2度目のシリア旅行　2007年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、再度中東へー

7月25日 / ダマスカス散策

朝、起きると、お腹が痛い。う〜ん、アイスと昨夜食べたピリ辛料理はやっぱり弱ったお腹にダメ押しだったか・・・。

でも、この旅行も最終日！夕方のフライトでシリアを離れるので、今日はダマスカスをブラブラ。と言っても、また旧市街しか行けませんでしたけどね（苦笑）去年は、迷路のような旧市街で思いっきり迷子になってしまいました。でも、ロンプラにはちゃんと旧市街を散策するモデルコースが載っていて、これなら絶対迷子にならない、というくらいに分かり易い。これで今回は色んなトコを見て回れそうです。

まずは、昨夜ヒドい目にあった「真っ直ぐな道」からスタートです。昼間は車の往来も少なく、洋服やスパイスを売る店が並んでいます。この道を真っ直ぐ行けば、迷う事無く旧市街の反対側まで行けます。でもその周りに古いダマスカスの住宅があるみたいなので、ちょっとだけ寄り道をしようと脇道に入ってみたら・・・あっと言う間に迷子になって、結局、その古い住宅にもたどり着けませんでした（苦笑）

でも、その辺りの街並はとても古く、落ち着いた雰囲気で、ブラブラするだけでも楽しいです。この旧市街は、近代化が進んでいるため世界遺産指定を取り消される可能性があるそうですが、でも裏通りに入れば充分にダマスカスの歴史を感じることができます。

それから、この街のキリスト教区に向かいました。この１平方キロ程度の城壁に囲まれた小さな街の中に、イスラム教地区、キリスト教区、ユダヤ教区があるのです。キリスト教区には教会もあり、女性たちもブルカを被っていません。そして細い石畳の通りはどこかヨーロッパの古都の雰囲気があります。そんな裏町をのんびりと散策していたら・・・うわぁ、また迷子だよ（汗）おかしいなぁ。地図の通りに歩いているはずなんだけど。

「人の流れについていけば、スークに出るんじゃないの？」
地図を見るのは諦めて、当て所なくブラブラと歩いていたら、あっ、おいしそうなジュースを売ってる！
「お腹痛いんでしょ！？」
うん・・・水を飲むだけでもお腹がシクシクするんだよねぇ。でも空気が乾燥しているから、喉が渇くんだよね。そのジュースはレモンのスムージー（というか、シャーベット状の冷たいジュース）でした。余計にお腹が痛くなりそうだ、と覚悟して飲んだら、あれっ？痛くならない！おそらく、脱水状態の時に真水をガブ飲みして、体が吸収しきれずにお腹を壊していたんじゃないかな。なので、フルーツ・ジュースを少しづつ飲む方が体に優しいのかも。

ジュースを飲みながら、古い街並をブラブラしていくと、ウマイヤド・モスクの裏通りに出ました。ふと目に留まった小さなキリム（イランなどで作られる敷物）のお店。周りのお店みたいに呼び込みもせずに、店先の木のベンチで、店員のニイちゃんが静かに本を読んでいました。お店に入ると、このニイちゃんが次々とキリムを見せてくれ、いろいろな刺繍のモチーフを説明してくれる。
「シリア独特のキリムみたいなものはないのかな？」と、聞いてみると、
「シリアはね、洋服の刺繍がいいんだよ。たしかここに・・・」
と、図鑑を持って来て説明してくれました。この人、オタクだぁ（笑）織物とかが本当に好きでこのお店をやっているんだな。いろんな話しを聞けてとても楽しかったです。なので、イランのベドゥインが作ったというキリムのクッション・カバーを買いました。

それから、ちょっと先のマクハ（喫茶店）で、熱い紅茶を飲んで休憩。隣ではおじさんたちが集まって水タバコを吸いながら、何か盛んにゲームをしている。けっこう白熱していたので、邪魔にならないようにそっと見ていたけど、木箱の中でサイコロを振ってコインを取り合っている。ルールはさっぱり分かりませんでした。

そしてモスクの前に行くと、大勢の人が屋台に集まって、おいしそうなラズベリーの生ジュースを飲んでいました。もう一杯飲んじゃえ。
「さっきから水モノばっか飲んで大丈夫？」
ジュースなら大丈夫（笑）それにお腹が壊れても、もう帰るだけだしね。大きな氷をノコギリみたいな包丁でジョリジョリ削ってコップに詰め、絞ったばかりのラズベリーのジュースを注いでくれました。いや〜っ、おいしいっ！

そんなアラブ最大のスークの賑わいを楽しんでいたら、突然、「スーラ？スーラ？」と、ニイちゃんが話しかけてきました。スーラ（写真）？カメラのシャッターをお願いされてるのかな？「いいよ」と答えた途端、いきなり彼の一族がワラワラと、私とダンナを取り囲みました。ええっ！？なに？なにぃ？
「よ〜し、皆、こっち向いて〜！」
写真を撮って欲しいんじゃなくて、私達と写真を撮りたかったんですね（笑）スークの大混雑の中で、突然の10人くらいの大家族（しかも男ばっか）に囲まれて記念撮影。子供たちには「お前達、日本人と一緒だからなっ！」みたいなコト言ってるし。私たちは珍獣かよっ（笑）シリアでの最後の日に、これまたアラブ風なもてなし（？）でした。

ホテルに戻って、近くのお店でケバブを食べていると、店のTVでまたアジア・カップの試合を流していました。旅行中のあちこちで、シリアの人達は、シリア代表の試合でなくても盛んにこの大会を見てました。ほんとにサッカーが好きなんだなぁ。

ホテルのロビーでもアジア・カップです。荷物をまとめながら、見ていたスタッフに「どこの試合？」と聞くと、
「韓国だよ。韓国とイラン。」
「それならイランの勝ちだね。」
と、私が言うと、なぜか彼はすごく笑ってました。それは日本人がアラブのチームの肩を持ったから？それとも日本と韓国がちょっと仲が悪いのを知っていたのかな？
「明日は君たちのチームがサウジアラビアと試合をするよ。」
「あ、そうなんだ。う〜ん、難しい試合だね。」
と答えると、また笑ってました。

そしてタクシーでダマスカス空港へ。
「またシリアに来たいなぁ」と、ダンナ。
うん。まだまだ行きたい所があるしね。レバノンにも行きたいし。
「来年、また来ようか？」
「え〜っ！？さすがに来年は別のところに行きたいよ。来年はモンテネグロだな。」
「え〜っ！？モンテネグロぉ！？どうやって行くの？」
・・・調べてみます。
＜続く・・・・のかな？＞