2度目のシリア旅行 2007年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、再度中東へー
7月20日 part 1 / 水車の街ハマへ
1年振りのダマスカス空港はやっぱりボロボロでした。
去年は入国審査にひどく時間がかかったのに、なぜか今年はあっさり通過。これならスムーズに空港から出られそう、と思いきや、荷物が全然出て来ませんでした(苦笑)
去年はシリア国内での移動はチャーターした車を利用しました。でも、今回はできるだけ公共交通機関を使おうと決めていたので、まずは空港バスを探さないと。そして今日はハマという街まで一気に行きます。
「その前にトイレ!」「あっ、両替しなきゃ!」
用事を済ませて、空港の観光案内に行くと、おじさんがすっごく暇そうに新聞を読んでいました。空港バスの乗り場を聞くと、
「バス乗り場はすぐ外だよ。でもバスの出発は5分後で、次の便は2時間後だから急ぎなさい!」
5分後!?大慌てで外に飛び出し、私がチケットを購入している間にダンナがバスを足止め(?)して、なんとか無事バスに乗ることができました。いきなり焦ったぁ。

シリアの空港バス・・・じゃありませんよ
バスは大きくて、クーラーも効いて、なかなか快適。しかも荷物代を入れても、2人で100SP(1シリア・ポンドは約2円)。タクシーなら10ドル以上取られるので、かなりお得です。
30分程でダマスカス市内に入り、バスターミナルらしき所に到着しました。皆が降りていくので終点かと思いきや、いきなり乗車口で運転手と客のニイちゃんが怒鳴り合いを始めてしまい、降りるに降りれない(汗)どうもバスの到着地が違うと喧嘩してる気がするけど・・・じゃあ、ここはどこなの??おまけに残っていたお客さんたちも、また席に戻っちゃうし。ここが終点じゃないの??
私達がオロオロしてると、他のお客さんたちが、一斉にアラビア語で何か言ってくる!あわわ!でも、口々に「フェーン?フェーン?(どこ?)」と言ってる?どうも私達がどこに行きたいのか聞いてくれてるみたいだ。
「ガラージュ!アウトブス・イッラー・ハマ!(バスターミナル!ハマ行きのバス!)」
と答えると、「分かった」と言わんばかりに、全員に「座れ」と手で合図されました。ちょっとひと安心、と思ったのもつかの間、やっぱり全員バスを降ろされてしまいました。
結局、ここはどこなんだ?
すると、運転手とバスにいた男性に呼ばれ、彼が停めたタクシーに荷物をのせられてしまいました。
「えっ?私たち、ハマだよ?ハマ!」
と言うと、「大丈夫!分かってる!」と言わんばかりに皆ニコニコ。まっ、いいか・・と、乗りこむと、結局、バスターミナルに行くその男性が、タクシーに同乗させてくれたのでした。タクシー代を払おうとすると、「いいから!いいから!」と、笑顔で去っていってしまった。親切だなぁ〜。
ターミナルの入口に立つ強面の治安警察(たぶん)にパスポートを見せると、「Welcome To Syria!」と、ニッコリ笑顔に変わりました。
ところが中に入ると、ボー然!ある程度は予想していたものの、マジで右も左も分からない(汗)とにかく混雑してる上に、全てがアラビア語で書かれているので、何がなんだか見当もつかない。並んでいる店がチケット売場らしいけど、どこにいけばハマ行きのチケットが買えるんだ??
すると突然、男性に「アレッポか?」と、声を掛けられました。
「ちがう、ハマだよ!」と答えると、
「だったら、このバスがハマ行きだ。10分後に出るからチケットを買いにいくぞ。」と、あれよあれよという間に、パスポートとダンナを持って(?)いかれてしまいました。
バスターミナルにポツンと一人で残され、え〜っと、え〜っと(汗)
ダマスカスのターミナルにはダフ屋(呼び込み?)がいるから気をつけろとロンプラに書かれていたけど、彼がそうなのか・・・?マズったか??・・・なんて思っていると、2人が戻って来て、チケットも買えていて、パスポートも戻ったので、まっ、いいか(笑)
ともかく、バスはハマに向けて出発しました。すでにヘトヘト。
シリアの長距離バスは想像以上に快適でした。日本のハイウェイバスみたい。おまけにキャンディや冷たいお水のサービスまであります。でも・・・これは水道水だよね?しかしミネラル・ウォーターも買い損ねていたし、いいや、飲んじゃえ!(で、お腹は全く平気でした。よっし!(笑))

水車の街 ハマへ
バスは北に向かって砂漠の中のハイウェイをひたすら走ります。でもハイウェイといっても、砂漠にアスファルトが敷かれているだけなので、人間は横断するし、ヤギの群れが路肩を歩いていて、とてものどか。
2時間半ほどで、ハマ郊外にあるターミナルに到着しました。そして目指すカイロ・ホテルにタクシーで向かいました。このホテルは評判の良い安宿ですが、予約はしてませんでした。というより、出したメールが戻ってきちゃったんだよね。でも、シリアの安宿は、夏なら部屋がなくても屋上に泊まることができるそうなので、「まあ、なんとかなるさ」と、気楽に考えていました。でも、空室があったので、とりあえずひと安心・・・ちょっとだけ、屋上泊を期待してはいたけどね(笑)シンプルだけど、清潔なホテルでした。