DOCTOR WHOなつぶやき

イギリスのSFドラマ「ドクター・フー」の話題を拾った時につぶやいてます。

Nov 2018

10月からスタートした新生「ドクター・フー」!総合プロデューサーに、ドラマ「ブロードチャーチ」を手がけたクリス・チブナルが就任し、ジョディ・ウィッテカーが初の女性ドクターとして登場!


ターディスも新調されました / BBC

本国イギリスでも評判は上々・・・なのですが、正直、個人的にはあまり面白くないのです・・・。

良く言えば、これまでのシリーズの中でクリス・チブナルが脚本を担当したエピソードと同様に、分かりやすく古典的なSFの世界。でも、悪く言えば、話のスケールが小粒で、オーソドックスな印象なのです。ラッセル・T・デイヴィスのようにユーモアに溢れてハチャメチャなストーリーでもなく、スティーブン・モファットのように奇想天外・トリッキーでありながら、ヒューマニズムや切なさ、ロマンチックさを感じさせたストーリーでもない。この2人の「ドクター・フー」を見た後では、古典的SFでは物足りないんです・・・。音楽もマリー・ゴールドからSegun Akinolaに交代して、テーマ曲が復古的なシンセサイザー・サウンドに変わりましたが、以前のようなワクワク感が無い(涙)ドラマの中の音楽も昔のB級SF音楽みたい。クララが月夜の螺旋階段を駆け上がるシーンのように、音楽と映像が融合した幻想的で美しいシーンはもう見られないのかな・・・。

そして、キャスティングがダイバーシティに配慮されているのは良いんですが、そういったテーマがあまりにストレートにストーリーに織り込まれると、やや説教くさく感じてしまいます。そしてクリス・チブナルは「家族」をテーマにしたストーリーが得意と言われいて、今回の「ドクター・フー」でもやたらと家族の話が入ってきて・・・う〜ん、そのテーマはいらない(苦笑)

ジョディ演じるドクターはチャーミングなんですが、ただ、マット・スミスやピーター・カパルディが演じた強烈な個性のドクターに比べると、まだまだ弾けっぷりが足りない・・・。


ドクターっぽいんですけどね / BBC

古典的な「ドクター・フー」は、根っからのSF好きなファンには受けが良いのかもしれませんが、”SFファン”ではない「ドクター・フー」好きには今のシリーズは辛いかも・・・。

なので、気分を変えて、別のBBCドラマを観てみました。「ドクター・フー」のクララ役でお馴染み、ジェナ・コールマン主演のサスペンス・ドラマ「THE CRY」。これがかなり面白かったんですよ!お勧め!


ジェナ・コールマン主演 THE CRY / BBC

ジェナが演じるのは、生まれたばかりの息子の世話で育児ノイローゼー気味の母親ジョアナ。子供のせいで社会から孤立して、精神的に疲弊していく脆く弱々しい彼女と、その一方で、冷静に精神鑑定を受け、感情を一切見せずに被告席に座る彼女が同時に描かれて行きます。そしてストーリーは、彼女のパートナーが、元妻から娘の親権を取り戻すため、オーストラリアへジョアナ達を連れて向かったところで事件が起こります。

ジョアナを追うマスコミやSNSのように、ドラマを見ている私たちも彼女への疑いと同情の間を揺れ動き、「きっと、こんな展開になるんだろう」なんて予想は次々と覆され、そして最後に待ち受ける大どんでん返し!交差する時系列とスリリングな展開にグイグイ引き込まれます。個人的にはサスペンスは苦手なのですが、そんな事を忘れさせる程の良質なヒューマン・ドラマです。


ジェナが良いんですよ! / BBC

そしてジェナ・コールマンも素晴らしい!自分の子供への愛憎を抱え、知的だけど不安定で脆く、自分の意思を強く持てずにいつも周りに流されてしまうジョアナという女性を、繊細に美しく演じていて、とても良いですよ!でもジョアナも元小学校の先生という設定なので、ジェナは基本的に先生タイプなのかな?

ところで、マット・スミスが次の「スター・ウォーズ」に出演するという話はどうなったんでしょうね?

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