MORRISSEY
National Indoor Arena(NIA)Birmingham 8/Dec/2006

ザ・フューチャーヘッズのUKツアーを追いかけ、そしてシメはバーミンガムでモリッシー!ファン友達のKさん、Tさん、そしてKさんの友人ともここでお別れ。Tさんは前日に帰国。Kさんもこの日にロンドンから帰国。そしてKさんの友人は本命バンドのライブの為にエジンバラへ旅立ちました。一人、また一人とホテルからいなくなり、そして私もバーミンガムへ。

バーミンガムへは、節約のため長距離バスで行きます。イギリスでも「Coach(コーチ)」と呼ばれる長距離バスは、鉄道よりずっとお得に旅ができますが、今回のバーミンガム行きのコーチは、なんと1ポンド(230円)ポッキリ!長距離バスの「National Express」には、時間帯や路線で「Fun Fare」という割引チケットがあり、それが1ポンドだったのです!鉄道なら割引料金でも15ポンド(3500円)程度なのに!


すっかりクリスマス・ムードのバーミンガム

ロンドン・ビクトリア駅横にあるコーチ・ステーションに向かい、お昼ごはんを買って、バーミンガム行きのコーチの出発ゲートで待っていると、10時出発予定なのにコーチが来ない・・・うーむ、ヤな予感が・・・すると案の定というか、出発時間直前に「バーミンガム行きは出発が30分遅れます」のアナウンス。係員に聞くと、バーミンガムからのコーチの到着が遅れてしまい、ドライバーの休憩時間が必要なために出発が遅れるとのことでした。時々強い雨が降るやや荒れた天気だったので、それで遅れたのかな?ともかく、これ以上遅れることはないと言うので、素直に待つことにしました。

そして30分遅れでコーチは出発。するといきなり激しい風と雨が降り出し、そして高速も渋滞。到着がさらに遅れそう。でも、いまさら焦ってもしょうがない!と、フューチャーヘッズを聞いてライブの興奮を思い出しながらNME(音楽新聞)でも読みますか(なかなかモリッシー・モードに切り替えられない(苦笑))すると、年間ベストアルバムの18位に、フューチャーヘッズの2NDアルバムが選ばれているっ!!いやぁ〜ひと安心(苦笑)さらにミュージシャンが選ぶ今年のベストアルバムで、ロスがHot Club de Parisのアルバムをチョイスしている!フューチャーヘッズとField Musicを足した様な、アコースティックなパンクみたいな音で良いんだよねー。ロスと私で推薦します(笑)

ウトウトしている間に、約3時間ほどでバーミンガムに到着。そしてホテルまでは少し距離があったけれどひたすら歩き。ここでタクシーを使っては、何のための1ポンド・コーチなんだか(笑)

今日のライブ会場「National Indoor Arena(NIA)」はバーミンガムの駅近くで、会場周辺では高級ホテルしか見つけられなかったので、なんとか徒歩圏内でお手頃値段だったホテルを予約していましたが、到着してみると、このホテルの前は巨大な幹線道路で、店も無くて人通りも少なく、夜はちょっと怖いかも。

バーミンガムの街に出てみると、街中が綺麗にデコレーションされて、クリスマス前の華やかな雰囲気に包まれています。ついついスーパーでお土産を買ったり、ブーツを買ったりしていると、すっかりいい時間に。ライブを見に来たのに、目的を忘れそう(リキ入ってません。)

一旦ホテルに戻って会場の場所を確認すると、駅を挟んでホテルの反対側。巨大アリーナの会場だし、駅まで行けばわかるでしょ、と気楽に出発したはいいけれど、駅周辺の道がややこしくてさっぱりわからない(苦笑)あっちに行ったり、こっちに行ったりとウロウロしていると、なぜか道が通行止めになっていて、そこで止まっているバスを警官が調べていました。
「ばっ、爆弾!?」
と、一瞬焦ったものの、そんな緊迫感はなさそうなので、見張りに立っていた警官に道を聞くと
「う〜ん、説明しにくいなぁ。とにかくあの道をまっすぐ行きなさい。」
「まっすぐ??」
「そう、まっすぐ行けば分かるから。」
よく分からないまま、まっすぐ歩いていくと、おっ、会場の案内板があった!そこからは広場を横切り、ビルの中を通り抜けて(こんな道、分かるかぁ!!)15分ほど歩いていくとやっと会場がありました。

当然まだ開場しておらず、何十人かのファンが列を作ってました。ダメ元でチケット窓口に行ってみると、この日はあっさりチケットを渡してもらえ、でもリキが入っていないライブで早々にもらえても、あんまり嬉しくないんですけど(苦笑)

開場後も悠々とトイレを済ませて(リキ入ってませんから)そしてようやくホールへ。


MORRISSEY in NIA Birmingham

すんごい隅っこの柵前を確保していたら、急に警備員が「皆、柵から離れて後ろに座って!」と言いだした。どうも柵の周りを警備員が歩けるようにスペースを空けろというコトらしい。えっ、それじゃあ割り込みし放題になるでしょ!?すると案の定、後からきたヤツがさりげなく座っている人達の間に入り込んでくる。おまけにいつの間にか、オバちゃん2人が私と柵の間に入り込んでいた。オイオイっ!
「そこ、下がって!」
と警備員に言われ、私をグイっとう後ろに押してくる。苦労して場所取りした訳じゃないけど、それでも後からきたヤツに割り込まれるのは腹立つぅ。

「よ〜し、柵前に行く時にこのオバはんたちを押しのけるぞっ!」と、思っていたら、いきなり中央のファン達が立ち上がって一斉に柵に飛びついたっ!心の準備が整ってなかったのですっかり出遅れてしまい、柵に飛びつこうとしたらオバはん達にはじき飛ばされてしまいました。
「てめえらっ!今日はおとなしく譲ってやるが、フューチャーヘッズの時なら血を見ると思えよっ!」
と、心の中で中指を立てて、スゴスゴとババアたち(すでにババア呼ばわり(笑))の横に場所を確保。ああ、ライブ前から疲れる・・・。熱狂的ファンが集まるモリッシーのライブですから、中心部の場所取りは皆、早朝から並んで、そりゃあ熾烈です。でも私が確保したスピーカー前なんて「ゆるゆる」な空気な場所。こんなトコで横入りしてスリムな(?)私一人分の厚みだけ中心に寄ったところでどうなるってんだ!ぶつぶつ・・・。

と、まあ、そんな中でライブがスタート。今日のサポートは5月のロンドン・ライブの時と同じKristeen Young。モリッシーのレーベルからCDを出していますが、正直、つまんない・・・(苦笑)女性のボーカル兼キーボードと男性ドラムの二人組で、70年代のちょっとアバンギャルドなニューウェーブ(死語??)モリッシーが大好きだったルーダスみたいな感じで、彼が大プッシュしているのも分かるんだけどねぇ・・・。音楽のレベルは高くてもワクワク感がないのよぉ。「クソ真面目でつまらない二枚目」みたいな感じ(笑)三枚目でも四枚目でもいいからドキドキさせてくれなきゃ、音楽としての魅力がないよね。

そしてドキドキ満載な三枚目のモリッシーが登場(笑)


MORRISSEY in NIA Birmingham

スミスのヒット曲「パニック」がオープニング。チェルノブイリ原発事故の第一報を告げたラジオのDJが、何事もないかのように能天気にWHAM!の曲をかけたことへの抗議で作られた曲です(うわぁ、もう20年前の曲かよ(汗))
「ロンドンの通りでパニックが起こる/バーミンガムの通りでパニックが起こる/僕は思い悩む/日々はまた正常に戻ることができるのか?」
そうだ!ここはバーミンガムっ!この街でこの曲を聴くのはまた格別ですなぁ(笑)なんて喜んでいたら、
「またこの街に戻ってこられてとても嬉しいよ。ここはストックホルムだよね?」
なんてモリッシーのMCに大笑い。

この日のモリッシーはやたらと喋りまくってましたが、イギリスの選挙について話していたみたいで、そんなディープな話題にはついていけません(汗)

そしてなぜか今回は「Disappointed」や「I've Changed My Plea to Guilty」なんて、すんごい懐かしい曲をやり、
「この曲をライブでよく聴いた頃は、モリッシー・ファンの友達たちとイギリスのツアーを見に来ていたなぁ。そして今は他の友達たちとフューチャーヘッズで同じようなコトをして、モリッシーを一人で見ているのか・・」
なんて、不思議というか、複雑な気分になっていたら、フト目にはいった例のババアたち・・・えっ!こいつら、昔の曲を知らない!?ババアのくせにニワカ!?(笑)こんなヤツらに割り込まれたかと思うとよけいムカつくなぁ!な〜んて言いながら、私はニューアルバムの曲にいまいちついていけない(笑)

そして恒例のようにモリッシーがシャツを脱ぎ捨て、ファンは大熱狂!モリッシーの裸はン十年見続けてけたけど、また一段とウエストの厚みが(苦笑)そのシャツを客席に投げ入れ、ファンを争奪戦の嵐に巻き込んでおきながら、恥ずかしそうにバックステージに小走りに去っていく姿は、まるで風呂から出て行く子供。一応テレているのかっ?!

なのに、アンコールでまた脱ぐモリッシーでした(笑)

ライブが終わって外に出ると11時近く。ホテル周辺の人気の無さを考えるとタクシーを拾った方が良さそうだけど、ホテル近くにあったフィッシュ&チップス屋が気になって(苦笑)ライブ後の夜中に食べるチップスの油がたまらないんですよね・・・なんて考えていたら、会場近くの酒屋がまだ開いていたので、思わずサイダー(炭酸のリンゴ酒)を買ってしまい、結局ツマミ(チップス)を買う為にホテルまで歩く事に。

ホテルに到着して、今回の旅行で初めての酒&油モノを味わい、お土産をどうやってバッグに詰め込もうかと悩んでいるウチに、うーん、眠気が・・・

2006年12月 THE FUTUREHEADS UK tour & MORRISSEY