THE FUTUREHEADS TOUR in UK/2006年12月

ポーツマスでフューチャーヘッズ!/12月4日<その2>

「どうする?ホテルに荷物を置きにいく?」
「う〜ん、でもそろそろメンバーが来そうな時間だよね。」
「そうだよね。じゃあ後で入場の並びをしている時にホテルに行けばいいね。」

日曜日なのにメンバーを待つのは私たちの他に男の子2人組だけ(笑)まぁ、イギリス人はこういうコトにはクールだからね・・・。

そうこうしていると、またデイヴが登場。
「ここで待っていると寒いだろ?中に入っていれば風がこないよ。」
と、裏口を指差すデイヴ。確かに風が強くて寒いけど、でも・・・やっぱり裏口の真ん前ってのはねぇ(苦笑)
「大丈夫、大丈夫!ここで待ってるよ。」
「そう?他の奴らももうすぐ来るからね。」
と、デイヴは男の子達にサインして会場に入っていきました。

しばらくすると、あれっ?日本の時もいたツアー・マネージャーだ。
「おう!おまえら、寒いだろ?こっち来いよ。」
と、呼ばれました。何だ、何だ?と思いながらついていくと、いきなり裏口を入り(えっ?)階段を上がり(ええっ??)
「さあ、ここなら寒くないぞ」
と、案内されたところは・・・・ライブ会場・・・(大汗)

ど、ど、ど、どういうコトぉ??ここに居ていいの?リハーサル、見てもいいのぉ!?と、3人でオロオロしていると、いきなり「バーンっ!」とでかい音を立ててドアが開き、ロスとジャフが参上!うひゃ〜っ!(さらに大汗)

唐突にそんなトコにいる私達を見て、「おおっ!?」と、一瞬驚いた二人でしたが、すぐに
「やあっ!元気?!」
と、何事も無いかのように話しかけてきてくれた・・・彼等としては私達がここにいても何の問題もないのね(苦笑)

二人にプレゼントをあげ、また少し雑談してると、あれっ?遥か向こうにいつのまにかバリーがいる??
「ロス&ジャフが入って来た直後にバリーが入ってきたんだよ。でもすごい寝起きみたいな顔していて私達には気付かずにダーッとあっちに歩いていっちゃった。」
と、Kさん。確かに髪型も寝起きのような(笑)で、こっちに気がついたバリーも何事もないように軽く手を振ってました・・・。あの・・・「なんでこいつら、ここにいるんだ?」とか少しは疑問を感じた方がいいんじゃないの(苦笑)

すぐにメンバー全員がステージに集まってリハ開始。わ〜いわ〜い!

それぞれの楽器やマイクの音合わせをしますが、ロスが自分のマイクの調子を見るのに「We Can't Loose」を歌って 「おいおい、それはジャフのボーカルの曲だろ〜(笑)」
と会場の隅っこで見ていた私達は大笑い。ジャフも笑っていました。

「今から柵に張り付いて一番前で見たいよねぇ〜」
「このガラガラの会場で、リハからいきなり柵の前に日本人3人が並んじゃうの?(爆笑)」

そしてバリーがマイクを合わせるために歌いだしたのは「A Picture of Drian Gray」!!うええ〜っ!?なぜ、そんな曲をっ!?
これはTVパーソナリティというバンドの曲のカバーで、まだ自主制作で作られた頃のシングルに収録されているマイナーな曲。

この曲が大好きだというK&Tさんは大興奮!う〜ん、私はこの曲にはそれほど特別な思いは・・・と、思っていたら、今度はバックをつけて全員でこの曲を演奏しました。そしたらっ!
「うっひゃ〜っ!!メチャかっこいい〜!!!」
ライブだとこんなにカッコいいの!?この曲っ!!
「そうだよ、だから好きなの。」
「グラストンベリーでのライブ映像見てないの?」
見てないよぉ、グスっ(涙)

いやぁ、いいモン見させてもらいましたなぁ。でも、これ、今日のライブでやるの??Kさんが言うには、今回のツアーは9月の日本ツアーの時から「Back To The Sea」を抜いた選曲だそう。だったら、ツアー終盤でいきなり新しい曲は入れないよねぇ??

そんな風にリハを見た余韻で3人であれこれ話していると、ハタと気がついた
「私たちってこのままココに居ていいのっ??」
考えてみると、私達のここでの身分(?)を保証するものは何もない。バックステージ・パスなんて持ってないし、チケットすらまだ持ってない(汗)

もし警備員に何か言われたらどうすればいいの??最悪なケースは、警備員に『ホラホラ、おまえたち、どこから入り込んだんだ??』と、開場直前に外につまみ出されること。 「そんなコトなら今すぐ外に出て並ぶよぉ。」

そんな時、ツアー・マネージャーを発見。聞いてみると、開場までここにいていいそうだ。ホッっとひと安心。あっ、そうだ、私、一眼カメラも持っているんだ。バリーに会えないかもしれないしなぁ。
「いつもバリーに頼んでいるんだけど、撮影用のパスってもらってもいい?」
「ああ、いいよ。」と、パスをくれました。

あっ、そうだ、Kさんの荷物(笑)
「あともうひとつ・・・このでかい荷物をどこかに置けないかな(苦笑)」
これもすぐに解決。ステージ横の機材置き場の中に置いてくれました。
忙しいのに色々頼んでしまって心苦しかった〜でも・・・Kさんの荷物・・・間違って機材と一緒に片付けられたりしないかな(笑)

そしてメンバーがバックステージから出てきました。

するとデイヴに
「なっ?ここなら温かいだろ?外はほんとに寒かったからなぁ。」
と言われ、もしかして彼が私達をここに入れてくれたのかな?

で、ロス&ジャフともまたすこし雑談。
「日本から来たの?今日のライブを見に?」とジャフ。
「明日のケンブリッジも行くよ。ロンドンも。」
「え〜っ!ポーツマスにケンブリッジにロンドン!?マジ!?」
「だって彼女(Kさん)は昨日のファルマスも行ったよ。」
「ほんとに!すごいなぁ」と、ジャフは笑ってました。

ところが・・・・
「私・・・ファルマスの時はジャフの真ん前で見てたんだよ。あんな小さな会場なのに・・・。しかもライブ後に目があったら『ハ〜イっ!』って言っていたくせに・・・あんな田舎にいた東洋人すらジャフは覚えてないのか。」と、ヘコむKさん。

ほらぁ、ジャフはめちゃくちゃ背が高いから、目線より低いものはなかなか視界に入らないんだよ〜。でも昨日は開演直前に行ったそうで、いきなりステージ前にいたKさんに、ステージに登場したバリーがのけぞるほど驚いていたってさ(笑)

そしてそのバリー。少し髪が短くなったのか、髪にクルクルと妙なクセがついていて、横をピチっと押さえたらリーゼントになりそうだ(笑)

今朝、ロンドンに着いたと話すと
「でもあまり疲れてるようには見えないね。俺なんてライブ一回終わると、もうこんな風だからさぁ〜」
と、いきなりヘロヘロになって倒れ込むバリー。そ、そこまでジェスチャーを入れなくても大丈夫だってば(笑)

そして「はい、クリスマス・プレゼント!」と渡すと、
「ありがとう〜!クリスマスに開けるね。」
「えっ!?なんでっ(笑)」
「だってクリスマス・プレゼントとしてもらったんだからね。クリスマスまではツリーの下に置いて、クリスマスの夜に開けるんだ!」
「あれ?プレゼントを開けるのはボクシング・ディじゃないの?」
「いやいや、クリスマスの夜だよ!」

イギリスでは(他の国は知りませんが)12月26日を「BOXING DAY(ボクシング・ディ)」と言って、その日は別にボクシングをする訳ではなく、プレゼントのBOXを開ける日だ・・・と、聞いたんだけどなぁ・・・。

しかし、よくよく考えると、一応フューチャーヘッズはイギリスでは有名人なんですよっ。フツーにTVに出るし、ラジオでもよく流れるし。そんな人達と何をバカな会話してんだろうね(苦笑)

そしてメンバーはツアー・バスに帰り、私たちもトイレに行ったりしてライブの準備(笑)会場の中をウロウロしていると、ハッ!いきなり巨大な警備員に捕まった(汗)最悪のケース??
「君たち、パスは?チケットは?」
「あ、あの、フューチャーヘッズのツアー・マネージャーがここにいていいと言ってたので・・・」
「あ、そう。」
と、あっさり釈放。あ〜ドキドキした(汗)

やっぱりチケットを受け取っておこう!受け取りのBOX OFFICEに私が行くとまだチケットが届いていてませんでした。なので、また開場時間ギリギリにいくと、今度はチケットの束が置いてありました。でも私達のチケはそこにはないみたい・・・他のチケットの束の中にもない・・・おいおいっ、なんであちこち探してるんだよっ! 悩んだ係員はいきなり「ゲスト・チケット(招待券?)」と書かれたチケットを3枚を「はい!」と渡してきた。

「私達のチケット、届いてなかったみたいだよぉ〜!!」
「え〜っ!マジ!?遂にやらかしたか、シーチケっ!!」
ファルマスでは、Kさんが早めにチケがもらえないか会場のスタッフに聞いたら、 「シーチケットかぁ・・あそこはトラブルが多いからなぁ。」 と、時間前に探して渡してくれたんだって。
問題は海外発送だけかと思っていたら、イギリス国内でも評判悪いのかよっ!!もう、なんとかしてくれよぉ。

なんて話していたら、いきなり開場してドドッとファンが入ってきた!あわわっ!大慌てで柵に走っていき、とりあえず今回はジャフ前の一番前を確保。(一番前を確保するのはステージをちゃんと見たいという理由だけでなく、2列目以降では「押されると人の中に埋もれて息ができない」&「5時間近くも柵なしで立っていられない」という切実な理由なんですよぉ。)

そして1番目のサポートのバンド、ジ・エネミーが登場。
う〜ん、ちょっとモッズ系な元気なロックだけど、もう一歩だなぁ・・・。悪くはないけど、深みがないというか。しかもビールを飲んでるけど明らかに子供だもんなぁ(苦笑)

それに比べて2番目のバンド、マカビーズはお勧めっ!カラフルなThe RAKESというか、でもどこか80年代ギターポップな香りもして、フューチャーヘッズ好きにはたまらないタイプだ。ライブも勢いがあってカッコいいい!しかし上り調子なバンドなのは分かるが、客がちょっと盛り上がり過ぎ(汗)
でも気がつくとステージの奥でバリーとロスもノリノリになってました(笑)

そして真打ち(笑)フューチャーヘッズが登場!

今回は叩きつけるような勢いで始まる「AREA」でスタート!続いて「Yes/No」!「うお〜っ!」と、大喜びした途端、いきなり後ろからビールが飛んできてずぶ濡れに。 マジかよぉ(涙)

実は旅行前に「レッズの優勝で興奮したサポがビールとかブチ撒けたらヤダなぁ」と思っていました・・・。だってそんなビールくさいキタない格好のままでフューチャーヘッズを追っかけるなんてヤダも〜ん、なんて思っていたのに、まさかそのフューチャーヘッズで、しかも初日にビールぶっかけられるなんてぇ。

ともかく、この日はやたらとバリーやロスが喋っていて、ロスが「ジャパニーズがどうしたこうした〜」とか言ってて、わ、私達のコトですか(他にはさすがにいないだろ(笑))

しかも客のノリがすさまじく、柵に押し付けられて、ろ、肋骨がヤバい〜!! かなり激しく押された時は、肺から出て来た呼吸になんだか血の匂いみたいなものがした(苦笑)そして小柄なTさんにいたっては完全に埋もれてる(汗)

しかもひっきりなしに後ろからステージダイブの奴らが頭の上を流れてくる〜っ! そんな時にバリーが
「今日はこのツアーで最高のノリだよ」
こっ、こら〜っ!煽るな、バリーっ(汗)ぐえ〜っ。

しかし、この日のセキュリティーはプロでした!客の頭の上を次々と流れてくるダイバーたちを、私達最前列に来る直前でお姫様抱っこで救い上げ、しかも彼等の足が私達の頭に当たらないようにちゃんと気を配ってました。すげえっ!しかもあくまでフレンドリーに。

おまけに私がカメラを構えると邪魔にならないよう頭を下げてくれたりもする。いや〜、あんたたち、大人なセキュリティーだなぁ!(思わずライブ後に「今まで見た中で最高のセキュリティー達だよ!」と褒めたら、ガシっと握手されました。)でも、そんな彼等もたまにはミスって受けそこねて、人が頭の上から降って来る。く、首がぁ〜(汗)むちうちになっていないといいけど(涙)

そしてアンコールに登場し、いきなりバリーが「When I Buy My Mansion!」と歌いだした。お〜っ、演るか、「Dorian Gray」!!ロスと2人でアカペラ状態で歌っていると、いきなりジャフが「バリバリバリバリバリバリバリ〜」と、ヘンなコーラスを入れ、場内もメンバーも爆笑。

そして爆発するかのように全員での演奏が始まり、ん〜カッコいい〜。

ラストはお馴染みの「The Carnival Kids」!「You should be old enough !」の大合唱で終わりました。

Kさんが荷物を取りにいっている間、Tさんとグッズ売場をチェック。・・・日本で1000円だったトートバッグを10ポンド(約2400円)で売ってる。
「さては100円=1ポンドと勘違いしていたな。」
なんて笑っていたら
「荷物がない〜っ!!」
と、Tさんが大慌てで戻ってきた。え〜っ!!マジで!?

慌てて3人で行くと確かに元の場所にない。マジに機材車に積まれた!?
「まあ、いいか、荷物だけ先にケンブリッジまで運んでもらえば・・・」
なんて笑ってる場合じゃない!

そこにまたツアー・マネージャーが来て、機材の奥底から荷物を見つけてくれて、ホッ。いやぁ、今日は色々お世話になりました。

で、今度は3人でグッズ売場に戻ると、あっ、マカビーズのメンバーがいる・・・って、なんだか私達を見て笑ってるんですけど(汗)

「In the Future We All Die」と書かれたTシャツがあって、「なんだろ、あの言葉??」と、Kさんと悩んでいると、
「やだなぁ、『Robot』の歌詞じゃないですか」と、Tさん。おお〜っ!!言われてみればそうだ!!「In the future we all die / Machines will last forever (将来、我々は死ぬ/機械は永遠に続く)」よく気がついたなぁ、すごいよ、Tさん!!

すっかり誰もいなくなった会場を出て裏に回ると、ロスに遭遇。少し話しをしてると
「そういえば、あのストイコビッチの写真は君が自分で撮ったの?」
そうだ、DVDと一緒にピクシーの写真を入れておいたんだ。
「そうっ!気に入った?」
「うんっ!すごいよっ!ありがとう!」
「DVDは見れそう?アメリカの再生方式なんだけど?」
「うんうん、大丈夫!見れるよ!ほんとにありがとう!」
お〜っ、喜んでくれて良かった。

それからまた裏口に向かうと今度はデイヴと遭遇。
「また一番前で見てくれていたね。ありがとう〜。」
と、ハグハグされ、日本での事を覚えていたか(苦笑)でもライブ中の自分の姿なんて人に見せられたもんじゃないから恥ずかしいよ。

「前で見ていたから眼鏡が歪んじゃったよ(笑)」
と、Kさんがフレームが曲がった眼鏡をデイヴに見せると、
「え〜っ!責任感じちゃうなぁ・・・」と、デイヴ。
「えっ!?あなたのせいじゃないよ」と私達。
「いやいや、責任感じるよ〜」とデイヴ。
では修理費の請求書はデイヴに回すということで?(笑)

それから風が吹きすさぶ中で凍えながらしばらく待っていると、やっとバリーが登場。
「寒かっただろ〜」
と一人一人ハグハグされ、背中をさすられてしまいました。はははっ。

「今日はステージダイバーがすごかったよね。フューチャーヘッズのライブでこんなコトってある?」
「アムステルダムやパリはこんな感じだよ。リバプールもかな。」
「でもセキュリティーは親切だったよ。」
「うんうん。今日は良かったね。昨日は・・・(Kさんに)君は見たよな!?まだ15才のほんの子供をセキュリティーが引きずり落として押さえこむんだぜっ!だから『そいつはまだ子供じゃないか!』って俺は言ってやったんだっ!こういうコトは誰かがちゃんと言うべきで、それはマイクを持った人間がすべきなんだっ(笑)」
なんて、全身を使ったアクションを交えて語るバリーはほとんど「劇団ひとり」状態(苦笑)

初めて読んだフューチャーヘッズのインタビューには「バリーは内気でシャイ」と書かれていたのに、彼と実際に話すたびにそのイメージが・・・。

で、バリーとも「また明日〜」と別れて、ホテルに帰りました。気がつくともう12時近く。Kさん、やっと本日のお宿に到着(笑)

TVをつけると
「うおおっ!エルボーのライブをやってるっ!」
正確にはボーカルのガイがピクシーズのフランク・ブラックなどをバックにエルボーの曲を歌っている〜!いいなぁ、イギリスだとこんなのがフツーに見れてさぁ。

53時間振りのベッドだぁ〜。おやすみなさい。思ったより疲れなかったな、というか、帰国してからドッと疲れがきそうだなぁ・・・。

出発前

今年3度目のイギリス<はじまり>

12月3日

ロンドン到着

12月4日

ポーツマスでフューチャーヘッズ!
(その1) (その2)

12月5日

ケンブリッジでフューチャーヘッズ!
(その1) (その2)

12月6日

ロンドンでフューチャーヘッズ!
(その1) (その2)

12月8日

バーミンガムでモリッシー!
(その1) (その2)

12月9日

帰国

PHOTOS

THE FUTUREHEADS LIVE