フューチャーヘッズを見るためだけの(苦笑)超マイナーUK夏フェス巡り。最終日は最大の難関ロウチェスター・フェスティバル(ROWCHESTER FESTIVAL)です。
なぜここが難関なのかと言うと、とにかく交通機関がないんですよ(汗)
このフェスティバルは英国北部スコットランドのイングランドとの国境地帯(?)スコッティッシュ・ボーダー地方(SCOTTISH BORDER)で行われたのですが、まぁ田舎なんだろうとは予想はしてました。
それでも最初はこのフェスのサイトを見て
「なるほど、ロンドンからBERWICK UPON TWEEDという街まで鉄道で行き、そこからGREENLAWまで路線バス、そしてフェス行きのシャトルバスに乗ればいいのか。」
なんて気楽に考えていました。
ところがその路線バスが日に6本ぐらいしかないような超ローカル・バス・・・しかも最終が夕方6時・・・つまりヘッドライナーのヘッズさんを見ていたら確実に路頭に迷うってコトです。
昨年の写真を見ても、とてつもなくローカルなフェスらしくお客さんもまばら。はたしてそこまでしてヘッズさんを見に行く価値があるのかっ!?
私:「ここに行くのはちょっとキツそうだねぇ。このフェスだけやめようか?」
ダンナ:「そうだね、うんうん!(ちょっと嬉しそう?)」
私:「でもこのフェスをやめるのなら、スコットランド観光は行かないよ?」
ダンナ:「え〜っ!?(ダンナはスコットランドに行った事がない)いやいや、行こうよっ!!ヘッズさん見ようよ!」
なんて夫婦の駆け引きの結果、飛行機とレンタカーでこのフェスに行くことが決定!そこまでしてでも行きますよっ(笑)
そして7月15日(金)16日(土)17日(日)と開催されたこのフェス。ヘッズさん登場は土曜日でした。
前日はメジャーなラティチュード・フェスティバル(LATITUDE FESTIVAL)へ出かけ、ノリッジ(NORWICH)に宿泊。そして早朝、ノリッジ国際空港から約1時間半のフライトでスコットランドの首都エジンバラ(EDINBURGH)に到着。ここで予約しておいたレンタカーを借りました。
5年程前にイギリスでレンタカーを借りた時はカーナビなどなく、「目的地までの地図は営業所がご用意いたします!」なんて予約サイトに書いてある言葉を信じて行ったら、出された地図はイギリスの半分が載った超広域地図だった、という苦い思いでがあるので、今回はちゃんとカーナビをオプションで予約しておきました。
ところがっ!携帯カーナビを取りにいった営業所の店員さん、
「ごめんなさいねぇ、このナビ、壊れているわ」と苦笑。
ちょ、ちょっと待て!ヘッズさん達も場所が分かっていない(笑)ロウチェスターにナビ無しで行けというの!?
「大丈夫よ、地図をあげるから!」
と、店員さんが出してきた地図はまたしてもスコットランド全域地図(苦笑)だから必要なのはその中の5cm四方くらいなのよぉ。
世界遺産エジンバラ 英国で最も美しい都市のひとつ
ともかく借りたイギリス国産車VAUXHALLのマニュアル車に乗り込み、何度もエンストをおこしながらも空港から出発したのですが(運転手は私)案の定というか、道を間違えてはUターンの繰り返し。あげくに方角を間違えてまた空港まで逆戻りしそうになったり(苦笑)
イギリスの道路には「ラウンドアバウト(ROUNDABOUT)」という、交差点がロータリーのような一方通行の環状の道路になっているところが多くあります。中の車に注意しながら進入してグルっと回り、自分の行きたい方角の道で出て行けば良く、日本のガイドブックなどでも「出口が分かるまでグルグル回っていればよい」と書かれています。でもね〜実際はそんなに上手くはいかないんだよね。出口に迷うような大きなラウンドアバウトはすでに行き先で走行レーンが決められているのでグルグル回ってなんていられないのです。グルグルできる小さなトコなんて最初から出口に迷わないからねぇ・・・。
それでもエジンバラ郊外のバイパス高速を抜け、緑の丘が続くスコットランドの田園風景の中を走る頃には、運転にも少し慣れてドライブ気分を味わえました。
スコティッシュ・ボーダー地方
エジンバラから南に60kmほどのところにある小さな田舎町グリーンロウ(GREENLAW)を通り抜け、車を運転していては見落としそうなほど小さな「Rowchester Festival」と書かれた看板が差す脇道に入っていくと、車1台が通るのがやっとの細い田舎道。
「ほ、ほんとにこんなトコでフェスやってんの??」と焦るほど延々と走って行った先に小さな石作りの門があり、その中がロウチェスター・フェスティバル会場でした〜たどり着けたぁ!
ロウチェスター・フェスティバルは今年で5年目となるフェスですが、周りになんにもないだだっ広い緑の牧場(多分)の一角に地主様のお屋敷らしきマナーハウスがあり、その前庭らしき敷地がフェス会場。アガサ・クリスティのドラマなどに出てくるイギリスの貴族の邸宅の庭で行われるガーデン・パーティの舞台でフェスをやっている感じかな。う〜む、これ・・・地主様が趣味でやってるのか?(笑)
Rowchester Festival
晴れていたら最高に気持ちがいいフェスだろうけど・・・とうとうこの日は雨。しかもかなり激しい雨が降ったり止んだり。すでに足下はグチャグチャ。
だからお客さんもほとんどいない。近所の家族連れが来ているだけ(苦笑)
小さな屋外ステージは機材にブルーシートが掛けられ、演奏が始まる気配もない。
バーのあるテントの中にはこれまた小さなステージがあり、そこでちょうどライブが始まったのですが・・・どう見ても演奏してるのは小中学生(苦笑)そういえば駐車場にはお父さんに連れて来てもらった子供達が楽器を持って沢山いたな・・・って、まさかこんな学芸会(失礼)が続くの??ほんとにここにヘッズさんが出てくるの??こんなに客がいないのに?やっぱりこんなトコまで来るべきじゃなかったの?(涙)
だめだ、雨は心が折れる〜。彼らの演奏だって言う程悪い訳じゃなく、天気が良ければ昼寝でもしながらのんびり聴けましたよ。でも足下ドロドロの中ではムリ。なのでフェスのスタッフにフューチャーヘッズの出演時間を尋ねると、
「彼らは10時からだよ。だからそれまでには帰ってきてね!」
と笑っていました。出演時間を聞いただけなのにそこまで心を読まれたか(苦笑)
・・・人がいない(苦笑)
ひとまず予約しておいた隣村のB&Bへ向かい、夜の8時頃にまた会場に戻ると、あれっ?駐車場のワゴン車から黄色のジャンパーを着た人達がゾロゾロと降りて来た。もしかしてセキュリティー?!フューチャーヘッズのために!?お客さんなんていないのに!?(笑)
と、思いきや、メインステージでも演奏が始まっていて、お客さんもずいぶん増えて(といっても200人くらいだけど)ステージ前でけっこう盛り上がってるじゃないですか!
そんな時、PAテントの前で1人リズムをとっているおニイちゃんがいると思ったら、あらあら、バリーじゃないですか!?
「ひでえ天気だよなぁ?フジ・ロックの時みたいだ。」と笑うバリー。
雨は小降りになっていたけど、スコットランドは緯度としては北欧に近いくらいなので気温はおそらく14、5度ぐらい。
でもバリーは長袖Tシャツ姿なんだな(苦笑)確かにイギリスはタンクトップの人の隣にウールのコート姿の人がいるような国で、何を着ていようが誰も気にもしないのですが、それでも思わず
「寒くないの??」と聞いてしまう。すると
「え?全然寒くなんかないよ。むしろ暑いくらいだな〜」
と、いきなりTシャツをまくり上げるバリー。脱がなくてもいいってば(苦笑)
彼らのサンダーランドはここから南に1時間ほどドライブしたあたりなので、こんな気候には普段から慣れているか。
で、フューチャーヘッズの近況をバリーに聞いたところ・・・
現在は例のアカペラ曲を集めたアルバムの制作中で、10数曲ほど録音が済み、もう2、3曲録音して秋頃にリリースするそうです。
でも普通のアルバムをレコーディングするのは当分先になるとのこと。
「デイヴが別バンド(Hyde & Beast)でしばらく忙しいからね。」
しかも「彼のバンドはまだ聴いてない?ダウンロードできるから聴いてよ!すっげえイイからさっ!」と、珍しく(?)弟をベタほめするじゃないの、と思っていたら、バリー自身もこのバンドのライブ・メンバーみたいです(笑)
そして最近はバリー自身もエレクトロ・ミュージックを作ったり(「ダンス・ミュージックってコト!?」と驚いたら「違う、違う」となぜか転げ回るほど大笑いしてた)オジさん達とジャズ・バンドをやっていてけっこう忙しいんだってさ。
そのジャズ・バンドではボーカル&ギターをやっているそうで、
「え〜、バリーが椅子に座って演奏するなんて想像できないよ〜。」
「頭を使って想像するんだよ!」
そこまでしなきゃいけないのか(笑)
「だって最近はステージ上ですごく動くじゃない?」
「ああ、そうだね。2年ぐらい前まで足をひどく痛めていたんだよ。それで思うように動けなかったんだ。」
「もうこんな感じでさぁ〜」と、いきなりおジイさんのごとく腰を曲げてヨロヨロ歩くマネまでして、ステージを降りてもバリーはよく動くなぁ(笑)
以前痛めた肘も調子が良いそうで、今はどこも悪いトコロがなく「神様に感謝さ!」と手を合わせておりました。
と、こんな感じですでにテンション高めのバリー。ライブ期待してますよっ!
こんなトコにヘッズさんが登場するとは思えなかった(苦笑)