29 April 2016 ■The Tindersticks■ at Barbican Center London

ロンドン滞在2日目はノッティンガムのベテラン・バンド、ティンダースティックス(The Tindersticks)のライブ。ヨーロッパの場末の酒場感満載な彼らはウチのダンナさんがもっとも好きなバンドの一つで、今回の旅行のメインの目的はこのライブだったのです。

ニューアルバム「The Waiting Room」が発売され、ツアーが発表されたのが昨年の11月。でもツアーまでは半年以上もあるというのに、早々にチケットが発売開始となり、ほとんどの会場が座席指定のホールばかりなので、行く気満々のダンナさんは次々と売れていくチケットを見ながら毎日オロオロ(苦笑)しょうがないのでとりあえずロンドンのバービカン・センターでのチケットをゲットし、「ゴールデン・ウィークなんだよ!航空券も早く予約した方が良いよ!」と落ち着かないダンナさんのため半年も前に旅行の日程が決定しました。

今回のライブ会場は、ロンドンの中心から少し東側のシティ近くにあるバービカン・センター(Barbican Center)という総合芸術センター。1980年代の再開発で作られた「バービカン・エステート」というコンクリート打ちっ放しのアパートが並んだ地区の中にあり、クラシックのコンサートからロック、演劇、そして今回訪れた時には図書館でパンク40周年記念のエキシビジョンをやっているという、サブカルからクラシックまで「なんでも来い!」な芸術センターです。

20年以上前にここを訪れた時は、レンガ造りの建物が立ち並ぶイギリスとはちょっと違う雰囲気と相まって、最新のおしゃれな芸術センターなんて雰囲気でしたが、今はこの無機質な建物が時代を感じさせてしまう。でもライブ会場となるホールに向かって半地下を降りていくと、絨毯が敷かれた広々としたスペースに大きなソファーがいくつも置かれ、やや年齢が高めでアートに詳しそうな感じの人達が開場を待ってる。普段行っているライブとずいぶん雰囲気が違う・・・こっそりソファーに座って気分だけはアート系。

そんな中で一目散にオフィシャル・グッズ売り場に突撃するウチのダンナ。「Tシャツはあまり売れてなかったなぁ」って、そりゃあ周りの人達の年齢層をみれば分かるでしょ(苦笑)

日本のコンサート・ホールにあるような、バービカン・センターとコンサート・ホールの間に仕切りはなく、ホールへの入り口にそれぞれ立っている係員にチケットを見せて入場します。でも後でトイレから戻ってきた時にはチケット・チェックがなかった・・・そんな良い加減でいいのかな?とはいえ、全席指定なので、チケットが無ければすぐにバレてしまうけど、こういう昔ながらの劇場っぽい応対に、無駄にテンションが上っちゃいます。


ライブの写真はないので、代わりにバービカン・センターのパンク・エキシビジョンの様子を。
「アナーキー・イン・ザ・ライブラリー」なのです。

ホールに入ると、オーケストラの一団が収まりそうな広いステージの中央に、ちょこんとティンダースティックスのステージが準備されていました。半円形で段差のある野外劇場風な客席からは全体がぐるりと良く見えましたが、そこでハタと気づいたのが、なんと客の90%以上が男女のカップルだったのです。同性同士やグループ、一人客がほぼ皆無。年齢層が高いので既婚者が多いのかもしれませんが、それでもこの偏りはビックリ。ティンダースティックスを好きになるタイプの人は、同じ好みの人とペアになるのか?そしてゲイには好まれない何かが彼らにはあるのか??

なんてどうでも良い事を考えている内に、ひっそりと開演時間となり、ホールのドアが閉められて静かにティンダースティックスがステージに登場しました。熱狂的ファンのダンナさんによると、直前のヨーロッパ・ツアーとは構成が変更されていて、まずは昔の曲も交えた通常のライブを行い、その後でショート・フィルムをバックにそのサウンド・トラックをフル演奏しました。

今回のライブはメンバーとストリングス隊だけの最小限の構成で、ちょっと昔に戻ったような音で良いライブなんですけどね・・・でも・・・イギリス到着3日目に座ってみるティンダースティックス・・・時差ボケが残る脳ミソにライトが眩しいよぉ。どうせ彼らなんてステージではジッとして動かないんだから、と目をつぶってじっくりと音に集中・・・・うわっ!!寝ちゃったよぉぉ!だから座席指定のライブはイヤなんだよなぁ・・・・うわっ!!また寝ちゃったよぉぉ!!

何てことを繰り返した2時間でした(苦笑)くれぐれも言いますけど、ライブは良かったんですよ!でも最近は彼らのライブに行ってもついウトウトしてしまって・・・ダンナさん曰く「今のティンダースティックスも良いんだけどね、やっぱり初期の頃のライブのようなヒリヒリした感じが無いからねぇ。」

だからと言って、ライブでウトウトしちゃうというのはやっぱり自己嫌悪に襲われる・・・「それだけリラックスできる音楽ってコトでしょ」とダンナさん。いやいや、そういう問題じゃないでしょ?「それで良いんだよ。だって、居眠りしていて『ガタッ』と慌てて起きてる人があちこちにいたよ。最前列の人もウトウトしてたから。」ええ〜っ!?最前列はマズイでしょ!?メンバーから丸見えだよ!?それで良いのか、ティンダースティックスよ!?(苦笑)

ちなみに前回のティンダースティックスのライブ日記はこちら→。この日も寝てますけど。