はニューアルバムの曲にいまいちついていけない(笑)
そして恒例のようにモリッシーがシャツを脱ぎ捨て、ファンは大熱狂!うわぁ!モリの裸はもうン十年見続けてけたけど、また一段とウエストの厚みが(苦笑)
そのシャツを客席に投げ入れファンを争奪戦の嵐に巻き込んでおきながら、恥ずかしそうにバックステージに小走りに去っていく姿は、まるで風呂から出て行く子供。一応テレているのかっ?!
なのに、アンコールでまた脱ぐモリッシーでした(笑)
ライブが終わり外に出ると11時近く。さぁ、どうする?駅までの帰り道は人が大勢いるんだけど。と、周りと一緒に歩いていると、あ、酒屋だ(笑)つい寄ってしまいサイダー(炭酸のリンゴ酒)を購入。こうなるとチップスを買うしかないよなぁ。
ちょっと雰囲気がヤバそうなチップス屋に慣れたような顔で入っていき、内心ドキドキしつつも無事チップスを購入。
そこからはただひたすらホテルまで早足に・・・って、そこまで食い意地はらなくてもいいのにね。
無事にホテルに着いて、チップス&サイダーを味わいました。苦労した後の味はなんとも(笑)
ブーツをどうやってバッグに入れようか悩んでいると、急に眠気が・・・う〜ん、おやすみなさい。