二日目の朝はちょっと肌寒いくらいの雨模様。雨具を持ってこなかったダンナさんは街でビニールポンチョを購入。ついでに薄手のセーターも買いました。長靴も履いて会場へ向かおうとすると、街の大通りでフェスティバル会場への直行バスを発見。1ポンド(約160円)でバスの中でWifiも使えると書いてあるので乗ってみたのはいいけど、このバスがレディング駅をグルっと廻るかなり大回りなルートだったので、結局会場に着くのに30分もかかったのです。歩いた方が早かったよ(苦笑)
そしてこの日はヘッドライナーがEMINEMだったので、バスの中からすでにラップ系の観客がウジャウジャ。パンクだろうがラウド系だろうが「ロック」のファンってヤツならどんなタイプでも大抵平気なんですが、このラップ系の方たちというのは何か空気が違うねぇ。
それはともかく、会場に着く頃には雨もやみ、レディング2日目はNME BBC 1 STAGEでTHEME PARKからスタート!
想像していた音楽と違って(勝手にロックっぽいギターバンドと思っていた)ヘアカット100とかを思い出すようなちょっとおシャレなブリティッシュ・ポップといった感じ。悪くないんだけど好みではないなぁ〜と観ていたら、外がいきなりのどしゃ降り。ひえ〜っ、テントの中のライブで良かったと思いきやっ!いきなりテントの天井の穴から滝のような雨がドバーっと!テントの意味が無いだろっ(苦笑)でも雨漏りはその一カ所だけで、雨もすぐに止みましたけどね。結局この3日間のフェスで雨にあったのはこの時だけ。朝や夜中は雨でしたが、フェスの時間は天気に恵まれました。
DRENGE
そしてそのままNYから来たDARWIN DEEZを観ましたが、こちらはやや70年代風ロック。ルックスも「ハゼ・ヘンドリックス」(分かる奴だけ分かればいい(苦笑))
あまり好きではないのでFESTIVAL REPUBLIC STAGEに移動すると、ここも(バンド名は覚えてませんが)かなりヒドいスケーター・パンク。
と、やや低調な出だしの二日目でしたが、この次に出てきたDRENGEはすっごい良いバンドでしたっ!名前ぐらいしか知らなかったバンドですが、まるで「ふたりQUEEN OF THE STONE AGE」?兄弟2人のドラムとギターだけの構成なのに、それを感じさせないような爆音とパワー!ロンドンのラフ・トレード・レコードでも絶賛されていた彼等のアルバムもとても良かったので興味のある方はぜひ聴いてみて!でもルックスは地味なんだな。客席でうろうろしていたボーカル&ギターの子を見かけましたが、ライブの時のTシャツのままなので分かったけど、着替えてたらきっと気づかなかったよ(笑)
SWIM DEEP
なんて、数少ないインディー・ファンたちの拍手喝采を浴びたDRENGEのライブが終わった途端、テントの中に観客がウジャウジャと。しかも山のような女の子たち!な、何が始まるの??と思えば、次は話題のニューカマーSWIM DEEP。BBCラジオも大プッシュしていたバンドで、80年代後半の「キャンディ・ポップ」と言われたギター・ポップみたい。キャッチーなメロディーの「KING CITY」なんて大合唱でしたが、でも・・・メンバー全員でお花を持ったアルバム・ジャケットもまさにキャンディなイメージですけど、実際のメンバーは・・・(苦笑)
と、集まったニイちゃんネエちゃん達はSWIM DEEP目当てだったのか、なんて思っていたら、彼等のライブが終わった途端、さらに皆がステージ前にギューギューと殺到してきた(汗)テントの中は女の子達で溢れかえり、セキュリティは慌てて隣のパンク系テントに応援を呼びに行く始末。「今度は何だよ!?」と思いきや、登場したのはこれまたBBCでよく流れていたTHE 1975でした。こ、こんなに人気があったの?!
黒づくめでちょっとマッチョなイメージとは違って、音はダンサブルでONE DIRECTIONみたいなアイドルが歌ってもおかしくない程のポップ・ソング。小さなFESTIVAL REPUBLIC STAGEのテントはとんでもない盛り上がりで、それに応えてテンションが上がっていくTHE 1975。観客とバンドの勢いが化学反応のように高まっていくこのライブはすごかった!このバンドがビッグになった時、きっと「あのレディングでのライブ」と呼ばれるような、そんな伝説になるかもしれないライブでした。ただ・・・音楽がどうしても好みじゃないんだよな(苦笑)
すごい人気だったTHE 1975
そのまま次のDIIVを観るつもりがいきなりキャンセル。なので、これ幸いとばかりにNME BBC 1 STAGEのJOHNNY MARRへダッシュ!
説明不要でしょうが、元ザ・スミスのギタリストです。最近リリースされた初のソロ・アルバムが人気なんですが、でも・・・普通のオアシス系ロックで、そんなに騒ぐほどのモンなのかと思ってましたが、ライブもまぁそんなモン(笑)メドレーかと勘違いしそうなくらい次々とスミスの曲を演奏し、観客は大合唱。でもなぁ、いくらジョニーがスミスの曲を演奏しても結局はカラオケなんだよね・・・。スミス時代のようなギター・リフが聴ける訳でもなく、ごくフツーのロックですし。何だかんだ言ってもモリッシーは腐ってもモリッシーですから、彼が歌うスミスの曲の方が単純に楽しいかも。しかし、イギリスでは10代の子たちでも「THERE IS A LIGHT THAT NEVER GOES OUT」を歌えちゃうんだね。ARCADE FIREが「STILL ILL」をカバーした時の日本の観客の静けさとは大違いだ(涙)しょうがないのは分かってますけど・・・。
SPLASHH
で、またFESTIVAL REPUBLIC STAGEに戻って、また話題のニューカマー(こればっか)のSPLASHHを観ました。前のバンドがキャンセルになってしまったせいで、かわいそうな程ガラガラな客席でした。音楽としては90年代のシューゲイザー系というか、それにしても最近のイギリスのバンドはこの頃の音に近いものが多い気がするよなぁ。ファッションも、マッドチェスター以降ブリット・ポップ以前の頃のような雰囲気で、長袖Tシャツだったり、真ん中分けの長髪だったり。このバンドもSWERVEDRIVERなんかを彷彿とさせる雰囲気。ちょっと苦手なんだけど、でも何曲が良い曲もあったのでアルバムを聴いてみようっと。
フェス会場への荷物の持ち込みについてはオフィシャル・サイトに詳しく書かれていますが、実際に会場で驚いたことなどを書いておきます。
【ドリンク】
アリーナ・エリアにビンや缶は当然持ち込み禁止ですが、ペットボトルも未開封のもの(Sealed bottle)しか持ち込めませんので、歩き疲れて入場前につい封を開けてしまわないように気を付けてください。キャンプ・エリアからアリーナ・エリアに入るエントランスでしっかりチェックされます。会場の中でも水は購入できますけどね。
【カメラ】
プロフェッショナル・カメラ(一眼レフ)や望遠レンズ付きカメラは持ち込み禁止と書かれていますが、カメラに関しては一切チエックがありませんでした。なので一眼レフで客席から撮影している人もいましたし、セキュリティも何も言いません。15年前のレディングでは私も一眼レフでステージを撮影したので、長年レディングは写真撮影OKというスタンスなのかも。
とはいえ、持ち込みに厳しいフェスもありますし(同じ主催のラティチュード・フェスでは小型ミラーレス一眼でもあれこれ言われました)レディングでもいきなり方針が変わる可能性もあるので、あくまで参考として考えておいてください。
メイン・ステージのFOALSを観ながら、NME BBC 1 STAGEに移ってオーストラリアから来たTAME IMPALAのライブです。2ndアルバムがNMEの2012年年間ベストアルバムに選ばれた彼等ですが、でもぉ、サイケっぽいんでしょ?ハード・ロックっぽいんでしょ?そういうの、苦手だなぁ・・・なんてちょっと食わず嫌いしてましたが、ライブはカッコ良かった!くどくない程度にハード・ロックとサイケで、それでいて今っぽい音。やっぱりライブを観なきゃバンドは分からないね!
LUCY ROSE
そしてまた大急ぎでFESTIVAL REPUBLIC STAGEに戻って、LUCY ROSEのライブ。BOMBAY BICYCLE CLUBのアルバムやライブに参加している女性フォーク・シンガーで、「Next LAURA MARLING」なんて言われてますが、そんな呼び名に思いっきり中指を突っ立てた写真が載るような女の子。どんなキツい性格のネエちゃんが出てくるのかと思いきや、意外や意外!めちゃくちゃ小ちゃくてキュートな女の子でした。バックバンドの音でごまかさず、あくまで柔らかな歌声と繊細なギターとメロディーのフォーク・ソング。女の子の等身大の音楽という感じですっごく良かったですよぉ。個人的にはLAURAよりずっと好きです!
引き続き女性4人のポスト・パンク・バンドSAVAGES。いやぁ、めちゃくちゃカッコ良いっ!カミソリのように鋭い彼女達の音で一瞬にしてテントの中の空気が張りつめ、呼吸もできないような緊張感のライブ。クルーカット・ヘアにハイヒール姿の中性的なボーカル。彼女の演劇的な雰囲気と、対照的に化粧っ気も洒落っ気もなく(失礼)ひたすら音と対峙するかのようなメンバー3人のストイックさ。これがたまらなくカッコ良い!アルバムは聴いていたけど惚れ直しました。余談ですが、この日のフェスティバルの帰り道で、キャンプ・エリアでこのボーカルを見かけました。イギリスの女の子達が皆はいてる超ショートのパンツにナマ足というファッションで、普段はこんな格好なのか!?とちょっと意外でしたが・・・それより何で出演者がキャンプ・エリアなんかウロついているんだよ(苦笑)
SAVEGES
と、女性陣に圧倒された後は、この日のシメにNME BBC 1 STAGEでALT-Jです。去年の3月の頃にはこちら→で書いたロンドンの駅でのライブ・イベントにも出演していたような彼等でしたが、昨年リリースされた1st アルバムがMercury Prizeを受賞した途端、人気バンドに。そんな訳でこの日もテントは超満員。しかも10代の子達が彼等の曲を大合唱なんてイギリスならではの雰囲気。でもこの1stアルバム以外の曲になると皆、途端におしゃべりを始める。おいおい、露骨過ぎるぞ(って、私も人のことは言えませんが。)そして最後はテント中に舞う花吹雪。いやぁフェスティバルらしいエンディングで良いねっ。
花吹雪舞うALT-J
Alt-Jが終わったのが夜11時頃。本日のヘッドライナーEMINEMもちょっと観たかったけれど、さすがに足がヘロヘロ。それにあのラップな方々に巻き込まれてしまってはたまらないと、そそくさと会場を後に・・・と言いたいところですが、またしても道に迷い(苦笑)結局はラップな方々の流れに逆いながら、ヘトヘトになってようやく会場を脱出・・・すると今度はホテルへの帰り道でバリバリなスキンヘッズの集団に遭遇(汗)(スキンヘッズは極右/レイシストを象徴するファッションなので日本人は近寄っちゃダメですっ。詳しく知りたい方は映画「THIS IS ENGLAND」を観よう。)こっちをチラチラと見てくる彼等から離れて歩き、彼等が角を曲がった後は前を歩く家族連れに急いで追いつき、は〜っ、ちょっとドキドキでした。ロンドンと違って深夜のレディングはフェス期間中でも人通りが少ないので、帰りが心配な方は会場の外にあるタクシー乗り場などを利用するといいかも。
ライブ開始時間が載った詳細なタイム・テーブルは、オフィシャル・サイトには掲載されませんし、会場でも掲示されませんので、会場で売られるパンフレット(10ポンド)を購入して、ネック・ストラップ付きのタイム・テーブルをゲットしましょう。フェスに限らず最近のイギリスのライブは時間厳守で行われるので、このタイム・テーブルはとても便利。
「でも10ポンドはちょっと高い。パンフもいらないし。」なんて方は、2日目以降ならそのタイム・テーブルをコピーしたアンオフィシャルなものを路上でダフ屋さんが格安で売っていたり、ネット上にUPされるものを利用してもいいかも。ただし今年見かけたネット上のタイム・テーブルでは誤記が多いものもあったので、そんな危険性もありますので、会場で首からぶらさげている人に見せてもらうか、写真に撮らせてもらうのが一番確実かもね。