THE FUTUREHEADS in LONDON/2007年11月

11月30日/イースト・ロンドンへ

「今、東ロンドンが熱い!」

(笑)ともかく、そんな噂を聞き、珍しくロンドン滞在の旅行の時ぐらい観光をしようじゃないの、とKさんたちと3人で出かけました。

元々、イースト・ロンドンのリバプール・ストリート駅周辺は、ペチコート・レーン(Patticoat Lane)やブリック・レーン(Brick Lane)といったマーケットがガイドブックで紹介されています。このあたりのマーケットで山積みになった8mmフィルムを買ったらビートルズが写っていた、なんて逸話がよく載ってます。
しかし実際に出かけてみると実はただの日用品マーケット。しかも東ロンドンは基本的にガラの良くない地域(下町で人種差別もキツい)というイメージもありました。

ところが最近はこの辺りにお洒落なお店が続々と誕生しているらしく、しかもコヴェンド・ガーデンにあったインディーズ・レコード・ショップのラフ・トレード・レコード(Rough Trade Record)もこちらに移転しました(本店はちゃんとポートベローにありますので、念のため。)

ン年振りに「るるぶ ロンドン」を見てみると、おおっ、ほんとにイースト・ロンドンが紹介されてるっ!でもパンク世代のダンナなんて
「昔はブリックレーンでのライブなんて生きて帰れないかもって覚悟したもんだよ?そんなトコに行くの?」 なんて言ってくる。
いいのよっ!「るるぶ」に載ってんだから!

でもずいぶんと前に、モリッシーのこんな写真を見て

この「ホクストン・マーケット」を探してこの辺りをウロついたことがありますが、確かにあまり観光客が来るようなところではありませんでした。ほんとにそんなに変わったのかなぁ〜。

まず3人で地下鉄のリバプール・ストリート駅まで行きました。
地下鉄と国鉄(British Rail)が乗り入れるこの駅は金融街(City)へのアクセス駅ですが、以前マンサン(Mansun)というバンドがここで現金をばらまいてプロモ・ビデオをゲリラ撮影し、日本でもちょっとしたニュースになったことがあります。
「Kさん、マンサンの場所は見なくていいの?」
「そんなの、もうチェック済みよっ!」
失礼しました〜。

駅の近くにある「スピタルフィールズ・マーケット(Spitalfields Market)」はKさんいわく、 「コベントガーデンより安くて色々なお店があるよ」 とのコト。でも行ってみると、時間が早過ぎてまだお店が出てませんでした。

なので、まずはブリックレーンに移転した「ラフ・トレード・イースト」へ。

倉庫街を改装した一角で、周りの倉庫もデザイナーズ系な服屋さんに使われていて小洒落てるぅ。
移転前のラフ・トレや本店に比べると驚く程広くて、しかもすんげえキレイ(笑)。一角にはインストア・ライブ用のステージやちょっとしたカフェも常設されてる。
「うわ〜っ、すごい〜」
と、感動しつつも、ラフ・トレの品揃えはマニアックすぎて(苦笑)訳が分からないので、お勧めの中から「Vampire Weekend」や「Correcto」なんて名前を聞いた事がある程度のバンドの7インチ・シングルを何枚か試し買い。

レコードも見ずに店をフラフラしてると、
「ねえねえ、これはどう?『COOL!』って書いてあるよ。」
と、Kさんが指差したのは、ラフ・トレのロゴがプリントされたマグカップ。 カ、カッコいいのか?これが??
でもTHE SMITHS世代はいまだにラフ・トレードと聞くだけでドキドキ。買っちゃえ(笑)そしてついでにモリッシーが表紙のNME(音楽新聞)も購入。
でもKさんもラフ・トレのトートバッグを買ってました。そういう世代じゃないはずだけど・・・。

それからまたマーケットへ向かいました。
Kさんが以前訪れた時はもっとたくさんのお店が出ていたそうで、隣でインドア・マーケットらしき建物が工事中だったからかも。
ヘンなプリントのTシャツから雑貨、食料品まで色々なハンドメイド系の出店が並んでいて、その中でおかしなバッグを売る店を発見っ!見た目は普通の肩掛けバッグですが、なんとファスナーで出来ていて、「ジー」っと引っ張っていくと、バッグが一本のファスナーになってしまうっ!
3人で大笑いして思わず買ってしまいました。帰国した時のウケ狙いしか考えてません。

そしてあるお店ではかわいらしいぬいぐるみを売ってました。
スコットランドの有名な「ハリスツイード」を使って作られた動物たちです。そしてモチーフもハリネズミやウサギといったピーターラビットの世界みたいで愛らしい〜。
しかしその中で私が惚れて日本に連れて帰ってきてしまったのはブルーの瞳のカエルでした。


ケロロであります!

「名前をつけてあげてね。」
と、店のオジさんに言われたので「ケロロ軍曹」と命名!

しかしこのケロロ軍曹が異様に重いっ!朝からこんなモンを買ってしまってどうする!?

そんな感じにひとしきりマーケットのお店を冷やかしつつ楽しんだのでした。

「モリッシーが写真を撮った場所がどうなったのか見にいきたいんだけど。」
と、私のわがままな提案により、近くのオールド・ストリート駅まで散策していくことになりました。

それにしても確かに町全体にインディーズ系ファッションや雑貨の店が一杯あってずいぶん変わってました。夜はもっと賑やかだそうですが、昼間でももう以前の寂れた雰囲気はありませんでした。

「あっ!見てみて!」

シックな床屋の窓辺に犬が寝そべってる〜。かわいいぞ、この野郎!

「えっ!あれ、何??」
うわっ!ビルの屋上に地下鉄の車両が乗っかってる!?
オフィス?バー?ビルの周りをグルリと見てまわっても結局なんだか分かりませんでした。

そしてモリッシーの写真が撮られたホクストン・スクエア(Hoxton Square)に着くと、もう唖然とするほど昔の面影ナシ。
以前は小さな公園を取り囲んだ倉庫街で、私が写真を撮っていても、倉庫で働く人が「なんだコイツ?」みたいな目で見てました。それが今ではタイ料理レストランやお洒落なバー、オフィスに変わっていて、モリッシーが撮影した建物ももう分からない。

2004年の旅行で、オランダからマンチェスターへモリッシーのライブを見に行った時も、久々のマンチェスターは様変わりしていて、スミスのプロモ・ビデオに出て来た通りも変わり、アルバム「Strangeways here we come」の裏ジャケに写る交通標識もなくなっていたと友人が言ってました。
イギリスは変化しないとよく言われますがそうでもないんですね。ちょっと好況になるとこんなに変わってしまうとは。もうサッチャーだっていないんだよ。はぁ〜時代を感じる・・・。

モリッシーが写真を撮ったせいでファンが押し寄せて、よってたかって落書きしまくった(そして後日またモリッシーが来て落書きの前で写真を撮った(笑))この場所も

ロンドンのさらに東の廃墟のような場所にあったんですが、今はどうなっているのかなぁ・・・ちょっと時の流れを感じたロンドン観光でした。