シリア・ヨルダン旅行 2006年7月
ーアラビアのロレンスを巡って、初めての中東ー
7月22日 part 2/アレッポ観光ー アレッポ街歩き

アレッポのスーク
ちょっと体力回復した気分になったので、アレッポのスークを見物に行きました。ダマスカスのスークと並ぶ巨大な市場ですが、ダマスカスよりもう少し庶民的かな?全体がアーケードに囲まれ、狭い通路を人が行き来していました。
そしてアレッポといえば、オリーブ石けんが有名ですね!スークでもあちこちから石鹸売りが声をかけてきます。そんな一軒で石鹸の値段を聞くと、350SPと言われました。
「え〜っ!700円!?それじゃ日本と変わらないよっ!」と、立ち去ろうとすると、
「待て!待て!いくつ欲しいんだ?いくらなら買う?」
3個欲しいけど、そうだなぁ、1個100SPなら妥当かな?
「100SP?」
「よし!分かった!3個で100SPだな!持ってけ!」
おいおいっ!「3個で」なんて言ってないぞ(苦笑)どれだけボッたくるつもりだったんだよ〜。(品質が心配でしたが、日本で売られてるものと全然変わらなかったです。でも「これは品質が良いぞ」と言われて買った石鹸の方がやっぱり使い心地が良かったかな。)
こんなムチャクチャな値下げをする店もあるかと思えば、頭布の店を少し遠巻きに覗いていたら、新聞を読んでいたオヤジがすこしだけ目を上げて、「見て行きな」と言わんばかりに、指でクイクイと静かに客引きされてしまいました。赤と黒のチェックの布の値段を聞くと300SP。値切ろうとしたら、
「あのなっ!こっちを見てみろ!これはポリエステルだ。でもな、これはコットンなんだ!モノが違うんだよ、モノがっ!300SPからは下げれねえな。」
なんて、英語の単語とジェスチャーで説得されてしまい、う〜ん、こういう頑固オヤジには弱い。つい買ってしまいました。

スークで呼び止められてたら、こんなモンを見せられた
誰だ!?こんなコト教えたのは(笑)
それからヨルダンの砂漠でロレンス気分に浸るためにも、ここでアラブの民族服を準備しておきたかったのですが、なかなかロレンスが着ていたような服が見つからない・・・。彼が着ていたのは、絹で、襟裳に刺繍まで入っているような衣装だったから、きっと高級品だよな。

アラブの古い出窓
しかし、裏通りの店でついにロレンスっぽい服を発見!店先でお茶を飲んでるオヤジたちに「見てきな!見てきな!」と手招きされたけど、ダンナが「あれはきっと高いぞぉ」と、つぶやく・・・確かにロレンス気分に浸るためだけには、もったいないかも。値段も聞かずに諦めちゃった。
ブラブラしながら、スークの中にある16世紀の隊商たちの宿だった建物に寄って見ると、中庭の露店にアラブ服の外套が売られていました。「おっ!ロレンスの写真の中でベドウィンたちが着ていた服みたい!」と手に取ると、「これは40年前のベドウィンが着ていた服だよ」と、店のオヤジが寄ってきました。値段を聞くと100ドル!
「え〜っ、それは買えない!」と立ち去ろうとすると、
「待て!待て!いくらなら買うんだ!?」
「ん〜・・・25ドル。」
「そりゃ、ムチャだ!」
「だから、いらない」と、去ろうとすると
「待て!待て!55ドルでどうだ?」
「いらない。」
「だから待てっ!!45ドルでどうだっ!」
「ん〜・・・いらない。」
「待てっ!!!42ドルだっ!もうロクな儲けもない値段だ!どうだっ!」
だから100ドルで売れる相手を探せよ(苦笑)と、言いたかったけど、「冬のガウン代わりにいいか」と、結局購入しちゃいました。アレッポの商売人は押しが強い。
そのオヤジの説明によると、当時この隊商宿はキリスト教徒とイスラム教徒のどちらも使っていたので、それぞれのマークが並んで彫られているそうです。「アラブ=ガチガチのイスラム」なんて印象でしたが、実際に来ると、ここは文化・宗教が混在してきた地なんだと分かります。ロレンスはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教を「同じ民族から生まれた宗教なんだから、うまくやっていけるだろう」と、比較的楽観視していたそうです(だからイスラエル建国を願うユダヤ教徒たちのバックアップもしてしまい、アラブ研究家や民族主義者からメチャクチャ批判されてます。)こうやって見ていると、なんで現代はこんなにこじれちゃったのかと悲しくなります。
夕食は温かいものが食べたいとダンナが言うので、「地球の歩き方」に紹介されていた煮込み料理の店にいきました。本格的なレストランで、お店の人が厨房に案内してくれて「どれがいい?」と、料理を見せながら説明してくれました。ダンナは野菜のスープ、私はなすの羊肉のミンチ詰めを注文。安くておいしいくって文句なしでした・・・でも、量が多すぎ(苦笑)

いつも反省すること。写真は食べる前に撮りましょう。
夕食後、「明日の予定は?」と、ダンナ。
「バスでパルミラ遺跡に行って一泊するか、可能ならダマスカスまで移動して、明後日にヨルダンかな。」
「もうちょっとゆっくり行動したいなぁ。ホテルを探さなきゃいけないし。」
「じゃあ、ここにもう一晩泊まることにして、今朝のおじさんに頼んで車でパルミラ往復する?」
「あっ、それがいいなぁ。」
パルミラ遺跡はダマスカスとアレッポの中間あたりなので、少々もったいない旅程になります。でも、私もバロン・ホテルにもう一泊したかったので、まあ、いいか。
レセプションに相談に行くと、朝のオジさんに連絡してくれました。
「明日パルミラに行きたいんだね? ついでにハマにも寄ってあげるよ。ハマの街はきれいだよ!」
ハマは世界最大の水車で有名な街です。計画には入ってなかったけれど、寄ってくれるならちょうどいいや。パルミラ往復で200ドル。ちょっと高いけど、夕暮れのパルミラが見られる時間まで見学させてくれるというので、良しとしましょう。
その後はどうしようかな?せっかくアレッポに戻るのなら、ダマスカスまでは鉄道で移動しようかな。ロレンスもダマスカスまでの鉄道をよく利用したから、一度くらい乗ってみたいよね。それからヨルダンに行って・・・なんてベッドの中で考えている内に熟睡・・・。