シリア・ヨルダン旅行 2006年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、初めての中東ー
7月24日 part 2/アムラ城、ハラナ城へ
それから世界遺産のアムラ城へ向かうと、その城は本当に砂漠のど真ん中にありました。「安全のためにちゃんと道を歩いてね」と書かれた注意書きに従い、城は目の前にあるのに、ウネウネと蛇行した道をひたすら歩いていると、城の管理人は砂漠の中をビューンと真っすぐに歩いて私達を追い抜き、そして鍵を開けて待っていました(苦笑)

小さなアムラ城
この遺跡も小さくて、城というよりは小さな家ぐらいの広さ。8世紀頃の隊商たちの宿だったそうで、建物の中の壁には色とりどりのフレスコ画(かな?)があちこちに残っていて、管理人が丁寧に説明してくれました。サウナ室だった部屋のドーム型の天井には星座図が描かれていて、サウナで旅の疲れをとりながらプラネタリウムみたいな星々を見るなんて、古代の人たちもロマンチストだったんだねぇ。

アムラ城は天井にこんな壁画が残ってます
そして最後の城、ハラナ城へ。ここも砂漠のど真ん中の遺跡ですが、他の2つの城に比べるとかなり巨大。しかも何のために建てられたのかはっきりとは分かっておらず、おそらくここも隊商宿だったのではないかと言われています(帰国してからロレンスの本を見たら、ここを撮影した写真もありました。その時は気付いていなかったけれど、ちゃっかりロレンス巡りをしてた訳です。)

周りに何もないハラナ城
ハラナ城には何台もの観光バスが停まっていて、かなりメジャーな遺跡のようでしたが、ちょうどその観光客が戻ってくる時間だったので、私達が城の中に入った時は、またしても人がほとんどいない。中庭を囲んだ、装飾もないシンプルな2階建ての建物で、確かにホテルかアパートみたい。屋上に登ると砂漠が一望できて、傾き始めた陽の中で、地平線まで続く砂漠を見ていると、遠くまで来たんだなぁとシミジミと感じました。

ハラナ城の屋上から砂漠を見渡す
駐車場に戻ると、ドライバーはベドゥイン風テントの中で休憩中。彼に呼ばれ、そこにいたニイちゃんが、かまどにかかっていたヤカンから紅茶を入れてくれました。敷物に座って熱い紅茶を頂くと、甘くて不思議な風味。中に種が入っていて、「それはカルダモンだよ」と、ニイちゃんが教えてくれました。
おかわりまでもらいながらゆっくりしていると、そのニイちゃんが、
「俺、今から帰るんだけど、一緒にタクシーに乗せてもらってもいいかな?」
そりゃあ、別にかまいませんけど。
ニイちゃんを乗せてアンマンに向かうと、ドライバーとニイちゃんはずっと喋りっぱなし。ドライバーも無口だった訳じゃないのね、というか、アラブの人って、ほんとにお喋り好きだよなぁ。砂漠の十字路でタクシーを降りたニイちゃんは、交差する道路にやってきた車を停めて、そちらの乗り換えて帰って行きました。・・・シリアもヨルダンも、遺跡の管理人は通勤手段がないのかよ(笑)
ホテルには直接戻らず、そのまま少し離れたアンマンのダウンタウンで降ろしてもらい、「地球の歩き方」で紹介されていた通称「イラクめし屋」と呼ばれる食堂へ晩ご飯を食べにいきました。
夜のダウンタウンは賑わっていて、裏通りにあったその食堂は地元らしき人達でいっぱい。入っていいものか、外でマゴマゴしていたら、「来い!来い!」と店のニイちゃんに手招きされてしまいました。英語はほとんど通じないけど、料理を見せながら「これがほうれん草で、これが・・」と単語を並べて説明してくれました。ほとんどの料理が野菜やラムの煮込みで、それをごはんにかけて食べます。そしてキュウリとトマトのザク切りサラダもついていて、砂糖のように小さなカップに盛られた塩を振りかけてシンプルに。ん〜っ、安くておいしくて、満足っ!