THE FUTUREHEADS TOUR in UK ■ Dec/2006

THE FUTUREHEADS ■ ASTORIA 6/Dec part 1

朝食はまたしても量多めのイングリッシュ・ブレックファースト。食べながら3人であれこれと話しているとKさんがいきなり、
「ロンドンでインストア・ライブなんてやらないよね!?チェックし忘れた!」
「でも、到着初日にロンドンのレコード店を回った時は、どこも告知はありませんでしたよ」 とTさん。
「イギリスのインストアは基本的にCD発売のプロモーションだからね。」
「今更やったところで2ndが売れる訳じゃないし、ライブの宣伝にもならないしね。どうせなら地下鉄の通路とかでやった方がいいかも(笑)」
「そっちの方がお金が集まるかもね。で、スカウトされちゃったりして(爆笑)それで新レコード会社が決まるの。」
「『君ぃ〜なかなかいいモン持ってるねえ。どう?ウチからデビューしない?』って言われちゃうの?! 『でもそのメガネはいただけないなぁ』」
「って、スカウトされるのはロスだけかっ!?(笑)」


THE FUTUREHEADS in ASTORIA LONDON

「でもほんとに2ndは売れなかったんですねぇ」とTさん。1枚目のセールスよりひとケタ少なかったんだって(涙)
「あれはあれで良いアルバムだけど、地味だよね。」
「何かのインタビューで、次はまた1枚目みたいな路線に戻るみたいなコト言ってましたよ。」
「えっ!」「それはマズイ!」と、思わずハモる私とKさん。
「それはやめた方がいい。」
「うん。2枚目が売れなかったからまた元の路線に戻したって、ボロクソ言われる。」
「そう、それがイギリスの音楽評論だよね。」

隣のテーブルでは、大学のインタビューの為に来ているらしき女性二人が、何やらマジメそうに話しこんでいる。自分の将来を考える彼女たちと、朝からフューチャーヘッズの将来を心配している私達(苦笑)

そして、またしてもケンブリッジ観光もせずにロンドンへ。お昼頃にキングスクロス駅に到着しました。今日のホテルはこの駅近くのB&B。他のバンドのライブの為にロンドンに来ていたKさんのご友人が、今日から2日間合流。そして彼女が先にチェック・インを済ませてくれていました。

それからロンドンの繁華街トッテナム・コート・ロード駅近くにある、今日のライブ会場「アストリア」へ!でもその前に、私のチケットのピックアップの為にちょっと寄り道。ロンドンのライブだけは「Stargreen」という小さな老舗チケット販売店で購入していました。実店舗を持つこの販売店は、ネット購入したチケットを店頭受取できるのです。なので、今日のチケットは、郵便で届いたKさんの友人のもとの合わせて2枚。先発隊には充分な枚数です。

昼食をとって、いざライブ会場へ向かっていたら、いきなりKさんの叫び声がっ!ど、どうしたっ!?と思ったら、Kさんの靴の底が剥がれて、先っぽがベロベロ状態になってる(笑)
「うぎゃ〜水が入ってくるよ〜!」
しかも、しばらくすると今度は反対側の靴の底までベロベロに。もう歩行困難なKさん(笑)と、いうことで、急遽Kさんの靴選びに。

「Clarks」で買おうとしたものの、目星をつけたデザインの靴がこちらの店舗にはない、あちらの店舗ではサイズがない、とロンドンのショッピング・ストリートを右往左往。なんとか靴をゲットして、古いスニーカーをそのままゴミ箱に放り込み、さあ、会場へ!!

今日もまたバックステージドアあたりでウロウロ。アストリアはロンドンでは老舗の中規模クラスのホールで、バックステージドアは大通りから外れた細い裏通りにありますが、フューチャーヘッズがここを使うかなあ・・・平気で正面ドアから入りそう(苦笑)でも、ジ・エネミーもここから入っていったので、ステージドアで間違いないはずだけど・・・。正面の様子を見に行くと、すでに入場待ちの列が。う〜ん、さすがロンドンは並びが早いよ。


THE FUTUREHEADS in ASTORIA LONDON

「どうする?いつまでメンバーを待つ?」なんて相談していると、突然Tさんが、「あれっ?あそこを歩いているのは、ロスとジャフ!?」確かに正面ドアに向かって通りを歩いているのは、あのデカい二人っ!慌てて追いかけても、あの二人のコンパスには追いつけない!でも、正面にはファンたちが並んでるっ!
「だっ、誰か!二人に話しかけて足止めしてぇ!」
ところが、ロス&ジャフに話しかけようとするファンは誰もおらず(苦笑)2人は何事もなく会場の中へ入ってしまいました。

「さあ、今日の場所取りはどうする?」
「一昨日がジャフ前、昨日がロス前だったから・・・」
「やっぱり最終日はバリー前!?」
「それだけは勘弁して〜!!」(笑)
バリーの前が嫌な訳じゃなくて、真ん中は押され方がキツいから・・・。
「では今日はロス前にしよう!」

2枚のチケットが既に手元にあるので、Kさんとご友人が先発隊、そして小柄なTさんとカメラを預ける私は、チケットをボックスオフィスで受け取り、後から入場することにしました。

さらに私達後発隊の今日の任務は、全員分のTシャツを買ってくること。なぜなら、この会場はライブ後ではTシャツが買えないことがあるのです(正面出口がとても混雑するので、ステージ脇の非常口から直接外に出るように言われてしまう事がある。)しかしライブ前、今回のツアーで販売されていた「In the future We all die」のTシャツが欲しい!と私が話すと、
「あ、私も欲しい!」と、Kさん。
「でも、ちょっと暗いメッセージだし、何のTシャツか分からないじゃないですか?」 と、Tさん。
「いやいや、何のTシャツか分からないくらいがいいの。」
「分かる人には分かる、なんて程度でね。」
「そうそう、何しろあのTシャツはファンですら分からないんだから(笑)」

開場してKさんたちは突入!そして私達2人はチケットを受け取り、「Tさん、この階段を上がれば会場だから先に行って。私はTシャツを買ってくるよ。」とTさんを送り出し、私は物販ブースを探してさらに奥へ進んで行くと、あれっ?ここにも階段がある・・・あ〜っ!しまった!これが1階席への階段で、Tさんが行ったのは2階席への階段だ(汗)Tさん、迷子になってるよ!!

しかし、彼女を探しに行くより、先に会場に行ってTさんの場所をキープしておくべきだ1という訳で、Tシャツは後回しにして、階段を上がっていきました。

Kさんたちはどこっ?ロス前?いない!ジャフ前?いない!・・・なぜバリー前のど真ん中にいるのぉぉ?!
「違う、違う!マジでココしか空いてなかったのよ(笑)」
またかっ!?またバリーの不人気のせい!?

しばらくしてTさんが到着。「びっくりした〜。いきなり2階席なんだもん!」と言うTさんに平謝りして、さらにこのまま横巾のある私が場所を取っているほうが確実(笑)なので、結局TシャツもTさんに買ってきてもらいました。

そして一緒に場所取りしてくれたKさんの友人は「さすがに真ん中はね(苦笑)」と、隅っこに移動。なので結局、また3人が真ん前に勢揃い(苦笑)と言っても、実はフューチャーヘッズのステージのセッティングは、ドラムがバリーとロスの間に置かれているので、正確にはデイブのドラム前。民主主義なバンドだから、ステージの並びも4人横並びなのか??


THE FUTUREHEADS in ASTORIA LONDON

そしてサポートは、またしてものジ・エネミー。さすがにもう飽きた(苦笑)

そしてロンドンでのサポートは、マカビーズではなく、ハウリング・ベルズ。Kさんは「いいバンドじゃない?」と言ってましたが、私はこのテのゴスっぽい音は苦手なの。

そして、そして、フューチャーヘッズ!彼等が登場する前から客席は「オーッ、オッ、オ!」と「Hounds of Love」を歌ってる。まだ早いぞっ!

今日もオープニングは「Area」〜「Yes/No」!今日はステージダイバーは少なめですが、代わりにギューギュー押されて、せっかく治りかかっていた胸をまたしても柵に激突させてしまい、ぐえぇぇ・・・

なんだかメンバーはみんな上機嫌?バリーなんて、ロスとおでこを合わせて睨み合いしながらギター弾いちゃうし。ジャフもロスと一緒にコーラスしまくり。

「そうだっ!デイヴがライブ中の私達を見ているなら、こっちもヤツを観察してやる(笑)」と、今日は珍しくデイヴに注目。すると、デイヴは曲間に鼻の頭でマイクを上に向けたり下に向けたり?さんざん位置がズレたマイクを最後は口で微調整・・・なにしてんだ(笑)
「ドラムを叩いていて手が使えないからでしょ」と、Kさん。
「違うよ!曲の合間なの!ドラムを叩いていない時なの!」
「私もたま〜にデイヴを観察するけど、なんだかものすごく遠い目をしている時があったりするよ。 デイヴってやっぱり『不思議ちゃん』だよ・・・。」

「みんな、SKIPしろよ〜!」と煽られた「Skip To The End」は大盛り上がり。

そして「Hounds of Love」での場内大合唱に、すんごい嬉しそうな笑顔のメンバーたち。以前、バリーのコメントで、あまりに忙しさにうんざりして、ツアーもバンドもやめてサンダーランドに帰ろうか、なんて思い始めた頃にフェスティバルに出演して、観客みんなが自分たちの歌を歌ってくれるのを見て、バンドを続けるエネルギーをもらった、みたいなコトを言っていたのを思い出した。そりゃ嬉しいだろ。私だって嬉しいぞ。思いっきり歌ってやるよ!

なんて思っていたら、誰かが投げたビールの缶がギターを弾くバリーの右手を直撃っ!誰だあああっ!!テメぇ!ゴラぁっ!!するとそっちの方向に向かって、目一杯中指を立てるバリー!でもすぐに機嫌直って笑顔でギター弾いてました。ほっ。

そしてアンコールは「Drian Gray」〜「The Carnival Kids」あ〜っ、終わっちゃったなぁ〜・・・。

2006年12月 THE FUTUREHEADS UK tour & MORRISSEY