2度目のシリア旅行 2007年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、再度中東へー

7月23日 part 1 / ユーフラテス川を見に ラサファ遺跡

今日は東に向かってユーフラテス川を見にいきます!でも、今日はワリドさんにセッティングしてもらったツアー。だから、あれこれ考えなくていいです。自力ツアーもいいけど、やっぱり疲れます(苦笑)

朝食を食べていると、「買ってきたよ!」と、ワリドさんが今夜のダマスカス行き夜行列車のチケットとパスポートを持って来てくれました。
「朝8時に駅に行ったけれど、すぐに売り切れたみたいだよ。」
えっ!?そんなに人気のある列車なの?自分たちでは買いそびれていたかも(汗)

今日はワリドさんのいとこ(去年とは別の人)の運転でのツアーです。そして朝10時に彼の車で出発!いとこサンは英語は話せませんが、自宅から用意してきた木の実や温かい紅茶を振る舞ってくれました(ハイウェイを運転しながら、ポットからガラスのコップに紅茶を注いでくれるのよ(笑))車はちょっと古めなヒュンダイのバンで、すこしお尻が痛いけど、順調に砂漠のハイウェイを走っていきました。

途中で「ビーハイヴ・ハウス」と呼ばれる古い家が残っている村に寄りました。名前の通りハチの巣のような土の円錐型の古い家がいくつも残っていて、車を降りると、あっという間に村の子供達が集まってきました。


 集まる村の子供たち

「スーラ?(写真)」と、カメラを出すと「私を撮って!」「僕が先!」と、大騒ぎ!ダンナも携帯を取り出して二人で子供達を撮影してると、そこら中の家から次々と子供たちが出て来て、気がついたら2〜30人の子供達に囲まれてました(苦笑)頃合いを見計らって、「バイバ〜イ!」と彼等を振り切り、また出発しました。

最初の目的地はラサファという遺跡でした。実はこの遺跡については何も知りませんでした。ロンプラには紹介されていましたが、写真がないのでイメージが湧かず、さほど興味もありませんでした。しかし、ワリダさんに勧められ、「まぁ、ついでだから寄ってみるか」程度の気分で向かいました。

ところがっ!
「うわああ〜っ!え〜っ!?何なの、あれっ!?」
何も無い砂漠の中に、朽ちかけた城壁が延々と続いている。ラサファというのは城壁都市の遺跡でした。元の姿がほぼそのまま残っている巨大な石門の前で降ろされました。


巨大なラサファの遺跡

中は1キロ平方弱ほどで、取り囲んでいる回廊のような城壁は、ほぼ完全に残っていました。そして2mほど深く発掘された場所には、通りの石畳や、その両側に立ち並んでいた建物の土台など、都市の跡がはっきりと残っていました。でも、それはほんの一部で、他には教会などの建物が2、3あるだけ。何もない平らな地面が広がっていて、きっとこの足下には、何千年も昔の人達が暮らしていた都市が眠っているんだろうなぁ。シリアでは地面の下にまだ数百もの都市の遺跡が眠っていると言われますが、それを実感しました。


静けさの中のラサファ遺跡

入った時には2、3人の観光客がいたけど(こんな場所では物好き同士(?)で思わず挨拶してしまう(笑))気がつくとダンナと2人っきり。そしてそのダンナもどこかの建物の中に入っていってしまい、気がつくとまたあの耳が痛くなるような砂漠の静けさが・・・と、思ったら、どこからかバイクのエンジン音が。バイク??


当時の繁栄を感じさせます

するとバイクにまたがったアラブ服のニイちゃんがやってきて、
「チケット!」
あ、入場料を集めにきたんだ。でも細かいお金がないよ。彼もおつりがなくて、
「外のカフェにいるから、帰りにそこで払ってよ。」
あまり人が訪れないので、必要な時だけカフェの人がチケットを売りにくるの?

遺跡を取り囲む城壁に登ると、地平線まで続く赤い大地が広がっている。シリアに来たのなら、やっぱりこの風景を見ないと気が済まないよね(笑)ワリダさんにお勧めされなかったら、こんなすごい遺跡は見られなかったし、この砂漠も見られなかったなぁ・・・でも、全く予期もせずにこんな砂漠のド真ん中に来て、水はロクに持ってないし、日差し対策も帽子だけで、また脱水症状なのか体が重くなってきた。

遺跡を出て、いとこサンと待ち合わせのカフェ(と言っても休憩所みたいな感じ?)に行って、まずはチケット代を払い、そして冷たいミネラル・ウォーターを一気飲み。は〜っ、生き返るぅ。カフェにはもう一組の観光客のカップルがいて、あれ?どこかで見たような・・・?と、じっと見ていると、
「あっ!カラート・サマーンで会ったよね!?」
そう!そう!やっぱり一昨日、Mさんと話していた人達だ!なんだ、同じようなトコを回っているんだねぇ(笑)彼等の運転手さんたちが通訳代わりになって、いとこサンやバイクのニイちゃんも交えて、しばらくあれこれお話しして、そして次の遺跡に出発しました。

砂漠の道路を北上していたら、突然、車からヘンな音がした?と思った途端、車がエンストしてしまいました。ありゃ〜(汗)これまでバスや車での旅が恐ろしいほど時間通りで順調に進んでいたので、
「アラブの旅がこんなに順調でいいのか!?(笑)」
なんて思っていたけど、やっぱりこうなるのか。

いとこサンはエンジンを見たり、さかんにあちこちに携帯している。そして「街に行ってくるからここで待ってて」という感じのコトを告げて、通りがかりの車をヒッチハイクして行ってしまいました。

「やっぱりヒュンダイだからか?(笑)」
「最近のヒュンダイはかなり品質が良いけど、この2000年頃のはなぁ。」と、ダンナ。
周りに家はあるけど、人影はまったくない。車も余り通らず、暑いんだけど、日本みたいなセミの声もなくて、ただひたすら静か。外は熱いので、車の中に座ったまま、ドアを全開にしておきました。
「はるか中東のこんな訳分からないトコでボーッとしているってのも、不思議な感じだねぇ。」
なんて、ダンナと笑っていると、いとこサンが帰ってきました。 どうやら近くの町で代わりの車と運転手を捕まえてきたみたい。

「さあ、こっちに乗って!」と、若めのニイちゃんのバンに乗り換えると、いきなり内装がコッテコテのアラビック(汗)座席もペルシャ絨毯みたいな柄のシートに張り替えてありました。
「これがアラビア仕様車?」
「まさか!こんな仕様はないよ。このニイちゃんの趣味だろ。」
いとこサンも乗り込んで、4人で再び出発しました。

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2007 2度目のシリア旅行

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番外編

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