今回の旅行のスタートは英国北部スコットランド地方の第2の都市グラスゴー。
前夜に香港経由でロンドン・ヒースロー空港に到着。近くのホテルで一泊して、翌朝にはまたグラスゴー行きのフライトに・・・って、こんな移動はやっぱり疲れました。
せっかくのスコットランドなので少しグラスゴーの街を散策して、そして夕方にはライブ会場のあるOran Morへ。中心地からやや離れているけどグラスゴー大学が近いせいか賑やかな地域にある、古い教会をそのまま利用したイベント・スペース(かな?)でも、外観はまるっきり教会。おまけに何のライブ告知もないからちょっと心配になりつつウロウロしていたら、いきなりバリー&ジャフに遭遇。
Oran Mor この地下室がThe Millです。
「こんなトコまでよく来たなぁ」
と、笑顔のバリー。1年半振りでも変わってないねぇ。でも、こんなトコって言われてもアンタのホーム(居住地)でしょ?(笑)
一方、ジャフは髪型だけでなくヒゲまでモサモサ。雰囲気変わったなぁ〜。
でも、せっかく彼らに久々に会えたのに、疲労で頭が働かない・・・。2、3言の会話が精一杯でした(涙)
バリーに会場の場所を教えてもらい、早速行ってみても誰もいない・・・。ジャフに「早過ぎだろ!?」って笑われた訳だよ。
ライブに備えて少し休んでおこうと1階のパブに入ると、わっ?店の片隅でバリー&ジャフがTV取材の真っ最中!?でも周囲のお客さんは彼らにまったく関心なし(笑)
まだ夕方だっていうのにビールを飲むスコットランド人たち。そんな中で一人紅茶を・・・情けない〜。でも今、アルコールを飲んだらきっと動けなくなる。取材が終わったバリーとジャフの話し声が後ろから聞こえるけど振り返る気力がない・・・。メンバーに会ってもアドレナリンが出てこないなんて、もうフューチャーヘッズ・ファンとして失格かしら・・・。
と、こんなバテバテな状態でライブに突入。
ライブ会場のThe Millはその教会の地下にある500人位のキャパの小さめのクラブ。 そしてこの日のライブはフューチャーヘッズの単独ではなく、クラブ側の主催だったので、サポートも地元のバンドでした。
最初のバンドはLions Chase Tigers。
KYTEをややMogwai風にしたような音かな?まあまあ良いバンドでしたが、彼らならではというカラーが欲しい気もするなぁ。
そして2番目のバンドはAdmiral Fallows。
バイオリンやフルートをフューチャーしたフォーク・バンド。でもフォークロアというより、もっと硬質な音で良かったですよぉ。
(ライブ後にCDを買おうとしたら、ヘッズさんのTシャツを買ってしまい「CD代が残ってない・・・(汗)」でもヴィンセント・ギャロを崩したようなルックスのボーカルが「いくらなら持ってるの?」とおまけして売ってくれました〜。)
そして!そして!遂にフューチャーヘッズの登場!!
と、思いきや!いきなりスピーカーから流れてくるハードロック・サウンド!おおっ!?フューチャーヘッズも遂にSEを使うのかっ!Cheap Trickの「Hello There」をバックに4人が登場!!でも相変わらず飄々としてハッタリは効いてません(苦笑)しかも前の3人は頭が天井につきそうだ(地下室ですから)
「Hello! Glasgow !! We are the Futureheads !!」のバリーの挨拶に続いて
「FIVE ! FOUR ! THREE ! TWO ! ONE!... GO !!」
この3人の掛け声で始まるのは当然「The Chaos」!いきなりニューアルバムっ!?
炸裂するフューチャーヘッズのギター・サウンド!かかかっ、カッコいい〜っ!!!この一瞬に全ての疲れが吹っ飛んだ!アドレナリン全開っ!来て良かったぁぁぁ!!
しかしバリーのファッションは・・・う〜ん、本気なのか、笑って欲しいのか分からないぞ(汗)髪はQuiffスタイルにまとめて(すぐ崩れますけど)しかもロングのタキシード・ジャケットにバラの花一輪。自分の結婚式の衣装かよっ??
そのうえ「サービス!サービス!」とばかりに前にいるカメラマン達にポーズを決めまくるので、きゃ〜群がるカメラマンで前が見えない〜(そういえばNMEがバリーのことを「フューチャーヘッズのファニー・マン」って書いていた・・・やっぱり彼は「お笑い」キャラなのか・・・。)
で、ロスに目を移すと、うっ!いつにも増して必死にギターを弾いてる!?今回のアルバムのために生涯で最もギターを練習したとかコメントしてたからなぁ(後で本人に聞いたら、今回のアルバムの曲は歌いながらギターを弾くのがとにかく大変なんだとか。)
でもでも、ライブの方は今回のアルバムの中でも大好きな「The Connector」から、本人達曰く「バカげたバブルガム・ポップソング」の「Heartbeat Song」、でも新曲ばかりじゃなくて「Le Garage」や「Work Is Never Done」などなど、新旧が程よくミックスされてすごくうれしい選曲。
とは言え、グラスゴーの観客はニューアルバムの曲はやや反応鈍め?発売されてまだ3日目だからね。
「Walking Backwards」では、曲が終わっても後ろ歩きをやめないバリーに「バリーを止めろ!バリーを止めろ!」のコールが沸きおこり、「Skip To The End」では「小学校のダンス大会で上手く踊れない子供みたいにピョンピョンするんだぞ!」とおなじみのMCをなぜかやたらと手振りを交えて大層なコトみたいにバリーが説明してました。
そして何の前振りもなくロスの「オーッ!オッ!オッ!」の遠吠えで始まった「Hounds of Love」は当然のごとくの大合唱!
「最後の2曲だ!」と言うバリーに観客から大ブーイング。「もう15曲も演ってるんだぜ!?」と笑う。
そして最後の曲では「みんなっ!静かに!静かに!」とバリー。
「いいか?ここは聖なる教会の地下だ。だから静かに!そして最後のこの神聖な曲のフレーズを覚えてくれ!」
と、ハミングを始めるバリー。えっ?ええっ!?まさかっ!?このフレーズって!?
「いいかい?もう一度!」
何度もハミングするバリーに3人が加わり、そして「When your life ...」のコーラスが始まり、うわ〜っ!まさかライブで「Jupiter」演るとはっ!?
と、驚くのもつかの間、あの曲のダイナミックさにライブの疾走感、荒々しさが加わって、これがもうっ!カッコいいっ!!
アンコールはなかったけれど、う〜ん、満足っ!
「まさか『Jupiter』を演るとは思わなかったよ!」
久々のフューチャーヘッズのライブに興奮さめやらぬ状態で、ライブ後のロスに話すと、「ははっ」と笑って、
「でもライブのエンディングにピッタリだろ?だけどあの曲をライブでやる時は本当に神経を使うんだ。静かになると皆がザワついちゃうだろ?その中で音を取るのがすごい大変なんだよ。」
あ〜っ、だから曲を始める前にバリーがあんなコト言っていたんだ!「教会だから」なんて言うからギャグかと思っちゃった。
「『The Connector』も大好きっ!」
「うんうん!あれも実は大変なんだ(笑)リフがめちゃくちゃ早いから、演奏が終わった時には腕がつりそうでさぁ。」
と、笑いながらブンブンと手首を振るロス。はははっ、ほんとにニューアルバムの曲は大変なんだねぇ。
「今回はどのライブに来るの?ロンドンまで?今回のツアーはセット・リストを変えるから、この後のライブで『Stop The Noise』とか『Sun Goes Down』も演るからさ。楽しみにしていてよ。」とロス。
マジっ!?それはめちゃくちゃ嬉しいっ!でもねぇ、
「日曜日のマンチェスターのライブは行かないんだ。土曜日に『Live at Leeds』フェスに行って、日曜日は『Camden Crawl』フェスに行くから。」
「そうか。今年の『Camden Crawl』はどんなバンドが出るの?」
「えっ?なんだろう・・・全然覚えてない。」
と答えたら大笑いのロス。
「まぁ、雰囲気を味わいに行くんだね?(笑)」
まぁ、そんなトコですね(苦笑)
ロスは相変わらずなジェントルマン。もっともっとお話ししたいけどそうも言ってられず、ワゴン車に楽器を積み終えたメンバー達とお別れ。
「今日はグラスゴーに泊まるの?いいなぁ。俺達は今から車で3時間かけて帰るんだよ。」とロス。
「えっ?ニューカッスルとグラスゴーはそんなに遠いの?」
「うん。道路がねぇ、単線で真っ暗な山道をひたすら走らないといけないからキツいんだ。」
そうなのか〜バリーがグラスゴーに住んでいるのならもっと気軽な距離かと思っていたよ(今も住んでるのかな?聞きそびれたけど。)
「気をつけてね。じゃあ次はシェフィールドでっ!」
そして私はといえば歩いて5分のホテルに到着(笑)
やっぱりフューチャーヘッズのライブって最高だぁ!あさってはCamden Crawlなんかよりマンチェスターでの彼らのライブに行きたい〜っ!でも・・・Camden Crawlの40ポンド(約6千円)以上もするチケットを捨てられない中途半端な自分が悲しい・・・。