DOCTOR WHOを観るためのデジタルな話

イギリスのSFドラマ「ドクター・フー」にハマってから知ったのは、映像というものに関しては、デジタルの世界はやたらと規制が多いという事です。

ハマった当時は11thドクターのDVDも日本では発売されておらず、Huluなどのネット配信もありませんでした。そんな中で「ドクター・フー」を観る為に突破してきた数々のデジタルの壁について、ここでは書いてあります。基本は2012年に書いたので内容が古くなっていますが、アップデートできる箇所は追記しています。

世間の大半の人たちからすれば、ホントーにどうでも良いようなコトでしょうが(苦笑)、同じように「ニッチ」な世界にハマってしまった方々の参考になればと思ってます。

<その1>11thドクターをブルーレイ・ディスクで観たい!
<その2>マット・スミスを大画面で観たいっ!
<その3>ドクター・フーを(できるだけ)リアルタイムに観たいっ!

<その1>11thドクターをブルーレイ・ディスクで観たい! part 1

【March 2012】

日本で放送されていない11thドクターを観るためにイギリス盤DVDを買ってますが、最近ではブルーレイの値段も安くなってきているので「そろそろ乗り換え?」と考え始めたところ、ここにちょっと面倒な「壁」がありました。

まず、海外のDVDを観る場合、再生方式の違いと「リージョン・コード」に気をつける必要があります。

日本とイギリスはTVの走査線の数が違うため、日本のDVDはアメリカと同じNTSC方式、イギリスはヨーロッパで主要なPAL方式という再生方式を採用してます。さらにDVDには「リージョン・コード」と呼ばれるコード番号が国ごとに割り当てられていて、これは海外のDVDが観られないようにアメリカの映画会社どもが考えた姑息な手段なのですが、DVDディスクと再生するプレイヤーの間でこのコードが一致しないと再生できません。

しかし、日本とイギリスのリージョン・コードは同じ「2」で設定されていて、おまけにパソコン向けDVDプレイヤーはたいていNTSCもPALも再生できます。さらにリージョン設定を解除した「リージョン・フリー」と呼ばれるDVDプレイヤーも手頃な価格でインターネットで通販できるので、イギリス盤DVDを観るのは、それほど難しくありません。

ではブルーレイ・ディスク(以下BD)の場合は?

BDの場合、日本とイギリスでは異なるリージョン・コードが設定されているので、UK盤BDを観るためには基本的にリージョン・フリーのBDプレイヤーが必要です。しかし「ドクター・フー」のBDはリージョン・フリーなので、この問題はとりあえず無視(勝手な進行)(CAUTION !! 2016年の第10シリーズ以降はリージョン・コードがかけられています!! また、現在販売されている過去のシリーズのBDにリージョン・コードがかけられているかどうかは未確認です。

そしてNTSC/PAL問題はアナログの規格なので、デジタルのBDには存在しません。

「と、いう事は、『ドクター・フー』のBDを観るのは簡単!?」
いえいえ、代わりに「50i Specs」という厄介な規格があるのです。

Amazon UKでBDを探すと時々、「これは50i Specsなので60i Specsのプレイヤーでは観られません」と注意が書かれています。

「50i Specs」はフレーム周波数というものらしく、日本などNTSC方式の国は基本的に60i Specsですが、イギリスなどPAL国には50i SpecsのBDが存在しているのです。そして「ドクター・フー」のBDは50i Specsなのです・・・

そして日本のBDプレイヤーでは50iのBDは再生はできない・・・はずなんですが、ところがメーカーが内緒にしてるだけで、実は50i Specsが再生できる機種があるらしく、おまけにこの50i SpecsのBDは、UK盤の中でもBBCドラマぐらいしか該当しない少数派らしく、そのためリージョン・フリーの機種でも50iの再生についてはあまり説明されていないのです。なので、調べていく程、どのプレイヤーなら再生できるのか訳が分からなくなってくる(汗)

それならどうすれば良いか?

とりあえず「ドクター・フー」のUK盤BDを買っちゃえばいいのだっ!ジェロニモーっ!!

我が家のPanasonicのBDレコーダーが50iを再生できるかもしれないし、ダメだったら、それからリージョンフリーのプレイヤーを買えばいい。ディスクを先に買ってしまえば、プレイヤーを買う勢いもつくだろ。

そんな訳で届いた「DOCTOR WHO」第5シリーズ BD BOX SET(右)
ケースが小さいところがハイテク感満載(笑)

さっそくBDを我が家のPanasonic BDレコーダーに入れてみたところ・・・・うおおっ!再生できたぁ!!

「これ、再生しちゃっていいのかな〜?」と悩んでいるみたいに、ディスクの読み込みにちょっと時間がかかりますが、再生に何の問題もないっ!いやぁ、やってみるもんだ。

しかもBDなんて映像がきれいなだけだと甘くみてたら、DVDでは気づかなかった映像がはっきり見えるんですよ!! 7歳のアメリアの部屋に現れたATRAXの目玉に、ドクターたちの姿が映りこんでいるなんて気づいてました??CGチームの芸の細かさにビックリ!

ただし、このレコーダーでの再生は、縦方向の動きが少しカクカクします。エンド・ロールや、カメラが上下にパンする映像、例えば「THE TIME OF ANGELS」のオープニング・シーンで、カメラが上空からマイク・スキナー(警備兵)の顔に降りてくるシーンでちょっと気になるかも。

そしてもうひとつ注意すべき点が。一部のEXTRA映像が再生できませんでした。

「STANDARD EXTRAS」と書かれているVIDEO DIARYやTRAILERSが再生できず、そして「IN VISION COMMENTARIES(コメンタリー)」も単に本編が再生されるだけで、コメントの映像も音声も再生されません。

「STANDARD EXTRAS」が再生できない・・・

と、やや微妙な感じですけど、結論!

PanasonicのDIGA DMR-BW690で、50iの「ドクター・フー」のBDは(だいたい)再生できるっ!・・・
限定的すぎて役に立たない情報ですね(苦笑)

と、こんな感じで、華やかに(?)BDライフに突入!・・・と思っていたら、第6シリーズのBOX SETでは、再生画面がおかしくなるバグがあるらしい(画面上下で明度が極端に違うバグ。)Amazon UKのレビューを読む限りでは、バグというより、再生プレーヤーとの相性のように思えますが(確かにそれもバグですけどね)BBCは郵便での交換で対応しているらしく、え〜、バグったらイギリスまで返品!?キツイなぁ・・・でも「THE GIRL WHO WAITED」を早くBD画質で見たい・・・。

と、まだまだBDに関する悩みは尽きないのです。

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