ロンドンから鉄道で約2時間。4日振りのフューチャーヘッズのライブはイングランド中部の都市シェフィールドです。
LEADMILL
今回の旅行は毎日が最高気温が10度程度で、北国イギリスとしてもかなり寒かったのですが、しかしシェフィールド中央駅を出ると、なんだか一段と寒いような・・・。小雨な上に風まで吹いてグラスゴーより寒い(涙)
夕方、ライブ会場に向かうとまたしてもバリーに遭遇。
「昨日のマンチェスターはどうだった?」
と聞くと、
「グレートだねっ!」
とニンマリと笑うバリー。
くそぉ、やっぱりヘッズさんのライブに行けば良かったかも・・・。
本日のライブ会場Leadmilは中央駅のすぐ近くにあるレンガ作りの建物で、倉庫を改造したような1000人程のキャパのクラブ。
会場に入って「おっ、けっこう広いじゃないの」なんて油断していたら、女の子集団が脇目もふらず突進してきて、いきなりロス前の柵にズラリと。あれ?あれ?・・・
もうっ!ロスったら女の子にモテモテなんだからぁ(笑)
そんな訳で本日はジャフ前にポジションを確保。しかし・・・バリー前から埋まっていくことがないなぁ(苦笑)
そして今回のツアーのサポート・バンド、Postellesが登場。
NYのバンドですが、あまりNYっぽさは無く、普通のアメリカ系インディー・ロックって感じかな。ラモーンズの「Beat On The Black」をカバーしたりしてましたが、う〜ん、もう一歩だなぁ。
そして2番目のサポート・バンドはDutch Uncles。
バリーが仲良しのマンチェスターのバンドだそうで、「フィールド・ミュージックがパンクをやってるみたいで、すっごくいいバンドなんだよ!」とロスが絶賛してたのでちょっと期待していたのですが・・・いやっ!これがめちゃくちゃ良いっ!
確かにフィールド・ミュージックのようなポップ・センスに、FOALSみたいな変則リズム。そこに(マンチェスターというコトで)MAGAZINEみたいなパンクっぽさを混ぜた感じかな?すっごく良い!!お勧めですっ!
ただ一つ、難点を言わせてもらうなら・・・ルックスがねぇ(苦笑)それから(マンチェスターですから)イアン・カーチス風というか、江頭2:50チックというか、ボーカルの動きがすっごいヘンで気になってしょうがなかったです。
フューチャーヘッズのサポートといえばこれまでにもField Music、The Maccabees(今ではイギリスじゃヘッズさんよりずっとビッグだ)、Johnny Foreigner、DANANANANAYKROYDと、いつも面白いバンドが見られるので、これも楽しみのひとつ。
新しいバンドが発見できないかと「Live at Leeds」や「Camden Crawl」に行ったのに、ヘッズさんのサポート・バンドで充分でした(苦笑)
でもメインのフューチャーヘッズが当然、一番のお楽しみっ!!
大歓声とCheap Trickの曲の中、メンバーが登場!
「HELLO, LADIES & GENTLEMEN !! ARE YOU READY TO ROCK ?!」
とカッコつけたバリー!デイヴと目を合わせ、いざ「The Chaos」!!・・・と、思いきや、
「おっと、忘れてた!イングランド北東部サンダーランドから来たフューチャーヘッズですっ!」
と大慌てで自己紹介。あはは、気が抜けるぅ。
気を取り直して、
「FIVE ! FOUR! THREE! TWO ! ONE ! GO !!」
と始まった「The Chaos」っ!・・・と思いきや、
うわぁ、ジャフのベース音しか聞こえないっ(苦笑)
このポジションはジャフのアンプの真ん前だったのか。以前のロンドン・ライブではロスのギターしか聞こえなかったけど、今日はジャフのワンマン状態ってことね。
え〜い、そんなコトいいやっ!と、再び気を取り直した途端に今度は演奏がブツッと途切れた。あれっ?
「ごめん」
マイクに向かってあやまるデイブ。あっ、デイヴが間違えちゃったのか!
「いいから続けろ!」と手振りで指示するバリ−兄ちゃん。すぐに息を合わせて曲に戻る4人。こんなコトでヘコたれません。
曲後に「昨晩のパーティの酒が残ってんじゃないの?」なんて突っ込みをされていたデイヴでした。
でも、そこからは「Heartbeat Song」のイントロに大歓声。高速「Robot」もカッコ良いっ!シェフィールドの観客は新旧どの曲でも盛り上がって、雰囲気良いぜっ!
おまけにロスの独唱によるフットボール・アンセムまで飛び出し、スタジアムで隣の人がこんな低音ボイスで歌ってたらメロメロだわぁ、なんてウットリしてたら「俺はフットボールなんて全く興味ないぜ」と水を差すのはやっぱりバリー(苦笑)
「次の曲は1stアルバムと2ndの間にリリースされた・・」
「Area !!」
「正解っ!10点!」
なんてファンとのやりとりも飛び出す。
どの曲もパワフルで疾走感のある今のフューチャーヘッズのパンク・サウンドに消化されていて、もう勢いが止まらないっ!ただしジャフのベース音しか聞こえてませんが(笑)
髪もヒゲもモジャモジャのジャフ・・・でもライブで見ると、あれっ?かなりハンサムかも!?体型もスマートになってるよね?(さすがロンドン・マラソンに出場しただけはありますな。)
いやぁ、ジャフ・ファンの皆様から「何をいまさらっ!?」と怒られそうですが、今のジャフはミュージシャン的ハンサムでちょっと惚れ直すかもよ?
初めて聴く「The Baron」や「This Is The Life」もレコードより荒削りで、そこがまたカッコいいっ!バリーの手拍子で始まるロスの「Work Is Never Done」もカッコいいし〜っ!久々の「He Knows」は当然の大合唱(この曲はやっぱりジャフ前がいいよね。)
そして「Piece of Crap !」とリクエストが飛んでくると、
「あのさ、一度くらい『お願いですからPiece Of Crapをやって下さい』って言ってみろよ!」
とバリーが言い返した途端、場内が静かに(笑)
「なんで言えないんだよっ!」と苦笑するバリーでした。
そして、そして
「みんなが上手く歌えるんだって証明しろよ!ドッグ・ゲームをやるぞっ!」
このバリーの呼びかけで次の曲が分かるのがフューチャーヘッズのファンだっ。
「こっちはミスター・ロス・ミラードのパートを歌ってくれ!」
「こっちはジャフのパートだ!」よっしゃ〜!!
そして「オーッ!オッ!オッ!」のロスの雄叫びで始まる「Hounds Of Love」はロス、ジャフ、バリー、すべてのパートで大合唱でした。
ところがっ!曲の間にステージに投げ込まれた靴を拾い上げたバリー。
「靴がどんな匂いするのか知ってるかっ?」と、いきなり匂いを嗅ぎ出すもんだから、うええっ!「ん〜っ、チキンとマッシュルームを煮込んだような・・・」うっげえええっ!!
「最後の曲だけど、最初の20秒だけできる限り静かにしてくれ。」
とバリーのお願いに続いてはじまるハミング。これで場内は「おおっ!やっちゃうのか!?」な空気に!ニューアルバムの曲もすでに聴きこんでるシェフィールドの観客は「Jupiter」で盛り上がりました。
で、引っ込んだかと思ったら、アッと言う間に再登場のヘッズさん。アンコールする時間もないほど(笑)いやいや、勿体ぶらなくて彼ららしいや(彼らに関しては何でもポジティブに解釈)
4人の懐かしいコーラスで始まるけれど、凶暴バージョンな今の彼らの「Le Garage」!
そしてロスが叫ぶ!「WHAT A PIECE OF CRAP !!」
「ピース・オブ・クラァップッ !! 」(拳振り上げ)・・・って、もう脊髄反射だわ(苦笑)で、今回はジャフのベース・プレイを満喫したのでありました(苦笑)
いや〜っ、やっぱり単独のライブだとファンの反応が良いねっ!そしてそんな反応の中だとメンバーも楽しそうだっ。
さてさて、ライブ後に物販ブースでDutch UnclesのCDを買いました。
アルバムと一緒にBBC 6でのスタジオ・ライブのCD(と言ってもCD-Rですが)を買うと、店番のボーカルが「これはね、ジャケットが手書きなんだよ」とか色々話をしてくれたのですが、う〜ん、なんだか彼の英語がよく聴き取れない。マンチェスター訛りはそんなに苦手ではないはずだけど、と思いながら「フン、フン」とうなずいていたら、いきなり「分かった、じゃあサインをしておくね」といきなりジャケにサラサラと・・・あれ?あれ?いつの間にそんな話してました?(苦笑)
会場の外ではタバコを吸いにきたバリーが、残っていた5、6人のファンの男の子達と話をしてました。ライブの余韻を引きずって、バリーもファン達もすごく楽しそう。
私もお話したかったけど、まだまだ追っかけ旅行は続くのに、ここで風邪を引く訳にもいきませんので、今日は帰ります。
ではまた明日っ!