VICTORIOUS FESTIVAL at Portsmouth part 2 ■27/August/2017
そしてPortsmouth&Southsea駅に到着。こじんまりとした静かな駅前でしたが、マン島へのフェリー乗り場へと向かうバスの中はリゾート気分な人たちでいっぱい。
フェス会場近くのホテルに向かう地元バスに乗ると、フェスのタイムテーブルをぶら下げた麦わら帽姿のおバアちゃんがニコニコ顏で乗ってきたり、後ろに座った30歳代らしきカップルが「今日のトリはElbowでしょ?それからフランツと・・」なんて会話を始めたり。子供のちょっとしたハプニングにバスの乗客全員が笑って、なんだかとってもアットホームで良い雰囲気。
予約しておいた会場真ん前のホテルに荷物を預けて、先ず会場へ向かうと、長机を並べただけの入場ゲートでは、高校生ぐらいの女の子たちが「カバンの中、見せてね!」と、とりあえずのセキュリティ・チェック。このご時世に、こんなにのどかで良いのか(苦笑)
そして緑の芝が目に眩しいメイン・ステージのCommon Stageに、早速オープニング・アクトとして登場してきたのが、マンチェスターの新バンド、スロー・リーダーズ・クラブ(The Slow Readers Club)。ホワイト・ライズ(White Lies)やエディターズ(Editors)を彷彿とさせるような、影のあるUKポスト・パンクですが、とりあえずサンサンと太陽の光が降り注ぐメイン・ステージで観るバンドじゃない(笑)曲は良いんだけど、何か、何か、キラッとしたモノが欲しいんだよね〜と、文句を言いながらも、それでもリズムが今っぽさを感じさせる音になっていて、単なる焼き直しでは済まさないところがイギリスのバンドの良いところだよね。
SLOW READERS CLUB
しかも、まだ客もまばらなオープニング・アクトなのに、スピーカーから出てくる音は低音が効いた文句ナシの完成度。出発前に日本で観たフジ・ロックでのクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ(Queens of The Stone Age)や、Hostess Club All-Nighterでのホラーズ(Horrors)での音があまりにもボロボロでだったので、こんなところでもイギリスと日本の実力の差を見せつけられてしまいました。はるばると日本まで来てくれたバンドにあんな音では申し訳ないぞ・・・
なんて、あれこれ考えさせてくれたスロー・リーダーズ・クラブのライブは、地元でもないのに、なぜか彼らの旗を振って歓声を送る一部の熱狂的ファン(身内?)で盛り上がってました。
彼らのライブが終わり、メイン・ステージで次のライブが始まる前に会場を隅々までチェックにでかけました。
ポーツマスの海岸沿いの広い公園を利用して作られたフェスティバル会場。地元バンド(かな?)で盛り上がる小さなステージから、海を望むメチャ気持ちよさそうなステージなど全部で13のステージがあって、レディング・フェスにも負けないぐらいの敷地の広さ。グッズ売り場では今時カードが使えないような呑気さ(笑)そして海沿いのプロムナードといった雰囲気の公園の目抜通りには、ハンバーガーからフィッシュ・アンド・チップス、ベジ料理、自然食のカフェからスイーツ屋さん、レコード・ショップなどなど、地元のお店がそのまま移動してきたようなローカル感いっぱいの屋台が立ち並んで、カフェではギターに合わせてみんなでオアシスを大合唱していたり。時差ボケの残るこの体では、海を眺めながら丘の上でゴロリとしていたい〜!なんて誘惑にかられてしまいそうなぐらい気持ちの良い会場なのです。
こんな海沿いのステージもあって、めちゃ気持ち良いんです
でもメイン・ステージでザ・ダンディ・ウォーホルズのライブが始まってしまう!早歩きで戻ると、ちょうど彼らのライブが始まったところ・・・と、ホッとしてスピードを落としたら、いきなり2曲目が大好きな「Not If You were The Last Junkie on Earth」じゃねえかっ!再び大急ぎでステージ前に突進!
THE DANDY WARHOLS
90年代に活躍したUSのガレージ・サイケ・バンド、ダンディー・ウォーホルズ。VodafoneのCMにも使われてイギリスでも人気があった彼らなので、「Boys better」や「I love you」「Bohemian like you」などなど、往年のヒット曲に観客はメチャ盛り上がってました。しかも当時ファンだったであろう年齢層だけじゃなく、10代の子たちも一緒に歌ってる。こんなサイケっぽいカラーのバンドでも、イギリス人は平気で受け入れちゃうんだよね。う〜む、イギリス人って生まれながらにサイケの血が流れているのか?(笑)
ン十年振りの彼らのライブ。「昔のオッさんバンドなんてね・・」なんてちょっと冷めていたのが、いやいや、これが予想外にカッコ良かった!ザラザラしてタイトなガレージ・サウンドに、程よいサイケ感。長年やっているとメジャーっぽい音になっちゃうバンドが多い中で、いまだにインディーなサウンド。キーボードのZiaは、刺青した二の腕がすっかりオバちゃん化していましたが、ロン毛になったボーカルのコトニーは体型をキープ・・・と思いきや、ライブが終了してギターを下ろしたら、見事なまでのオッさん腹(笑)ギターで隠していたとはね!
次のバンドが「Rhythm of the 90s」なんてトリビュート・バンド(簡単にいえばコピー・バンド。)このフェスは夜8時までは出入り自由なので、この時間にホテルのチェック・インを済ませようと出口に向かったら、なんと手にハンコを押されました。今時、リストバンドじゃないんですよっ!この呑気さがたまらない!
入場列も夏祭り気分
ホテルから戻ると、ドッと増えていた観客がRhythm of The 90sの「Born Slippy」で「シャウティン!ラーガ!ラーガ!ラーガ!」と大合唱の真っ最中。こういうバンドが出演してると、メジャーなフェスになるにはまだまだかな・・・なんて思ってしまうけど、まぁ、皆んなが楽しそうなんだから良いけどね。
10ポンドもするアイリッシュ・ビーフ・パイを食べていると(屋台飯なのに約1300円!デフレに浸った日本人にとってはイギリスの物価高がツラい!美味しかったですけどね)メイン・ステージにチューリン・ブレイクス(Turin Brakes)が登場。
カントリーやブルース色の強いUKフォーク・デュオの彼ら。日本での知名度はイマイチですが、2001年の1stアルバム「The Optimist」が大好きで、当時ロンドン大学で観たライブでは観客の大合唱に感動したなぁ。なので、今回のフェスに備えて久々にアルバムを引っ張り出し、「Underdog」や「Future Boy」などなどの名曲を聞き直して、ああ、やっぱり良いなあ・・・
と、とっても楽しみにしていたチューリン・ブレイクすはずいぶんオッさんな風貌になり、そしてバンドを従えて登場。「俺たちはチューリン・ブレイクスです。こんな音楽をやってます」と、演奏をスタート・・・すると、ええっ!めちゃくちゃフツーのアメリカンなカントリー・ミュージックになってるよ!いやぁぁ、一番大っ嫌いな音楽だよぉ!もう1曲聴いていることすら耐えられない(涙)ちょうどサブ・ステージのCastle Stageでトイ(TOY)のライブが始まる時間だったので、全く後ろ髪を引かれることなく、メイン・ステージを後にしました。ああ、ガッカリ・・・
お祭り気分なプロムナード