THE FUTUREHEADS TOUR in UK ■ Dec/2006

THE FUTUREHEADS ■ PYRAMID CENTRE PORTSMOUTH 4/Dec part 1

とにかく、やっとロンドンに到着!しかし英国到着での最初の難関、入国審査が待っている。 前回の旅行の時はちょっとネチネチ聞かれたかんだよね。しかも今回のパスポートにはシリアのビザが増えている(苦笑)え〜い、何か聞かれたら、「フューチャーヘッズのライブを見にきたんだぁ!!」 と堂々と言ってやる!と、意気込んで向かうと、あっさり通過(笑)

地下鉄でウォータールー駅に向かい、そこから列車でイギリス南部の港町ポーツマスへ。列車で予約してあるポーツマスのホテルに電話をかけると、誰もでない・・・。 ホテルからは、12時から16時の間はチェックインができないと言われていたので、先にロンドンを出発したTさんが到着してるはずなんだけど。Tさんからの連絡もないし。しかも空は曇り模様、風が強くなってきて、列車の中もなんだかシンシンと寒くなってきた。


THE FUTUREHEADS in PYRAMID CENTRE PORTSMOUTH

約1時間半でポーツマスに到着すると、天気は小雨。でも雨よりも、風が強い(涙) 寒さと、少しでも早く行こうと、ここは迷わずタクシーでホテルへ。そしてTさんがホテルで待っていてくれました。彼女が先にチェックインしてくれていたので、荷物を部屋に置いておけたけれど、「B&B(ベッド&ブレックファースト)」と呼ばれるイギリスの民宿みたいなこのホテルは、やっぱりホテルのスタッフは留守でした。

「とりあえず会場を見に行こうか?」
外に出ると、雨はやんでいたけど、吹き飛ばされそうなくらいに強い風!ライブ会場「ピラミッド・センター」はホテルから歩いて5分程。海岸沿いにあって、中には温水プールや多目的ホールもある、市の複合施設という感じ。会場の入口を覗くと中も真っ暗で、まだ何の準備もされてません。でも、会場裏にはフューチャーヘッズのものらしきツアーバスが止まってる。 そしてバックステージの出入り口らしき裏口には、キャンピング・カーのような小振りなカーゴ車が止まっていました。
「さっきはバスの後ろについていたよ。機材車かな?」
と、Tさん。えっ?あれが?5月の時はちゃんと機材用トラックがあったんだけど・・・今回はツアー経費を節約なのか?

会場は把握できたので、お昼を食べに近くの落ち着いた小さなレストランに入り、海の見える窓辺の席をとって、サンドイッチと紅茶を注文。
「昨夜は、ロンドンも嵐みたいに風が強くて、寝られませんでしたよ。」
なんてTさんと話しをしていると、窓の外を歩いていく人が。
「あれっ、デイヴだっ!!??」
いきなりのデイヴ出現にTさんと二人でオタオタっ(汗) 思わず手を振ってみると、「なんかヘンなヤツがいるぞ」みたいに苦笑いしながら歩いていってしまいました(苦笑)

でもフューチャーヘッズのメンバー到着は確認できました。あとはKさんの到着です。彼女の携帯に連絡してみると、なんとか順調に向かっていて、30分程で到着できそうとの事でした。
「OK!では到着したら電話してね!」

またバックステージドアにいくと、そこに小高い丘があり、頂上に小さな木のベンチが置かれていました。海が見えるかとそこに登ってみると、見えたのは海ではなく、バックステージドアから出てきたデイヴ(笑)するとデイヴがこちらに気がついたので、またしても手を振ってみると、今度は手を振り返して丘を上がってきました。あわわっ(汗)

「やあ!元気?」 と、日本でのことを覚えてるんだかどうか分からないけど、笑顔でデイヴが話しかけてきてくれました。3ヶ月振りのデイヴは、ヒゲがさらに長くなっていて、無精髭というより本当の「髭」になってました。デイヴと話していると 「あれっ?」 私達の会話以外のヘンな音が聞こえる?しかもなぜ「Hounds of Love」??あっ!自分の携帯の着メロだよ(笑)そうか、Kさんが到着したんだっ!
「ご、ごめん!今、デイヴと話ししてるの!」
「え〜っ!マジっ!?」
「うん、すぐにかけ直すよ!」

そして「君たちが待ってると他のメンバーにも言っておくよ」と、デイヴはバスの方に歩いていきました。 久々(3ヶ月振り(笑))のメンバーとの再会に、興奮冷めやらぬ私たち。でも、待てよ・・・あっ!Kさんに電話!あんなムゴい切り方をして、ポーツマスを彷徨っているかも。 慌てて電話をかけ直すと、今度はKさんが出ない。 う〜ん・・・もう一度かけ直すと、出たっ!
「ごめ〜ん、私もちょうどデイヴと話していて電話に出られなかった(笑)」
どういう事!? と、急いでデイヴが去った方角へ行くと、旅行バッグを引きずったKさんがいました(笑)
「今、会場に着いたばかりでね。こっちにいるかと思って歩いてきたら、ちょうどデイヴに会ったの。」
こうしてフューチャーヘッズ追っかけ隊、無事にポーツマスで集合しました!

でも・・・ 私とKさんの携帯は日本から持ってきたものなので、イギリスの国内での通話でも、電波が一度日本に飛び、それからイギリスに戻ってくるという、2度手間な国際電話なのです。そんなバカみたいに割高な電波を使って、「デイヴと会ってるの」なんて、おマヌケな会話してたのか、私達は(苦笑)


兄弟仲良き事は美しき事かな
THE FUTUREHEADS in PYRAMID CENTRE PORTSMOUTH

「どうする?ホテルに荷物を置きにいく?」
「でも、そろそろメンバーが来そうな時間だよね。」
「じゃあ、入場の並びの間にホテルに行けばいいね。」
日曜日なのにメンバーを待つのは私たちの他に男の子2人組だけ(笑)まぁ、イギリス人はこういうコトにはクールだからね・・・。そうこうしていると、またデイヴが登場。
「ここは寒いだろ?中に入っていれば風がこないよ。」
と、バックステージドアを指差すデイヴ。確かに風が強くて寒いけど、でも・・・やっぱりドアの真ん前ってのはねぇ(苦笑)
「大丈夫、大丈夫!ここで待ってるよ。」
「そう?他の奴らももうすぐ来るからね。」
と、デイヴは男の子達にサインして会場に入っていきました。

しばらくすると、あれっ?来日ツアーの時にも居たマネージャーだ。「おまえら、寒いだろ?こっち来いよ」と呼ばれ、何だ、何だ?とついていくと、いきなり裏口を入り(えっ?)階段を上がり(ええっ??)「さあ、ここなら寒くないぞ」と案内されたところは・・・・ライブ会場(大汗)ど、どういうコト??ここに居ていいの?リハーサル、見てもいいの!?と、3人でオロオロしていると、いきなり「バーンっ!」とでかい音を立ててドアが開き、ロスとジャフが登場!(さらに大汗)

唐突にそんなトコにいる私達を見て、一瞬驚いたような二人でしたが、すぐに「やあっ!元気?!」と、何事も無いかのように話しかけてきてくれた。彼等としては私達がここにいても何の問題もないのね(苦笑)

彼らと雑談していて、ふと気づいたら遥か向こうにバリーがいる?いつの間に?
「ロス&ジャフが入って来た直後にバリーが入ってきたんだよ。でも寝起きみたいな顔で、私達には気付かずにダーッと歩いていっちゃった。」
と、Kさん。確かに髪型も寝起きのような(笑)こちらに気付いたバリーも、何事もないように軽く手を振ってました。あのぉ、「なんでこいつら、ここにいるんだ?」とか、少しは疑問に思ってよ(苦笑)

そしてすぐにメンバー全員がステージに集まってリハが始まりました。それぞれ楽器やマイクの音合わせをしますが、ロスが自分のマイクの調子を見るのに「We Can't Loose」を歌って、
「おいおい、それはジャフのボーカル曲だろ(笑)」
と、会場の隅っこで見ていた私達は大笑い。ジャフも笑っていました。

「今から柵に張り付いて、一番前で見たいよねぇ」
「このガラガラの会場で、リハからいきなり柵の前に日本人3人が並んじゃうの?(爆笑)」

そしてバリーがマイクを合わせるために歌いだしたのは「A Picture of Drian Gray」!!うええ〜っ!?なぜ、そんな曲をっ!?これはTVパーソナリティというバンドの曲のカバーで、まだ自主制作で作られた頃のシングルに収録されているマイナーな曲。この曲が大好きだというK&Tさんは大興奮!う〜ん、私はこの曲にはそれほど特別な思いは・・・と、思っていたら、今度はバックをつけて全員でこの曲を演奏しました。そしたらっ!
「うお〜っ!!メチャかっこいい〜!!!」ライブだとこんなにカッコいいの!?この曲っ!!
「そうだよ、だから好きなの。」「グラストンベリーでのライブ映像見てないの?」と二人から責められ、見てないよぉ(涙)

いいモン見させてもらいましたな。でも、これ、今日のライブでやるのか?Kさんが言うには、今回のツアーは9月の日本ツアーの時から「Back To The Sea」を抜いた選曲になっているそうで、ツアー終盤でいきなり新しい曲は入れないよね。

そんな風にリハを見た余韻で3人であれこれ話していると、ハタと気がついた。
「私たちって、このままココに居ていいのっ??」
考えてみると、私達のここでの身分(?)を保証するものは何もない。バックステージ・パスなんて持ってないし、チケットすらない(汗)もし警備員に何か言われたら??最悪なケースは、警備員に『ホラホラ、おまえたち、どこから入り込んだんだ??』と、開場直前に外につまみ出される
。 「そんなコトなら今すぐ外に出て並ぶよぉ。」

そんな時、先ほどのマネージャーを発見。開場までここにいて良いと言われて、ひと安心。ついでに撮影用のパスも出してくれるそう。さらに、あっ、Kさんの荷物!!まだスーツケースを持ったままの彼女。
「このでかい荷物をどこかに置けないかな(苦笑)」
と相談すると、これもすぐに解決。ステージ横の機材置き場の中に置いてくれました。忙しいのに色々頼んでしまって心苦しかったです・・・。でもKさんの荷物・・・間違って機材と一緒に片付けられたりして(笑)

そしてメンバーがバックステージから出てきました。するとデイヴに、
「なっ?ここは温かいだろ?外はほんとに寒かったからなぁ。」
と言われ、もしかして彼が私達をここに入れてくれたのかな?


いつも仲良し
THE FUTUREHEADS in PYRAMID CENTRE PORTSMOUTH

そして、ロス&ジャフとまたすこし雑談。
「日本から来たの?今日のライブを見に?」とジャフ。
「明日のケンブリッジも行くよ。ロンドンも。」
「え〜っ!ポーツマスにケンブリッジにロンドン!?マジ!?」
「だって彼女(Kさん)は昨日のファルマスも行ったよ。」
「ほんとに!すごいなぁ」
と、ジャフは笑ってました。ところが、「私、ファルマスではジャフの真ん前で見てたんだよ。あんな小さな会場なのに・・・。しかもライブ後に目があったら、『ハ〜イっ!』って言っていたくせに・・・あんな田舎にいた東洋人すらジャフは覚えてないのか。」と、ヘコむKさん。ほら、ジャフは背が高いから、目線より低いものが視界に入らないんだよ。でも昨日は開演直前に行ったそうで、いきなりステージ前にいたKさんに、ステージに登場したバリーが、のけぞるほど驚いていたってさ(笑)

そのバリーは少し髪が短くなったのか、髪にクルクルと妙なクセがついていて、横をピチっと押さえたらリーゼントになりそうだ(笑)今朝、イギリスに着いたところだと話すと、
「あまり疲れてるようには見えないね。俺なんてライブ一回終わると、もうこんな風だからさぁ」
と、いきなりヘロヘロになって倒れ込むバリー。そこまでジェスチャーを入れなくても大丈夫(笑)

そしてバリーにプレゼントと渡すと、クリスマスになったら開けると言うバリー。
「クリスマス・プレゼントなんだから、クリスマスまではツリーの下に置いて、クリスマスの夜に開けるんだ!」
「あれっ?プレゼントを開けるのはボクシング・ディじゃないの?」
「いやいや、クリスマスの夜だよ!」
イギリスでは(他の国は知りませんが)12月26日を「BOXING DAY(ボクシング・ディ)」と言います。それはボクシングをする日ではなく、プレゼントのBOXを開ける日だ・・・と、聞いていたんだけどなぁ・・・。

しかし・・・フューチャーヘッズはイギリスでは(一応)有名人なんですよっ。フツーにTVに出るし、ラジオでもよく流れるし。そんな人達とバカな会話してるなぁ(苦笑)

2006年12月 THE FUTUREHEADS UK tour & MORRISSEY