そして翌日はロンドンのカムデン地区で行われるフェス「CAMDEN CRAWL」に出かけました。昨日のリーズと同じスタイルですが、土日の二日間で行われ、そこそこメジャーなフェスで有名バンドも多く出演します。
しかしながら単にどんなフェスなのか覗いてみたかっただけで特に見たいバンドがある訳でもなく、「それでも行くの?!」とロスには笑われるし、そして一昨日のフューチャーヘッズのライブを見た後では、すでに気分としてはこの夜の彼らのマンチェスターでのライブの方に行きたくてしょうがない(苦笑)「でもチケットを買っちゃってあるしね・・・」となんだか消極的モードで、昨日の疲れがまだ残っている足を引きずってカムデンに向かいました。
ネガティブ気分に追い打ちをかけるような本降りの雨。まずはリストバンド交換所であるライブ会場ROUNDHOUSEに到着すると、ズラリと並んだ鉄柵と警備員たち。ニコリともしない警備員たちにあれこれ指示され、やっとリストバンドを交換するとすぐに雨の中へと追い出され・・・。昨日のリーズでのフレンドリーな雰囲気から一転して高圧的な空気にまたドッとネガな気分。
そしてもらったタイムテーブルをチェックすると、このフェスでは昼間はインディーズ・レーベルのショーケースライブばかりで、出演が発表になっていたバンドのライブは夜6時以降からのスタートでした。だから観ようと思っていたバンドのライブの時間がかぶりまくり(苦笑)
とりあえず雨宿りをかねて近くのFiece Pandaレーベルのショーケースの会場へ向かいました。パブの2階のせま〜い部屋の一角にドラムやアンプが置かれていましたが・・・でも一向にライブが始まらない・・・。フェスの案内には「12時頃からバンバンとライブが始まるから早く来てね!」と書いてあるのに、すでに2時過ぎなのに全く始まる気配がない。
他の会場に移りたくても、恐ろしいほどの観光客とスリでごったがえす観光名所「カムデン・マーケット」を通らねばならず、ホテルのチェックイン前で、全財産をバッグに入れている状態でここへ突入するなんて冗談じゃない〜(大げさではなく、昔ここでスリにバッグを切り裂かれた経験があるのでマジで嫌なのです。)
でもライブは全然始まらない・・・もういいっ!とすっかりふてくされ気分でホテルに戻ってしまいました。
しばらくしてまたカムデンに戻ってみると、おっ!?さっきのパブからやっと音が聞こえてくる!では早速、と中に入ったら2階への入場待ちの列がズラリと(汗)他のパブでも外まで行列が。うそぉ、どこにも入れない!?
しょうがないので唯一の野外ステージに向かうと、道路の一角が高い塀で囲まれた会場で、ここでも山のような警備員が睨みをきかせていて、それだけで気疲れしちゃう。おまけにここのステージはメロ・コア、エモ・コアがメインらしく、さすがにこの手の音は食傷気味です・・・。
早々にそこを出て、今度はブラジリアン・カフェの地下室で行われていたラフ・トレードのショーケースへ。
ROUGH TRADE SHOW CASE
狭い地下室ですが、天窓から漏れてくる柔らかい光が差すステージで始まったのは、ラフ・トレらしいフォーキーな音楽。ソファーに座って身も心もヌクヌクした気分になってしまい、結局夜までほとんどの時間をここでダラ〜ンと過ごしてしまいました。
そして夜になるとようやくメジャーなバンドのライブが始まりました。
このフェスはリストバンド交換所があるROUNDHOUSEが一番のメイン会場で、この日の出演バンドはWe Are ScientistsとLostprophetsでした。ところがっ!なんとこのフェスはこのライブが別料金なのですっ!
オフィシャル・サイトでチケット購入の申込をしていると、いきなり「ROUNDHOUSEはどちらのバンドを見るか選択してね!追加料金だけどね!」と出てきて、もうビックリ(おまけに追加を払っても結局どちらかしか見られない。)無論、追加料金無しでどちらも見ないという選択もできますが、でも伝説的なROUNDHOUSEでライブが見られることがこのフェスに行く理由の一つだったのに・・・。だから6ポンド程度(1000円程度)でWe Are Scientistsを見るなら、まぁ許容範囲かな・・・と、これまたややネガな選択でチケットを購入していました。
ところがっ!当日にもらうタイムテーブル見ると、先に書いたように夜になってから一斉にライブが行われるので、色んなバンドがWe Are の時間にかぶりまくり。も〜っ、そうだと分かっていたら追加なんか買わなかったよっ!だからタイムテーブルを当日まで発表しないのかっ!?
と、文句モードにもなりながら、ともかく、夜の部がスタート!
Alan Pownall at Dublin Castle
まずはこれまた伝説的なクラブ「Dublin Castle」へ。 古めかしいパブの店内にはMadnessやThe Spesicalsなどのツートーン系バンドの写真やサインがあちこち飾られ、店の奥のまた狭〜い部屋にライブ用のステージがありました。 で、そこでビールを飲みながら見たのがAlan Pownall。ロンドンのフォーク系シンガーだそうで、なかなかいい感じ。
数曲聴いて会場を後にすると、すぐ向かいのパブからも音が聴こえてくる。うんうん、この感じがこういうフェスの醍醐味だよね〜なんてようやくウキウキ気分になってパブに入ると超満員でまったく見えない(苦笑)
Kyteも2階の会場が超満員で、階段の踊り場で音だけ聴き、全然知らないおじさんハードコアなバンド、TODDは帰る客にいちいち中指を立てるもんだから、会場から出るに出られず(笑)元Test Iciclesのメンバー、Lightspeed Championは初めて聴いたけど、ちょっとキモいボーカルにそそくさと会場を後に(笑)そんな感じでROUNDHOUSEの方角へ向かいつつ、あちこちを覗き見していると、だんだんと陽も傾いてマーケットの観光客もすっかりいなくなり、リストバンドをはめた人たちが行き交うようになってきました。そしてこの日ばかりは営業時間を延長したマーケットの屋台で晩ご飯をパクついていると、ようやくカムデンにフェスの空気が漂ってきました。
ROUNDHOUSE
そして遂にROUNDHOUSEに到着。時間を考えるとWe Are Scientistsのライブは断念して、代わりにサポートのStornowayを見ました。
元々は19世紀半ばの歴史的価値のある鉄道施設で、これまでに数々の有名ミュージシャンがライブをおこなってきました。その名前の通りの円柱型で古めかしいレンガ作りの外観で、前を通るたびにここでのライブってどんなモンなんだろうと想像していました。
そしてついにその会場の中に一歩入ると、うわっ!デカいっ!外観以上に広く感じる円形劇場のような2階建てのホールで、年期が入った高くて大きなドーム型の木造の天井に張り巡らされた黒い鉄骨は、まるでSF映画の中に出てきそうなヨーロッパのサーカス小屋みたい。いやぁ、カッコいい!ここでフューチャーヘッズが見られたななぁ〜。
というのも、ちょうどこの旅行の前後に彼らがここでライブをやっているのですが、どちらもチャリティやフェスでの出演だったので、彼らの単独ライブでは・・・ムリかぁ(苦笑)
で、演奏中のStornoway。売り出し中のフォーク・ロックのバンドで、Mumford & Sonsよりもちょっと田舎くさい感じかなぁ(苦笑)
そしてまたあちこちを覗きつつ、GANG OF FOURを見ようと思ったら入場規制中。なので、これまた懐かしのYOUNG MARBLE GIANTSを見に行くことに。
YOUNG MARBLE GIANTS at UNDERWORLD
日本でも有名なネオアコの先駆者的80年代ポストパンクバンド。すっかりおじさんとおばさんなバンドでしたがポップで乾いたサウンドは楽しかったです。以外とお客さんは少なかったですが、日本人はこれまでの会場の中で一番たくさんいました(苦笑)
そんな感じで、このフェスもクラブなどが深夜まで続いていきますが、私は明日からはまた移動の毎日なので、この辺りで引き上げです。
去年のフェスではMadnessが2階建てバスで突然路上ライブを始めたり、Amy Winehouseがパブでシークレット・ライブをやったりしたらしいのですが(あとThe MacabeesもRoundhouseに出たし〜)、今年はそんなサプライズも特になく、「こんなモンなのかなぁ」という感じで、正直フューチャーヘッズのライブに行った方が良かったかな(苦笑)
う〜ん、すごく見たいバンドが出演するなら良いけど、このフェス目当てにイギリスに行くほどでもないかな、というのが感想でした。おしまい。