2度目のシリア旅行 2007年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、再度中東へー

7月22日 part 2 / ラタキアからアレッポへ鉄道旅

ラタキアの駅に着くと、アレッポ行きの列車の乗客でごったがえしていました。ホームへの入口では、治安警察がX線の荷物検査をしていて、かなり物々しい。でもパスポートを見せると、また「Japanese?Welcome To Syria!」と、強面がニッコリしてました。

ホームに居た人に列車を聞くと、またもや周りの人達がワイワイと集まってきて、みんなでチケットを見ては「この列車だ!」「1両目だぞ!」と教えてくれる。

そして列車に乗り込むと、これが予想外に良い感じ。日本の長距離特急列車に似ていて、新しくて、すごくきれい。しかも座席は2列1列の並びで、私達はその1列の座席の前後でした。
「こういうコトだったのか。窓際で良かったね。」
しかも出発すると、新聞やウェットタオル、熱い紅茶も配られて、なかなかサービスがよろしい。


アレッポの駅

しかし、車窓の風景はというと、しばらくはラタキアの街の風景や郊外の田園風景で、それほど感動するもんではありませんでした。でも、山岳地帯に入っていき、しばらくすると突然、目の前の視界が開け、
「うっぎゃ〜っ!!な、何だ、こりゃ〜っ!!」
渓谷にかかる高さ何十メートルもの鉄橋の上を走ってる!
はるか足下に広がる緑豊かな大地。それは取り囲むように並ぶ山々もすべて緑に覆われている。絶景だ〜!!

「ちょ、ちょっと!今の景色、見た!?」と、興奮して前に座るダンナを呼ぶと、
「え?何?」寝てんのかよっ!!
「見てないの!?すごかったんだよっ!」
「じゃあ、またあったら教えてよ。」
そんなこと言われたって、あんな絶景ポイントなんてそうそう・・・うぎゃ〜!!また鉄橋だぁ〜!!
「見た!?見た!?」
「え?だから見る前に教えてよ〜。」
そんな、2度も絶景ポイントを逃して・・・またまた、うぎゃ〜っ!!
「見て!見て!今、見て!すぐ見て!」
と、後ろからダンナを叩きまくり。こんな調子で、鉄橋の上からの絶景ポイントは5、6回は続きました。 いや〜っ、素晴らしい!これはお勧め路線と呼ばれる訳だ。

そんな山岳地帯の絶景ポイントを過ぎると、そこからは穏やかなシリアの田舎の風景が続きました。赤い大地に立って夕日を見ている羊飼い。バイクに乗った男の子たちや、家の前で遊ぶ子供達が、列車に手を振っている。まるで映画のワンシーンみたいだ・・・。


シリアの野にも花が咲く

アレッポに到着した時は、もう真っ暗。でも、ホテルに帰る前に明日の列車のチケットを購入しないと。明日は夜行列車でダマスカスに戻る予定なので(鉄オタは『夜行列車』なんて響きにも弱い(笑))窓口で聞くと
「明日のチケットは明日しか売らないよ。」
え〜っ、「じゃあ、明日の朝、ユーフラテス川に行く前に駅に寄らないと・・・」なんて、ダンナと話していると、突然、
「日本人ですか?」
と、見るからにアラブ人なオバさんに話しかけられました。えっ?日本語??
「私、日本に住んでました。少し日本語話せます。」
日本語を聞き取ることはあまりできないけど、話す日本語はとても上手でビックリ。こんなトコで日本語で会話なんて思いもしなかったよ。それで彼女が窓口まで行って、ダマスカス行きのチケットを聞いてくれましたが、やっぱりダメでした。

シリアでは鉄道の駅も郊外にあるので、タクシーを捕まえ、
「バロン・ホテル!ビカム?(いくら)」と、聞くと
「う〜ん、ミイヤ(100)」
ま、いいや、乗っちゃえ。すると、運転手のニイちゃんが突然、
「シリア、ジャミーラ?(シリアはきれいだろ?)」
と聞いてきて、これはダンナも分かったみたいで、二人で
「ジャミーラ!ジャミーラ!」
「ヤバーン?チーニー?(日本?中国?)」
「ヤバーン!」
「オ〜っ!ヤバーン!!アハラン・ワ・サハラン!(ようこそ)」
「アハラン・ビカ(こちらこそ)」
と、ここまで恐ろしくスムーズに会話してたら、どうも運チャンは 「おっ、こいつら、アラビア語が話せるな?」と思ってしまったらしく、いきなりアラビア語で怒濤のごとく話し始めた。ぎえ〜っ!これ以上は分からないんだってば〜!もうアラビア語の知識は出し切っちゃったよぉ! でも、向こうは「なんでいきなり喋らないの?」と不思議そうな顔。 今度は私達がさっきのオバさんの状態だ(苦笑)う〜ん、一番最初に覚えるアラビア語は、「私はアラビア語は分かりません」にしておけばよかった。


夜のアレッポ スークは賑わってます

そして無事ホテルに到着すると、
「遅かったね。列車で帰ってこられた?」
と、ワリダさん。少し話しをして、明日のチケットが買えなかったことを話すと、
「じゃあ、明日の朝、私が買ってくるよ。パスポートを貸して。」
いきなりそう言われて、とりあえずパスポを渡しちゃったけど、ちょっと不安。
「ワリダさんなら心配いらないでしょ?」
「ワリダさんは信用してるけど、それより、もしワリダさんの身に何かあった時が心配・・・。」

そして、ホテルに荷物を置いて、夕食に出かけました。私が昨日食べていたチキン&ライスが食べたいとダンナが言うので、また同じ食堂へ。席について注文すると、あれっ?昨日と全然違う(苦笑)
「これでいいんじゃない?おいしそうだし。」
「いやだ!昨日のが食べたい!」
と、テーブルを立って、指差して注文し直すダンナ。
さらに「昨日のスープも欲しい!」と注文すると、今度は注文通りのものが出て来たけど、ぜんぶ2人前(苦笑)間違って出て来た料理もある上に、今度は店の人が「これも食べてみな」と、野菜の煮込み料理をさらに2、3品持ってきた。
「これはオレの国の料理なんだよ。どこの国か分かるか?」
え?シリアじゃないの?そういえば、なんだかヨルダンで通った通称「イラクめし屋」の料理に似てる・・・
「オレはイラク人なんだよ。どんどん食べてくれ!」
確かにどれも美味しかったけど、とても食べ切れませんでした。 (え?料金?たぶん全部の料理代を払ったと思う(笑))

ホテルに帰るともうクタクタ。興奮したり、怒ったり、大変な一日でした。

T.E.ロレンスを巡る旅

July / 2007 2度目のシリア旅行

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