2度目のシリア旅行 2007年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、再度中東へー

7月20日 part 2 / 水車の街ハマ

ホテルに荷物を置いて、早速ハマの街へ出かけました。

水車で有名なハマの街では、中心を流れるオロンテス川に巨大な水車がありました。


雄大な水車 でも少し臭い(苦笑)

黒い水車がギーギーと音を立てながら、ローマ水道橋のような石作りのアーチから流れてくる豊富な水でゆっくりと回っていました。ずっと砂漠の中を走ってきたので、まさしくオアシスにたどり着いたような気分・・・と、感激しつつも、でも噂通り、川がちょっとドブ臭い(苦笑)

それでも周りのアラブ人たちは記念写真を撮ったり、ラクダに乗ったりと観光気分を満喫してました。

他にも水車は川のあちこちにあって、オールド・タウンの高い壁に囲まれた石畳の小径を散策していると、水車の音が聞こえてきます。他の場所では川の水も豊かで臭いもなく、あちこちで子供達が水遊びをしてました。橋の上から飛び込みをしていた子供たちに囲まれ、彼らが「スーラ!スーラ!(写真)」と言うので、バッグからカメラを取り出すと、大はしゃぎでみんなでポーズをとってました。撮った写真を液晶画面で見せてあげると大喜び。
「ありがとう〜!じゃあね!」
あれ?写真に撮られれば、それで満足なの?(笑)


記念写真を一枚

川沿いにブラブラしていると、また飛び込みをしていた子供たちが向こう岸から手を振ってきました。カメラを持って川に近づくと、また大騒ぎ。みんなの様子を撮影して「じゃあね」と、立ち去ろうとすると、
「待って!次、オレが飛び込むから!」
また少し彼等を撮影して、今度こそと思うと
「待って!待って!次はオレだから!!」
って、キリがないぞ、オマエらっ(苦笑)

街で一番大きな水車の周りなんて、ちょうど川がせき止められているので、まるで市民プール状態。しかし、水遊びをしている人達はいるけど、街の通りにほとんど人が歩いていません。金曜日はイスラムでは休日だけど、ハマはこんなに静かな街なのかな・・・?


ハマの休日

そして街の小高い山の上にある城塞(シタデル)に行きました。坂道を歩いていると、汗がダラダラ流れてくる。川の湿気のせいなのか、かなり暑い。頂上に着くと・・・あれ?なんだこれ?城塞の名残は何もなく、子供達が遊園地で遊び、木陰で大勢の家族たちがピクニックを楽しんでいる、フツーの公園になっていました。

でも、せっかくここまで来たので、公園の中を散策すると、そこからハマの街が一望できました。 薄いクリーム色の低い街並。静かに流れる川と水車。そして川に沿ってうっそうと広がる深い緑の森。ダマスカスやアレッポとは全然違う風景でした。


ハマ市街 人がいない(苦笑)

風も涼しく、とても気持ちのいい公園です。しかし・・・公園中の人達が私達を見てるんだよなぁ(汗)目が合うと誰もがニッコリと挨拶してくれて、イヤな視線じゃないけど、ここまで視線を感じるとさすがに疲れる(苦笑)という訳で、早々に公園から退散。

そして町歩きの最後に「4つの水車」と呼ばれる場所に行ってみようと思ったものの、地図ではちょうど街の反対側で、さすがにもう歩きたくない。なので、こっちをジッと見ていたタクシーを呼んでみたのですが、運ちゃんは全然英語が通じません。
「とにかく水車に行けばいいんだろ?乗れ乗れ!」
でも、やっぱり分かってもらえてなくて、
「ほら、水車だぞ。」「違う〜っ!もっと向こうに行って!」
「ほら、あれだろ?」「違う!もっと先!」
てな感じで、でもなんとかそれらしき所に到着。

しかし運ちゃんによると、この水車は、川べりにあるレストランからしか見られないらしいのです。隣の公園に入ってみると、確かに少し遠くに4つの水車が並んでいました。レストランの先まで行ってみたものの、そちら側からも見えない。う〜む、せっかくここまで来て・・・。

レストランで聞いてみると、お茶だけでも良いと言われたので、そこで少し休憩することにしました。「こんな席でもいいかな?ごめんね。」と、水車から少し離れたテーブルに案内されました。

ところが、紅茶を運んできたウェイターが「なんでこんな席に!?こっちに座りなよ。」と、水車の真横の席に案内し直してくれました。でも、紅茶しか頼んでない客なんですけど(汗)すると、案の定というか、支配人らしき人とそのウェイターがもめ始めちゃった。うわ〜すいません〜。
「あの〜私たち、元の席でもいいんだけど・・・?」と、そっと言うと、
「いや!いいんだよ!大丈夫だから座っていて!」
結局、支配人を言いくるめてくれたみたい。ありがと!


トウモロコシ売りの少年たち

水車の音を聞きながらのんびりしてると、ブルカを巻いた女の子たちが、柵を越えて水車の前まで行き、モデル・ポーズなんぞをしながらキャッキャと記念撮影してました。どこの国でも娘さんたちは可愛いらしいですね。気付いたウェイターに注意されても、「あと一枚ね」「もう一枚」と、はしゃいでました。

川の向こう岸では地元の人たちがのんびりとお茶を飲んでいて(向こう岸という手があったか!)とにかくのどかな午後でした。

ウェイターにお礼を言って店を出て、のんびりホテルまで歩いて帰りました。陽が傾き始め、公園でピクニックしていた家族たちも、同じようにのんびりと家路に向かっていました。休日の夕方という雰囲気でいいなぁ。

ホテルに帰ると、ダンナに呼ばれました。
「ほらほらっ!あこがれの屋上部屋が見れるよ!」
屋上というかベランダでしたが、天幕が張られた広いベランダに、一組のマットレスが床に敷かれていました。今夜、ここに泊まる人がいるんだね。ちょっと羨ましいけど・・・洗濯物まで見られちゃうんだよな(苦笑)やっぱムリだなぁ。

日が暮れたハマの街に夕食を取りに出かけると、うわぁ!昼間とはうって変わって、街中が人で溢れてるっ!日中の外出を避けていただけなのか?

最初に見た水車の公園に行くと、ここも人だらけ(汗)空いていたベンチに座って、買って来たケバブを食べながらライト・アップされた水車を眺めていると・・・ここでも人の視線が痛い(苦笑)あいさつされたり、手を振られたり。そして通りがかりの大家族に、英語で話しかけられました。アレッポの近くの村に住んでいて、家族で遊びにきていたそう。明日はアレッポに行くと言うと、
「僕たちの村にとてもきれいなお城の遺跡があるのに、誰も見に来ないんだよ。ぜひ遊びにきて!」
でも、なかなかそこまで行けないんだよね。ゴメン!


ライトアップもあります

初日からシリアの人々の手厚い歓迎を受け、そしてホテルに戻って、さあっ!シャワーを浴びるか!と、思ったら、「ちゃんとシャワーのお湯が出るか確認してからの方がいいよ」と、ダンナ。そうだ、そうだ、去年の旅行では、私が先にシャワーを使おうとすると、なぜか必ずお湯が出なかったんだよね。なので、蛇口をひねって待つこと5分・・・お湯が出てこない(苦笑)またかよっ!笑ってる場合じゃないぞ、ダンナっ!
「今、ボイラーをつけたから、5分くらい待ってくれと言ってたよ。」
と、ダンナがロビーで確認してきてくれました。しかし、何分待ってもやっぱり出てこないっ!他の部屋でも騒いでる音が聞こえ、もしかして、またしてもホテル全体でお湯が出ないの??うーん、水風呂を浴びるには、クーラーで体が冷えきっているしなぁ。

悩んでいると、
「下の階でお湯がでるシャワーひとつだけあるから、それを使って」
とホテルのスタッフが教えてくれました。助かったぁ。
「『全部の部屋で湯が出ないのなら分かるけど、なぜかあそこだけ出てるんだよなぁ』と、フロントの人も不思議がっていたよ。」
と、ダンナ。あ、あたしのせいじゃないぞぉ!

今日はシリア初日とは思えないほど、いろんなコトがあった一日でした。

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2007 2度目のシリア旅行

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