2度目のシリア旅行 2007年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、再度中東へー

7月21日 part 1 / アレッポへ そしてカラート・サマーン


ハマのバスターミナル

2日目はシリア第2の都市アレッポへ。

ホテルの人にバス・ターミナルの名前をアラビア語で書いてもらい、それを見せてタクシーに乗りました。昨日と同じターミナルなのに、なぜかタクシー料金は半額でした。ボラれてたのかっ?(苦笑)

ハマのバス・ターミナルは人も少なくて落ち着いた雰囲気でした。これなら落ち着いてチケットが買えそう。

シリアには民間の長距離バスの会社がいくつかあり、どうやら並んでいるチケット売場はそれぞれの会社のもののようです。適当に3、4軒の売場に聞いてまわると、アレッポ行きのバスが2便ありました。早い方のバス(でも1時間後)のチケットを買うと、料金はたったの200円程度。安いっ!


行き先が読めない・・・

ベンチに座って出発時間を待っていると、通りすがりの人たちが皆、口々に「どこに行くんだ?アレッポ?このバスだからな」と、世話を焼いてくれる。

時間になり、アレッポに出発。ダンナはすぐにグーグーと寝てしまい、私は飽きもせず、外の砂漠を見て喜大はしゃぎ。そしてこのバスでは、ハリウッド系アクション映画を車内のTVで流していました。昨日のバスはアラブのコメディ映画だったけれど、シリアでアメリカ映画が見られるんだと、ちょっとビックリ。

2時間程でアレッポのバス・ターミナルに到着しました。シリアのバス・ターミナルは、たいてい郊外にあり、ここも街のなのかさっぱり分かりません。そしてお約束のように、客待ちしていたタクシーの運転手たちに囲まれました。
「1人1ドルでどうだ?」高いっ!
「じゃあ、男が100SPで、君は50SPだ!」
あれ?ちょっと待て?と、考えている間に荷物を積まれてしまい、ちょ、ちょっと待って!!
「1人50SPで!!」
「いや、だめだ!100と50!」
すると他の運転手が「いやぁ、1人50がいいとこだろ」みたいに口を挟んできた。あんたはその料金で行ってくれるの?と、言おうとした途端、「うるさい!商売の邪魔すんな!!」とばかりに2人が大げんか。あ〜もうっ!結局、半ば強引にそのタクシーに乗せられ、150SPを払いました。よくよく考えると150SPは約300円・・・最初の2ドルより高くなってるじゃないかぁ!!

ともかく、今回もアレッポでのお宿はバロン・ホテル。ロレンスが滞在したことでも有名な老舗ホテルで、「この料金でこの程度?」という意見もあるけど、でも彼がいた時代の雰囲気が感じられるこのホテルが好きです。それにロンプラに「ラウンジにはロレンスの領収書が飾られている」と書かれていて、えっ!そんなの、見てなかったよ!おまけにロレンスが滞在した部屋を見ることもできるらしい!となると、やっぱりここに泊まっちゃうでしょ(笑)


アレッポ再訪

レセプションでチェック・インしていると、バルコニーの方から大きな人影が・・・。あれ?もしかして?
「お久しぶりです!また来てくれたんだね!」
あ〜っ、やっぱりワリドさんだ!
「覚えてます?」
「もちろん覚えてますよ!パルミラまで行きましたよね!」
そうそう!このホテルのスタッフ(支配人?)のワリドさん。去年は、彼にパルミラ遺跡までのツアーをお願いして、彼のいとこと4人で、かなり強行なツアーをしたんだよね。

大きな体に白い髭のワリドさんは変わってませんでした。早速、今回もワリドさんにカラート・サマーンという遺跡までのミニ・ツアーをお願いしました。アレッポの郊外にある教会の遺跡で、別にロレンスと関係があるのではなく、ただ、シリアのビザと一緒に送られてきた4枚の絵はがきの中で、この場所だけ行ってなかったので(苦笑)そんなに遠くない場所なので、夕方4時に出発することにしました。2人で50ドル。個人でのツアーをチャーターすると高くなってしまうけど、しょうがないね。

ホテルで少し体を延ばしてから、さっそくアレッポの街へ。(去年と同じく、またスーク(市場)に行っただけで、アレッポ観光が終わっちゃったけど(笑))でも、アレッポのスークは活気があって楽しいです。


アレッポのスーク 仕立て屋通り?

金属のお皿をリズミカルに鳴らすジュース売りが雑踏の中をねり歩き、狭い通りを人や荷車やロバが通っていきます。

そして、去年はほとんど見かけなかった外国人観光客も、大勢スークを歩いていました。しかもアレッポ城に行けば、観光バスがずらりと。やっぱり去年はレバノンの紛争が影響して観光客が少なかったんだなぁ。

そして驚いたのが、去年は必ず「日本人?」と聞かれたのが、今年は「中国人?日本人?」と聞かれました。確かにシリアにくるフライトにもビジネスマンらしき中国人が何人もいたなぁ。すでにこんなトコまで!恐るべし、中国人!

ともかく、今年はアレッポ石けんをどっさり買うぞぉ!アレッポのオリーブ石けんは日本でも有名ですが、去年は、旅の初めにアレッポに来たので、荷物になるものはあまり買えなかったんだよね。

アレッポのスークでは、スパイス屋や雑貨屋の店の奥に石けんが積まれています。そんな一軒に寄ってみると、直ぐに「どれだけ?1キロ?」と聞かれる。おっと、キロ売りかっ!アラブではスパイスや果物などはキロ単位売りで、そして1キロより少ない時は「1/2キロ」など分数で表すそうです。だからアラビア語でトライっ!
「ロバァ(1/4)キロ!」
うっ、通じないっ(汗)発音が悪いのか?
必死に「ロバァ!ロバァ!」と言ってもダメだぁ。え〜い、面倒くさいっ!
「ノッス(1/2)キロ!」
これは通じたぁ!!1/2キロでも巨大なアレッポ石けんでは2コくらい。でも値段は2〜300円くらい(日本なら700円前後)なので、この後はあちこちの店で「ノッス」買いしました。


スークの中の共同水飲み場

あとは、お土産用に小さな石けんを買いたいなぁ。去年は、土産物屋っぽい石けん屋が並んだ通りで買ったけど、アレッポのスークは巨大で、どうやってそこまで行ったのか全く覚えてません。何度も同じ通りを行ったりきたりしながらも、なんとかたどり着きました。

「お土産用?こんなのもあるよ」と、のぞいた一軒で見せられたのは、アレッポ城がプリントされた化粧箱に入った石けんでした。うっひゃあ、モロ土産物だっ!意外と観光化されてるんだねぇ。

そのお店であれこれ見せてもらっていると、「そうそう、日本人だろ?今、君の国のチームが試合してるよ。」と、こっちに向けられたTVでは、日本対オーストラリア戦の真っ最中でした。そういえばアジア・カップをやってたんだ!すると、
「日本に勝って欲しいよね。日本は強いしさぁ。それにオーストラリアは『アジア』って感じじゃないかならぁ(笑)」
「シリアはどんな調子?」
「う〜ん、弱いよ。お金がないからしょうがないけどね。」
「でも、去年はホムスの街のチームが・・・」
「ああ!アジア・チャンピオンズ・カップか?でも、結局、優勝したのは韓国のチームで、シリアは準優勝だからね。やっぱり弱いよ。だから、俺が応援するのはアレさ!」
と、店の奥を指差すと、そこにあったエンブレムは・・・
「えっ!アルゼンチンっ!?」
「そうっ!俺が応援するのはアルゼンチンさっ!!」
「じゃあ、サビオラとか?」
「そうそうっ!バティストゥータとかね!そして何と言っても、ディエゴ・マラドーナぁぁぁぁ!!」
他のお客さんをほったらかして、ニイちゃん、興奮しすぎ(爆笑)

「シリアの中にもアルゼンチン・ファンとブラジル・ファンがいてね。その間でケンカになったりするんだよ。」と、とても楽しそうにサッカー話しをするニイちゃん。シリアの人たちも熱いねぇ。

そんなニイちゃんの向かいの店は、おじいさんが店番する日用品屋でした。ふと見ると、店先に昔ながらの小さなほうきがありました。以前に見た雑誌の中で、ファッション関係の人がシリアで購入したと、こんなほうきを紹介していて、それが意味なく悔しかったので、さっそく購入(笑)何に使うという訳でもないけどね。

すると店番の渋いアラブ服のおじいさんが「これはどうだ?」と、ヤシか何かの繊維で作ったボディブラシを持ってきました。「あっ、背中を洗うのにいいっ!これ欲しい!」と、ダンナが大喜びで買いました。となると、調子に乗ったジイさんは次から次へと色んな生活用品を持ってきて(笑)いえいえ、もう充分ですってば。

とにかく楽しいアレッポのスークでした。

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2007 2度目のシリア旅行

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