THE FUTUREHEADS Acoustic and A Cappella set
at St.Pancras Station / 2012年3月22日

フューチャーヘッズがロンドンの駅でアコースティック・ライブ!

イギリスとヨーロッパ大陸を繋ぐ鉄道「ユーロスター」の発着駅、ロンドンのセント・パンクラス・インターナショナル・ステーション(ST.PANCRAS INTERNATIONAL STATION)
この駅で去年の夏から始まった「ステーション・セッションズ・フェスティバル(STATION SESSIONS FESTIVAL)」では数ヶ月に渡り、駅の構内で毎日無料ライブが開かれてきました。そして再開された今年はフューチャーヘッズのアコースティック&アカペラ・ライブでキック・オフっ!フェスのオープニングとなる彼らのライブを見てきましたぁ!


と言っても、私もそんな無料ライブを見るためにわざわざ渡英しません。しかも4月からは彼らのアコースティック・セットのツアーがあるっていうのに(涙)

でも4月は時期的に渡英が難しく
「ジャフがチェロを弾くのかぁ〜見たいなぁ(涙)」
なんて悔しがっていたところ、偶然、ハマりまくっているイギリスのSFドラマ「ドクター・フー(DOCTOR WHO)」のファンイベントが3月にカーディフで開かれることを知り、UK音楽ファンだったのが突然(韓流ならぬ)英流オバちゃんに豹変、思わず「チケット購入」をポチっと(苦笑)100ポンド以上(約14000円)もするチケットを買っちゃった訳です。
(このファンイベントの様子に興味がある方はこちらへ→

そんな経緯で決まった渡英でも、それでもなんとかヘッズさんのツアーを見られないか考えましたが、2週間も滞在するのはムリ。その上、ヘッズさんどころか他に見られそうなライブが何もないという音楽ファンとしてはあまりに悲しい渡英。もう今回は英流オバちゃんに徹するか(苦笑)

なんて開き直ろうとしていたら、出発間際にこのヘッズさんの駅ライブの情報がっ!
マジ?!だって、この日は今回ただ1日だけロンドンに宿泊する日じゃないですかぁ!(他の日はずっとカーディフ泊)うわ〜なんたる幸運!神様・・・じゃない、ヘッズさん〜ありがとう!

しかしロンドンに到着したのはライブ当日の朝5時。
深夜便を使ったため日本時間でいえば丸2日お風呂に入っていない状態(苦笑)それでヘッズさんに会うのはちょっとね。夕方にホテルにチェックインした後まずはシャワーを浴びて、それから少し早めにセント・パンクラス駅へ。


THE FUTUREHEADS at St.PANCRAS ST.

イギリス北部へ向かう鉄道が出るキングス・クロス駅。その隣にあるセント・パンクラス駅は古いレンガ作りの駅舎を大改装し、クラシックな雰囲気を残しつつ、ガラス張りのきれいなショップが建ち並ぶモダンな駅です。

去年よりまだ寒い時期に幕開けしたこのフェスでしたが、なんと3月のイギリスとは思えないような初夏の陽気(毎日20度前後の最高気温で、50年振りに記録を更新したらしいです。)天窓から差し込む明るい日差しがちょっとしたフェス気分を盛り上げてくれます。
そしてその構内のど真ん中に小さなステージが作られていて、ちょうどロスとデイヴがセッティングの真っ最中でした。
わぁ!1年振りのヘッズさんだぁ!で、2人が頬チューをしてくれ、あはは、風呂に入っておいて良かったわ(苦笑)

オールバックな髪型がすっかり定着したロスと少し話をすると、今日はこのアコースティック・セットを初めて人前で演奏することになるのでちょっと緊張してると言ってました。そうなんだ、しかも不特定多数なお客さんの前だからね。ツアーのウォームアップとしてはなかなかヘビーな環境だよね。でも楽しみっ!

「ほんとは4月のツアーに来たかったんだけどね〜」
とロスに言い訳をすると
「いいんだよ〜そんな無理しなくて。いつも来てくれるんだから今回くらいはね。」
え?「今回くらい」って?(汗)

「『ドクター・フー』が好きなんて子供っぽいでしょ?(苦笑)」
「そんなコトないさ。あれは本当に人気があるドラマだからね。」
と言ってくれるロス。やさしいなぁ
「そのイベントもきっと何千とファンが集まるんだろ?」
「うん、きっとマット・スミス(ドラマの主役)が喋るのを遠くから見るだけだよ」
「それでも行くんだ」なんて笑うロスでした。

そんなコトを話している間に、近くのマークス&スペンサーで買ったサンドイッチをかじりながらウロウロしていたバリーがやってきて、そしてどこからともなくジャフも現れ、やっとリハーサルがスタート!
と言っても、そこは駅のど真ん中。
彼らが音を出し始めると、通行人が立ち止まり、見たり写真を撮ったり。公衆の面前でのリハーサル(苦笑)そんな訳でほんとうに軽い音出しだけのリハでした。


駅構内でのリハーサル

そしてすぐに最初のバンドが登場。
Morning Rushというフェイスブックでのコンペティションで選ばれたバンドだそうで、まだ頬が赤い可愛らしい男の子たちの素朴でフォーキーなバンドでした。曲もまあまあ良いけど、「がんばれ!」て感じかな。でもヘッズさんのライブの後、隅っこでヘッズさんのアカペラをまねして「あ〜俺たちはまだまだだなぁ」て感じで笑ってました。うんうん良い子達だな。

そして次はAyah Mararという女性シンガー。
アコースティック・ギターを弾く男性と2人での演奏でしたが、ソウルっぽくないエイミー・ワインハウスというのか(それではエイミーとは言わないか(笑))そんな感じであまり好みじゃなかったなぁ。

こんな感じで、ここまでは通りがかりの駅の利用客が立ち止まって見ている程度でしたが、フューチャーヘッズの登場時間が近づいてくると、だんだんと彼ら目当てのファンが集まってきました。

そして6時半。駅も混雑し始めた時間に、ステージの裏と観客の隙間から「よいしょ」てな感じでモソッとフューチャーヘッズが登場(笑)


まずはバリーのお約束「イングランド北東部サンダーランドから来たフューチャーヘッズです!」と自己紹介。

アカペラのニューアルバム「RANT」から「BEESWING」と、昨年の夏フェスでもやっていた北東部のフォークソング「THE KEEPER」のアカペラ2曲でスタート。ヘッズさんはちょっと緊張気味と言っていたものの、彼らが見たくて集まったファン達はとってもウェルカムな雰囲気で、彼らのパワフルでハーモニーの効いたアカペラに大歓声を送ります。
突然始まったそんな雰囲気のライブに通りかかった人達だけでなく、駅の2階にいる人達もステージを覗き込んでいました。

そしてバリー、ロス、ジャフの3人はいつものノホホンとしたトークを繰り広げ、
「フューチャーヘッズでギターを弾くのは初めてだよ」なんて笑うジャフに、バリーがバンジョー、ロスがマンドリン、デイヴが4本弦のアコースティック・ベースギターを手にして、何をやるのかと思えば「HARD TO BEAR」。これがカントリーというかケイジャンというのか、友人の失恋を歌ったというあの曲をあんなにアップテンポで陽気な曲調に変えちゃって良いの?!(笑)
ま、めちゃカッコ良いからいいんだけどね。


バンジョーを弾くバリー

そして「次の曲はロスのエア・ドラムに注目!」なんてバリーのムチャ振りにロスが苦笑しつつも始まったのは「ACCAPELLA」。前の曲を引きずってるのか早いテンポに「もう少し押さえて押さえて!」となだめるバリーにメンバーも観客も大笑い。
そして間奏では低音でリズムを取っていたロスがしっかりエア・ドラムをやってくれてまた大笑い。


そしてイングランド北東部のどうしようもない酒飲み達の歌「THE OLD DUN COW」!
パブが火事になった時、逃げるどころか倉庫に行って酒を全部飲んでしまった酔っぱらい達を歌ったトラッド・ソングですが、よほど歌詞が面白いのか周りの人たちがクスクス笑ってる〜さすがにこの歌詞を全部理解するほどの英語力なんてないから羨ましいぜっ(涙)
で、曲の途中でバリーが
「次は全員で『マッケンタイヤー』って叫ぶんだぞ!全員だぞっ!」
と言えば、「誰かが叫ぶ『マッケンタイヤー!』」と歌うヘッズさんに続いてファンが皆で「マッケンタイヤー!」と絶叫!あはは、駅ライブなのに(苦笑)

ファンだけでなく通りがかりの人達も含めて皆が楽しんでいるみたいで、とてもいい雰囲気の中でのライブです。時折、駅のアナウンスが流れる中で(笑)ヘッズさんも指を鳴らし、手拍子をし、足を踏み鳴らし、アコースティック・ライブとは思えない騒々しさ。


アカペラでもギターは離さねえぜっ(笑)

バリーのアコギをバックにおなじみの「STRUCK DUMB」アカペラ・バージョン。そして「家族全員を処刑した首つり処刑人を歌った悲しい歌」というとても短いけどパワフルなアカペラ「HANGING JOHNNY」。


チェロを弾くジャフ!

そして最後は、ロスに「家具だよな(笑)」と突っ込まれるようなチェロをジャフが持ち、始まったのは「THE BEGINNING OF THE TWIST」!うわぉ!これがカッコいいっ!パンク・バージョンなロシア民謡!?80年代にザ・ウェディング・プレゼンツがやったパンク版ウクライナ民謡みたいだよ!!すげえ〜!まだちょっと合わせきれない箇所なんかはバリーの合図で懸命にやってました。ま、少しもたついたってそれも愛嬌!変則ビードってことで(笑)

そしてヘッズさんの初のアコースティック・セットは大歓声の中で終了!ヘッズさんも手応えアリって感じだったかな?

と、たった30分のライブではありましたが、すっげえ良かった〜!!

フューチャーヘッズがインストア・ライブでやるアコースティック・セットの延長のようなライブになるのかと考えてましたが、良い意味で裏切られましたよ。全く別物のアコースティックというものを彼らは見せてくれましたぁ。

アカペラでもアコースティックでも、いろんなジャンルの音楽をとりこみながらも、シンプルでハードでパンクなフューチャーヘッズらしいコアの部分はしっかりと保っている。も〜ほんとにカッコいいよ、君達はっ!!


すっかり興奮しちゃって
「4月のアコースティック・セット・ツアーが見たかったよぉ!」
とライブ後にジャフに言ったら、「あれ?来ないの?」って・・・だから私は日本に住んでいるんだってば(苦笑)(どうもジャフはこのままツアー開始まで私がイギリスに滞在するもんだと思っていたような・・・)
「そうかぁ、来れないんだ?俺たちが代わりに日本に行ければいいのにね。」
そうだよ〜来いよっ!!しぶとく生き残っているフューチャーヘッズ・ファンはいるはずだぞっ!?


ともかく今回はこれでお別れなのです。イギリスに到着した日がヘッズさんとお別れなんて初めて??
「この後も気をつけて旅行してよ。『ドクター・フー』を楽しんできて(笑)」
なんてお別れの挨拶をロスにされちゃったよ。だはは(汗)

それにしても・・・会うたびにバリーのウエスト・サイズが増えているのが気になるんですけどねぇ(苦笑)


今回のアコースティック・セット・ツアーの告知ビデオです。いいね〜っ
このSTATION SESSIONSや、ロンドンのUNION CHAPELでの映像など
youtubeにナイスな映像がたくさんアップされてます。

ST.PANCRAS STATION / SONG LIST

BEESWING
KEEPER
HARD TO BEAR
ACCAPELLA
THE OLD DUN COW
STRUCK DUMB
HANGING JOHNNY
THE BEGINNING OF THE TWIST

THE FUTUREHEADS

THE FUTUREHEADS at ST.PANCRAS STATION LONDON 22/March/2012

DOCTOR WHO CONVENTION

DOCTOR WHO CONVENTION at MILLENNIUM CENTRE CARDIFF

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