THE FUTUREHEADS in FUJI ROCK FESTIVAL 08

27/JULY/2008 (Sun)

そして日曜日。
私たち3人、本日の頭の中はフューチャーヘッズ一色!

「早めにホワイト・ステージに行って最前列を確保しないとね。」
「彼らの前に出演するMystery Jetsとファン層がかぶりそうなんだよね。だからさらにその前のWrenchのライブ中からステージ前に行こう。」

そんな訳で、レッド・マーキーのオープニングのWhite Liesを少しだけ見て、そのままホワイト・ステージに急ぎました(も〜HMVブースを気にする必要もないし〜・・・。)

到着すると、日本のミクスチャー・パンク、Wrenchのライブの真っ最中。
Kさんたちがズンズンと前に進んでいくので、「えっ?大丈夫??」と心配しつつ、ついていくと、案の定というかステージ前のモッシュに巻き込まれ、苦笑いの3人でした。

彼らが終わって、人が動き出した途端にサッと最前列に紛れ込み!

フジはライブの間のインターバルが長めで、この広い会場を移動するにはちょうどいいけど、柵前でお目当てのバンドの登場を待つ身にはチト辛いです(って、待たなきゃいいじゃん、なんて身もふたもないコトは言わないでね。)

このホワイト・ステージは足下が更地なので、乾燥した砂埃で何度も眼が痛くなる。でもホースをもったスタッフが水を撒きはじめてホッとしていると、その中に自ら飛び込んで水浸しになるお祭り野郎どもに気を良くしちゃったのか、場所取りしてる私たちにまで水を浴びせてきて、コラコラぁ!(苦笑)

そんな適当な水まきだからちょっと湿り具合が甘い。「もう少ししっかり水を撒いてほしいのに」と不満に思っていると、空になんだか黒い雲がモクモクと。えっ!?そっちの水まきは遠慮したいのですが・・・。

そんな中でMystery Jetsが登場。
「テムズ・ビート」などと呼ばれた、ちょっとフォークロアなロンドンのインディー・ロック。フューチャーヘッズをクビにした(苦笑)679レーベル所属なので、彼らとは「元」レーベル・メイトなのです。

私もMystery Jetsは好きなんですが、でも、なんだか、以前見た時の(良い意味での)ゴチャゴチャ感がなくなって、あれ〜??新曲も多くて、なんだか乗りきれないぞ・・・。

でもそこに元メンバーの白髪のおじさん(メンバーのお父さんなんです)が登場。そしたら以前みたいな雰囲気になり、1stアルバムの曲もやって楽しかったです。

「アサヒ飲んだよ〜!ポカリ・スウェットもね〜!」
とボーカルが叫んでましたが、でもステージに置かれた彼らのポカリのボトルの中身は黄色や紫色と色さまざまで、う〜ん、何が詰まっていたんだ??

さあさあっ!次はフューチャーヘッズですよ!

ところが、だんだんと雲行きが怪しくなってきて、そして遂にポツポツと雨が(涙)
「雨対策だけは万全に!」
と、Kさんたちから事前のアドバイスで、出発前に購入してきたポンチョがさっそく役に立ってしまいました(どうせなら軽くて後でも使えるものをと思い切ってアウトドア・ショップで買ったのですが、お店の人には「ポンチョなんて役に立ちませんよ〜」なんて言われるし・・・だったら売るなよ〜。)

そして雨足はだんだんと強くなり空には稲光まで(汗)ここまできて中断や中止は勘弁して!


DAVE印のドラム・セット

そんな中でステージ上ではデイヴ自らがドラムを準備してました。珍しいなぁ、と思ったら、あれっ?そういえば「DAVE」印のドラムじゃないぞ?もしかして借り物ドラム?それで自分で調整しておきたかったのかな。

ところで、
今回のパンフレットではフューチャーヘッズは「UK北部出身で喋りは朴訥としているが、曲の良さでステージを引っ張ってくれるだろう!」とかなんとか紹介されていて、「それって、褒めてんだか、けなしてんだか、分かんねえぞっ!」と複雑な気分でしたが、しかし今日のライブもいきなり何の前触れもなく「ハロ〜」と手を振りながらメンバーが登場。
ハッタリのきかないバンドだなぁ(笑)

しかしっ!
オープニングは「Walking Backwards」!!おおっ!ライブで聞くのは初めてだ!
バリーとロスのギターの爆音は充分ハッタリが効いてますぜっ!

5月に見た時よりニューアルバムからの曲が増え、そして「Meantime」や「Area」なんてお馴染みの曲も織り交ぜた選曲。しかし、やっぱり2ndからは「Skip To The End」だけ。でも、
「次の曲ではみんなハネてねっ!」
のロスのかけ声に乗せられ、思わずピョンピョン!終わった後には息ゼ〜ゼ〜。

「実はギターが行方不明になっちゃったんだ。」とバリー。
あれ?そういえば見たこともない白いギター。
「ギターを貸してくれたMystery Jetsに感謝!」
おおっ!さすが元(笑)レーベル・メイト!
でも(ダンナがいうには)すごく扱いにくいギターらしく、確かにバリーはギターを弾くのに四苦八苦してたようで、だからなのかこの日はロスがMCしまくってました。

「みんな一緒に歌ってね!」
と、「Think Tonight」のコーラスを練習させたり(あ、「Everything's Changing Today 」だったかも(汗)はしゃぎ過ぎて記憶があやふや・・・)
「この後、サイン会をやるからよかったら来てね!」
なんて宣伝もしてました。はいはい、行きますよっ。

しかし、ライブの真っ最中にもかかわらず、
私:「バリーのウエスト周り、マジでやばくなってきたよね・・・」
Kさん:「・・・もうベストで隠しきれてないよ・・・」
なんて思わずコソコソ話。Kさんが思わず「ムニっ」とそのお肉をつかむような手つきをしてプヨンプヨンと(苦笑)
Kさんっ、ステージ前でそのジェスチャーはマズイよっ!

なんてことしながらも、ライブの最中は雨もそんなにひどくはならず、それはきっと彼らの日頃の行いが良いんでしょう(笑)
そしておなじみのロスのボーカルで「Carnival Kids」!

「じゃあ最後の曲だよ!」
よっしゃあ!「Man Ray」!!
バリーとロスのシャープなギターが飛ばしていき、そして一瞬のブレイク!
日本でのライブだとこういう時に静かになってしまうことが多いからね。がんばって声を張り上げましたよ・・・って私はサクラかっ?
でも私だけじゃなく、皆さんが歓声をがんばって、がんばって、がんばって・・・って、デイヴ!早くしろぉ(苦笑)
3人も硬直状態でデイヴを見ながら苦笑い。ニヤっと笑ったデイヴの一撃でまたギターが炸裂っ!

そして笑顔で手を振るメンバーに大歓声で答えて、2年振り(かな?)のフューチャーヘッズの来日ライブは終わったのでした。しかし、彼らのライブは見るたびにパワーアップしていくので、終わったときにはもう息ゼ〜ゼ〜。いかん、これではアンコールまである単独のライブについていけないぞ。

ライブが終わってから雨はどしゃ降り状態。道はまるで小川みたいに水が流れてます。その中を3人でザブザブとずぶ濡れになりながらサイン会場に向かいました。お楽しみはこれからだいっ!

サイン会場はレコード店GANBANのブース・・・がっ!それが会場内のブースではなく、フェス会場の外にある売り場でした・・・。ひどい扱いだわっ(涙)そんなトコじゃ、ほんとに彼ら目当てのファンしか集まらないから宣伝にもならないじゃないのぉ!
しかも整理券がいまだに残ってるってどういうコト?(苦笑)「50名様」って多すぎじゃないの?
「カサビアンは20名限定だったよ。」
つまり、ヘッズさんは制限しなきゃいけない程は集まらないだろうし(結局は20人程度だったし・・・)「サインが欲しけりゃ全員してあげるよ〜」ってな感じなのかなぁ・・・まぁ、「ファン思い」だと解釈しておこう。

「でも会場外でサイン会なんて、フェスのチケットを持ってない人でも貰えちゃうってコトじゃないの?」
「確かに。でもライブは見ないでサインだけ貰うっていうファンもねぇ〜(苦笑)」
確かに。そんなヤツはいないか(いや、いるかも・・・)

閑散とした場外のブースに到着した頃には雨どころか雷までゴロゴロと鳴りだした。大丈夫かなぁ(汗)雨に濡れるのはいいけど、落雷はご勘弁だよなぁ・・・うっ!ビショ濡れってことは、今の私はスッピン!?(苦笑)やばい!
「いやいや、ちょうど風呂上がりっぽくてイイ感じだよ。」とKさん。
えへへ〜・・・って、これで喜んでいていいのか?

しかし5時半の予定時刻が近づいてもメンバーの姿が見えない・・・。
ニューアルバムをガンガンと流し、「フューチャーヘッズのサイン会は予定通りに行われます。ただ少し遅れています!」と、スタッフが繰り返し叫んでいるけど、遅れているのに「予定通り」って言うの?(しかし後で聞いた話によると、5時頃にはサイン会はキャンセルになったという噂が広がっていたとか・・・全然知らなかったぞ。)

「どういう並びになるかな?」
「う〜ん、私はロスとジャフがセット、そしてバリー、デイヴ、と思うけど。」
「今までジャフとまともに話をしたことがないよね〜。いつもロスと一緒だから、ロスと話をしているとジャフがいるって感じだから。」
「ジャフが一人だと何を話していいか分からないね・・・。」

そんな訳の分からない心配をしていると、少し遅れたもののフューチャーヘッズが登場!
テントの中に並べられたテーブルに4人が座ると、
ロスっ!デイヴっ!(あれ?)バリー!ジャフっ!(あれれ??)
えっ!予想外の並び方(汗)ジャフ単独??

ともかく、少数精鋭(?)なファンが待ち構える中でサイン会がスタート。

「やあっ!来てくれてありがとう!元気だった?」
と、いつも笑顔のロス。フューチャーヘッズのライブを見たから元気だよぉ。

あれこれ話して、カーディフでの写真をあげると、バリーとのゴツンコ写真に笑ってました。
「あ、この時の他のバンドはどうだった?良かったでしょ?」
「MGMTとCSSね!!良かったよぉ〜!今日の夜にCSSがあるからまた見てくるよ!」と言うと、
「ほんと!!」と、またニコニコ顔のロス。
一緒にツアーしたバンドを褒めたのにそんなに喜ぶなんてね。そういえばこのサイン会の間も、手が空くと自分たちのアルバムにあわせてノリノリだったロス。自分でインディー・レーベルを運営してる音楽大好きなロスらしいなぁ。

で、来日の予定があるのか聞くと
「たぶんクリスマスかな。それか年明け。レーベルが計画してくれてるみたいだけど、まだはっきりは決まってないんだ。」
「じゃあUKツアーは?」
「UKは12月にやるよ。」
「ふ〜ん、12月ね〜」
と思わずニンマリする私たちを見て、苦笑するロス。は〜い、とりあえず見に行く気はマンマンですっ。


そしてデイヴ。
相変わらずポヨ〜ンとしてるけど・・・イギリスでは色々世話になってる(?)彼ですが、実はちょっとだけ不安でした。イギリスでは私たちを認識してくれているデイヴだが、「大勢の日本人の中の私たち」をはたして認識できるのかっ!?(だってポヨ〜ンだし。)

でもそんな心配は無用で、ちゃんと彼は認識できてました(笑)
なので「さぁ!デイヴにサインをもらうぞ!」と思ったら、あれ?あれ?ロスにサインをもらったCDの中ジャケがない?!あれ?なんで?どこいっちゃったの?

と、あせってキョロキョロしていたら、その横でなんだかバリーとジャフがニヤニヤしてる・・・・よく見るとジャフの向こう側にキッチリと全員のサインがされた中ジャケがコンっ!と立っている。

私「・・・それって・・・私の?」
バリー&ジャフ「君の〜っ !(笑)」
サインだけとっくに最後まで行っちゃってたんですね(苦笑)


デイヴと話していると、暇なのか、バリーがちょっかいを入れてくる(前の人は終わっちゃってたし。)で、突然、
「それ、いいねぇ!」
えっ?・・・このポンチョのこと??
「うん!ケープみたいでいいよね。気に入ったよ!」
わ〜い!わ〜い!バリーに褒められたぁ!やっぱり買ってよかったぁ!

・・・でも、こんなポンチョがいいなんて、バリーの趣味は分からない・・・。

バリーとも少し話して、さあ!ついにジャフだっ!(身構えっ!)

「ハロ〜!ジャフ!元気?疲れてない?」
なんて無難な会話からスタート(笑)
「ハロ〜!元気だよ。大丈夫!」
よしっ!これで調子にのってジャフと話し始めた途端、突然後ろからグイっと腕をひっぱられ、
「後ろが詰まってます。早くしてください!」
と、スタッフに怒られる。
ではジャフとお別れの挨拶を、と思って話し始めたら、
「いい加減にしてください!みんな雨の中で待ってるんですよ!」
とマジ怒られ。ショボーン・・・。

あの程度の会話で怒られちゃうとは・・・。
「サイン会は、会話をするなんて想定はされてないからねぇ。」と、Kさん。
う〜む、確かにサイン会では長話するもんじゃないかもね。でもなんだかお話できたような、できなかったような・・・。
「でも昨日バリーと話しができたんだから、私たちより良かったんじゃないのぉ〜?」
うっ!そっちに矛先が回ってきたか(笑)

ともかく、彼らの呑気なキャラそのままに、なごやかな雰囲気のサイン会でありました。


謎のVサイン

しかしながら、バリーによると、月曜日は東京で1日オフを過ごして、火曜日には帰国というスケジュールだったそうで、彼らにとっても怒濤のフジ・ロックだったようです。もったいないなぁ、単独ライブやってくれぇ〜!!

はたしてイギリス人に雨具は必要なのか??「体隠して頭隠さず」になってるし・・・

で、彼らが去って、この夏のメイン・イベント(?)が終わり、緊張も切れて「は〜っ」と脱力状態。
するとなんだか体が寒くなってきたような・・・。雨に濡れるのは嫌いではないので雨宿りもせずに平気でビシャビシャとはしゃいでいたけど、日が暮れてきたら濡れた頭や足下からシンシンと冷えてきた。
「だから私たちは濡れないように気をつけてたのよ。雨は体力を奪うからね。」とKさんたち。
う〜む、そんな先人(?)たちの経験を無駄にした私がバカでした。

お腹も減ってきたので何か暖かいモノでも食べれば・・・と思ったら、考えるコトはみな同じで、あちこちで汁モノが売り切れてる(涙)カチカチに固まってる私にKさんEさんはおでんやごはんを買ってきてくれました。

お腹が少しふくれて元気が出て来たので、
「じゃあ、ちょっくらThe Birthdayを見てきます。」
1人でグリーン・ステージまでザ・バースディを見に行きました。元ミッシェル・ガン・エレファントでありFC東京サポの(笑)チバ率いるThe Birthday。お付き合いで彼らの名古屋でのライブをほとんど見ているのですが、この日は2曲しか見なかったけど、ちょっとスゴかったです。う〜ん、なんだかスケールが違ってました。

そして戻る途中で発見した暖かい紅茶で(ちゃんとティーパックの茶ですぞ)やっと一息ついたって気分でした。

それから3人でレッド・マーキーでのCSSを見に行きました。
Kさんたちは途中で別のステージに移動するので、そこで別れて1人で前の方へ入りこんでいったのですが、すんごい混雑でなかなか前に進めない。CSSがそんなに人気があるとは!iPodのCMソングが終われば人が減るだろうと思っていたのに、なかなか減らないし。

ともかく、今のCSSってパンクだよね。やっぱり良かったです。ポンチョをバサバサとさせながら踊っちゃった。

んが、さすがにこのあたりで燃料切れ。ダンナが友人たちと話してる横で、大口を開けてガーガー爆睡してしまいました(「DJブースの横でよく寝てられるよね〜」と感心(?)されてたらしいです・・・。)

「10時半だよ。もうホテルに帰る?」と起こされ、
「え〜10時半?じゃあNEON NEON見てくる〜。」
と、寝ぼけまなこのまま再びレッド・マーキーへ。

NEON NEONはイギリス(ウェールズ)のスーパー・ファリー・アニマルズ(SFA)のボーカル、グラフ・リースの別ユニット・バンドです。
どんなバンドか知らずに見たけど、NEON NEONは60年代近未来ロックな感じだけど、「フー・マンチュー」ってな風貌のオヤジが飛び入りしてラップ風になったり、ハチャメチャ感が初期のSFAのようで楽しかったです。いいモン見たぜ。

で、彼らはレッド・マーキーの深夜の部のオープニング。なので、この後もオールナイトでライブは続き、外では芸人が火を噴き、そして場外では小さなステージや飲み屋が朝までやってました。
フジ・ロックは3日間24時間、音楽漬けになって大騒ぎできるお祭りなんだねぇ。でも私はさすがにそこまでの体力はないです。

出発前には知人から「フジはすごいですよぉ!これで人生が変わったって人が毎年いますから!」とまで言われ、どんなコトになるのかとドキドキしていたけど、結局いつもと同じようにフューチャーヘッズを追っかけてただけなので、残念ながら私の人生は相変わらずです(笑)

でも今回フジ・ロックで得た教訓。
「山の雨をなめちゃいけねェよ!」
来年フジに行こうとお考えの方は、これを肝に銘じてご準備くださいな。