THE FUTUREHEADS in LONDON/2007年11月

11月30日/INTERPOL in LONDON

そしてこの日の夜は、ニューヨークのバンド、インターポール(Interpol)のライブにKさんと2人でお出かけです。
デビュー当時は「アメリカ版ジョイ・ディビジョン」なんて言われていたインターポール。言葉で説明しにくいけど、こんな↓イメージの音(笑)

しかし最近は割とポップで、アリーナ級のライブをこなすメジャーバンドになりました。そんな訳で今回のロンドンでのライブもアレキサンドラ・パレス(Alexandra Palace 通称アリ・パリ)という7000人クラスの会場です。

ロンドン北部の郊外にあるウッド・グリーン駅に地下鉄で到着した時、外は本降りの雨になっていました。
そして小高い丘の頂上にあるアリ・パリまでバスに乗って坂道をズンズンと登っていきます(ちなみにこの丘の反対側にザ・キンクスのデイヴィス兄弟の故郷であるマスウェル・ヒル(Muswell Hill)があります、と言ってもただの住宅地だけど。)

しかし雨のせいでバスの窓ガラスが曇ってしまい、外の風景が全く見えません。
「う〜ん、これではどこで降りればいいか分からない。」
「黒い服を着た人がチラホラいるから、彼等と一緒に降りればいいんじゃない?」
と、いうことで、彼等の動きをさりげなく観察。しかし途中で降りてしまう黒服もいたりしてそのたびに焦ってしまう。すると、
「うおっ、ゾクゾクと降りていくよ!」
と、慌てて彼等と一緒にバスを降りると、うわぁ〜眼下に夜の北ロンドンが広がっているよ。きれいだなぁ〜と、思って後ろを振り返ると、おおっ!アレキサンドラ・パレスに到着だぁ!

ビクトリア調の巨大なレンガ作りのアリ・パリが雨の中でライトアップされていました。19世紀に作られたアリ・パリは、建物もさることながら、エントランスにヤシの木が植えられていたりして「大英帝国」時代の雰囲気を残した趣のあるホールです。

しかしそれを味わう間もなく、会場に突入して柵前を陣取りました。
それから1時間、じ〜っと柵にもたれていた訳ですが、すぐ後ろではオヤジが売店で買ったビールとハンバーガーを味わっていたりして、私も飲みてぇ・・・。
「このわずか数十cmの距離の違いのために私達は苦労してんだねぇ」
と、Kさんと苦笑い。

この日は日本人の女性がボーカルをつとめるアメリカのバンドがサポートでした。あまり好きではなかったので名前も覚えてません(苦笑)でもインターポールのメンバーは彼女達がとてもお気に入りらしくて、最後の曲にはボーカルのポールと(確か)ドラムが飛び入り参加してました。

「そういえば、Pearl Jamのドイツでのツアーをインターポールとフューチャーヘッズがサポートしたんだよね」と、Kさん。
「それ、おいしいよね〜。」
「このライブに行っていたら、思わずヘッズさんたちに聞いちゃうよね、『インターポールのメンバーってどんな感じ?』って(笑)」
「うはは。インターポールのサインを頼んじゃったりしてね、デイヴに(笑)」
「でもなんか『オッケ〜いいよ〜』と、あっさり言われそう。」

と、バカな話しをしていますが、ライブは予定より1時間ほど押していて、すでに10時近く。やっとインターポールが登場しました。

そしてインターポールといえば、やっぱりベースのカルロスでしょう!
腰を低く落としてベースを弾く彼のスタイル!
そして常に「なりきり」のファッション・センス!

デビュー当時はメンバー全員でお揃いの細身の黒スーツでしたが、2ndアルバムの時には、肩掛けガンホルダーにペットリした7:3分けヘアのナチス将校風SMチックなファッション。それが今回の3rdアルバムではなぜかいきなり20世紀初頭のイギリス男子なファッション。
「おまえは『アナザー・カントリー』か『モーリス』でも見たのかっ!?」
とでもツッコミたくなるようなチョビ髭がブキミぃ。

こんなファッションが
こんな風になって
ついにこんなコトに!

私はインターポールの単独ライブを見るのは初めてでしたが、まぁ淡々としたライブはフェスティバルと変わらない(苦笑)
インターポールは大好きですが、しかし曲が全部同じに聴こえてしまうのが玉に瑕(苦笑)ライブもかっこいいんですが、なにしろ一日中歩いていたので疲れもたまっていて・・・だんだんと・・・記憶が・・・なくなっていってしまい・・・ました。

がっ!ハッと気がついた時に、いきなり大好きな「Not Even Jail」のイントロが始まって、「うぉ〜っ!」と目がパッチリ。
そこからはちゃんとライブを見ましたよ。

で、やっぱり私もKさんもカルロスに釘付け。
あのファッションは今年のサマー・ソニック・フェスティバルで見て、すでに免疫はできていましたが、ミョ〜に「しな」を作って前に歩みで出てくる姿や、クルクルッと手を回してお辞儀をする姿にはもう大受け。なりきってますなぁ。

しかもライブが終わると、アンプの上に置いてあった皮の小さなバッグを斜めに掛けて引っ込んでいきました。
ス、ステージにバッグ持参??何が入っていたんだ??
「たぶん以前はガンホルダーに煙草とかを入れてライブをしていたから、その代わりだと思う」とKさんの説。
確かに突然煙草を出してくわえているよね。んで、なぜか一曲ず〜っと後ろを向いて演奏していたり。ほんとに不思議ちゃんなカルロスは目がはなせません(寝ちゃったけどね。)

ライブが終わって外に出ると、バスを待つ大行列ができてました。
最近はライブの時は臨時バスが出るようになったみたいですが、以前はほとんどのお客さんが歩いて駅まで帰りました。雨もあがったし、バスを待つより歩いた方が早そうだね、という事で丘を下り始めました。

しかし、以前は大勢の人と一緒に歩いていれば駅にたどり着けましたが、今回は歩く人はちらほらとしかいません。しかもその数少ない人たちも途中の駐車場に消えてしまう。
でも、途中で少し迷いつつもバスの行く先を見ながら、なんとか駅までたどり着きました。20分ほどかかって、バスとどっちが早かったのか・・・よく分からないけどね。

なんだかよく歩いた一日でした。