翌朝、心配だった首の痛みも引き、柵で潰された胸の痛みも和らいでいました。
昨夜は同じく痛がっていたKさんも大したことはなかったみたい。
「よかったよね。肋骨にヒビでも入ったかと思ったよ。」
そして1階の食堂で朝食をとりました。初めてそのホテルのオーナーのおじさんとご対面。
「ライブはどうだった?良かった?」
なんて言われながら、たっぷりのイングリッシュ・ブレックファーストを頂きました(目玉焼きの下に揚げトーストまで隠れていて、朝からコテコテな食事(笑))そしてタクシーで駅まで行き、全然ポーツマス観光もすることなく(苦笑)ロンドン行きの列車に乗り込みました。
さらにロンドンでウォータールー駅から地下鉄でキングス・クロス駅に行きます。ロンドンは街の中を列車が走らないように、行き先の方角ごとに分かれた駅が中心地を取り囲むように作られています。なので、今回のようにロンドンを経由すると次の駅へ地下鉄で移動しないといけません。
「そういえば、キングス・クロス駅に『9と3/4番』のプラットフォームがあるんだよ、知ってる?」と、Kさん。
それって、「ハリー・ポッター」に出てくるプラットフォームだよね?魔法学校へ行く列車が出るホームで、映画ではキングス・クロス駅の9番と10番のプラットフォームの間の柱の中にカートごと突っ込んでいくんだよね。でも実際には何もないから観光客がガッカリすると聞いたけど?
「そういう観光客のために、観光スポットとして最近わざわざ作ったらしいよ!見にいってみない?」
おっし!行こう、行こう!!
キングス・クロスのメインの大きな駅舎の奥に小さな駅舎があり、プラットホームの9番以降はこちらにありました。そしてその建物に入った途端、いきなり目の前の壁の中にカートがめりこんでました!あははっ!!で、その上に「Platform 9 3/4」とネームプレートが。ほんとに記念写真スポットだぁ(笑)
で、記念写真を撮って、お昼ごはんを買ってケンブリッジ行きの列車に乗りました。
大学で有名なケンブリッジは列車でほんの50分程。そして今日のライブ会場とホテルは駅のすぐ近くですが、駅自体が街の中心から少し離れているので、ケンブリッジ観光はできません(苦笑)
しかし駅の近くといっても、駅をグルリと裏まで回っていかないといけない。15分ほど歩いていくと、
「あ、あれが会場じゃない?」
駅裏の再開発地区のような感じで、真新しいショッピングセンターの隣に会場の「ザ・ジャンクション」 がありました。
まずはホテルにチェック・インに行くと、
「君たちも面接に来たの?」
「え?面接?」
「今週はケンブリッジ大学の入試のための面接の期間なんだよ。だからホテルはどこも満室で、さっきも聞きに来た人を断ったところなんだ。」
え〜っ、そうだったんだ。予約しておいてよかったね。
今日はまず眼鏡屋とコンタクト保存液を売っている薬局に行かないと。ホテルのスタッフに聞くと、薬局は会場とは反対の方角に一軒あるとのこと。
「眼鏡屋は街の中心にしかないなぁ。ん?待てよ?確かあそこが眼鏡屋だったような・・・違うかもしれないけど」
と、ホテルのすぐ近くの店を教えられました。
そこにはひっそりと小さな眼鏡屋がありました。お店番の女性がすぐにKさんの眼鏡を無料で直してくれ、コンタクト液も売っていたので無事にここで購入しました。よかったね。でもデイヴに請求書を回し損ねちゃったね(笑)
それから会場に行き裏口を探すと、ツアーバスが止まっている駐車場がグルリと柵で囲まれていました。
「う〜ん、これではメンバーと会えないかも〜。」
なんて言いながら歩いていると、ありっ?バリーだっ!
ちょうどその柵の中をバリーが歩いていて、私達に軽く手を振ってバックステージに入っていきました。
そのまま正面に向かって歩いていくと、今度はロスに遭遇。
「あっ、マカビーズだぁ」と、ロスのTシャツに気付いたKさんが指摘すると、
「そうだよ!俺、あいつら大好きなんだ。」
うんうん、いいバンドだよね。
「今からリハーサルだから急いで戻ってきたんだ。今日は6時がライブのスタートだって聞いたから。」
「えっ!7時じゃないの!?」
「6時って言われたよ。」
「でも(チケットを出して)7時スタートって書いてあるよ。」
「あれ?ほんとだ。」
「フューチャーヘッズが始まった時に誰もいないよ」
「はは、確かに。とにかく確認してみるよ。」
と、バックステージに行くロス。で、当然、ライブは7時からでした。誰だ?ロスにデマを流したヤツは(笑)
今日は私だけチケットが手元にないんだよね(涙)念のためボックス・オフィスに行ってみると、やっぱり受け渡しは開場後だってさ。
それからまた裏に行くと、今度は白いバンがやってきました。あっ、マカビーズが乗っている・・・と思ったら、中でメンバーが「あいつら、また居るよ〜」
と言わんばかりにこっちを指差して笑ってる(汗)
な、なんだよぉ〜そんなに物珍しいのかっ!希少動物じゃねえぞっ!
駐車場のゲートを開けるために降りて来たギタリストは私達に興味深々の様子(笑)
「君たち、本当にフューチャーヘッズが好きなんだね。」
「うん!」
「俺たちも大好きだよ。だから今回、一緒にツアーがやれて本当に嬉しいんだ!」
「でもマカビーズも良いバンドだよ。」
「え!?本当にそう思う?」
「うんうん!気に入ったよ。」「シングルは出ているの?」「早く日本においでよ!」
と、みんなで褒めると、メチャクチャ喜んでました。とっても素直なイイ奴でした。
ジャフは中にいたし、デイブはどこにいるんだか。あ、バリーにパスをもらい損ねたなぁ。今日はもうメンバーには会えないかな・・・なんて思っていたら、後ろの道路を猛スピードで走ってくる黒い物体がっ?
「えっ!?バリーっ??」
どこから来たのかバリーが全速力で走ってるっ!
「パス、頼まないとっ!」と、Kさんがバリーを呼ぶと、
「ごめん!急いでいるからまた後で!」
なんでも彼女が駅に着いたから急いで迎えにいかなきゃいけないんだってさ。
へ〜っ、わざわざケンブリッジまで彼女が来たんだ・・・というか、バリー!駅まで走る気かっ!?目の前に駅は見えているけど道のりは遠いんだぞっ!
「まあ、コンパスが長いからね(笑)」
「でも、まさか彼女を駅から歩かせて帰ってくる気じゃないよねぇ〜??」
なんて言っていたら、なんだかバリーのような声が?すると鉄道の上の高架をバリーと彼女らしき人の姿が。マジで歩いて帰ってきたのか(笑)でもそのまま正面から入ってしまったみたいで、結局バリーには会えずじまいでした。