再度、アラビアのロレンス 足跡を巡る旅 in UK May/2006

5月26日/オックスフォードへ小旅行 part 1

2月にロレンスの回顧展&足跡巡りで渡英したばかりだったのに、大好きなバンドのツアーが始まり、しかも運良く(悪く?)マイレージが貯まっていたので、再びイギリスへ出発!

ロレンスが暮らしたコテージ、クラウド・ヒルを前回訪れた時はちょうどシーズン・オフで(おまけに色々なものが回顧展に貸出中だったので)、本来の姿をしたクラウド・ヒルが観ようと今回はリベンジとして再訪します!でもその前に、ロレンスが青年期を過ごしたオックスフォードに日帰り旅行する事にしました。

ロンドン到着翌日に早速オックスフォードへ。でも、その日の夜はロンドンでライブに行きたかったので、早めに出発しようと携帯の目覚ましをセットしておきました。私の携帯はワンタッチで世界各国の時間に変更できるので便利!

6時半のアラームで目が覚め、のんびりと身支度をしながら、ふとTVのニュースに目をやると・・・あれっ?8時??・・・あ〜っ!!しまった!イギリスは今、夏時間だっ!!携帯の時間を夏時間には合わせてなかったから1時間ずれてる!!余裕ムードから一転して、大慌てで朝食を食べ、ホテルを飛び出しました。

オックスフォード(Oxford)へはパディントン駅から列車で1時間程北西に向かいます。ロレンスは8歳の頃に家族とともにこの街に移り住み、そしてオックスフォード大学を卒業するまでの青年期をこの街で過ごしました。

オックスフォードの駅を降りると、意外とフツーのイギリスの地方都市という雰囲気。建物も新しく、最初はちょっと拍子抜けしました。しかも雨で肌寒いくらい。でも歩き出して、街の中心に到着する頃には雨も上がり、由緒あるイギリスの大学街らしい古い町並みに変わってきました。

ロレンスゆかりの場所はある程度下調べしていましたが、とりあえずは観光案内所へ。
「あのー、T.E.ロレンスに関係する場所に行きたいんですが」
「ロレンスね、OK!」と、「T.E.ロレンス・ソサエティ(ロレンスの研究をしている団体)」が編纂したらしき、2枚のコピーでつくられたガイドマップをくれました。知らなかった情報も載っていて、やっぱり現地で聞くのが一番だなぁ、と、実感。

さっそくロレンス巡りに・・・と、思ったけど、そうそう、オックスフォード大学はハリー・ポッターの撮影も行われているそうです。せっかくなので、そこもチェックしてハリ・ポタ好きな甥っ子と姪っ子に自慢してやろう!再び案内所で聞いてみると、さっきのそっけない態度とはうって変わって、なぜかすごい張り切って教えてくれました(苦笑)


ロレンス一家が暮らした家

オックスフォード大学の校舎の一般公開は14時からだったので、まずはロレンス一家が暮らした「ポルテット通り2番地」の家を見に行く事にしました。大通りを歩きながら、きっと100年前とは町並みは変わっているだろうけど、それでも「ロレンスもここを通ったのかな」なんて想像するすると嬉しくなってきます。

そして案内所から北に20分程歩いた静かな住宅街の中にその家はありました。壁に「ここはT.E.ロレンス<アラビアのロレンス>の家でした」と書かれたブループレートがはめ込まれ、想像していたよりずっと大きな家でした。「家族が多いから」と、ロレンスがわざわざ裏庭に自分用のバンガローを建ててもらったので、もっと小さな家だと思っていたのに。半地下の階を入れると4階建てで、家族7人が住むには充分な大きさに思えました。バンガローがまだあれば見てみたいけど、今は一般の方が暮らしているんですよねぇ。ガイドマップによると、手紙でお願いすれば中を見せてもらえるみたいだけど、でもちょっとそれは気がひけるなぁ。

そしてまた街に戻り、まずはロレンスのカメラが保存されている「歴史科学博物館(Museum of the History of Sciences)」へ・・と思ったら、開館は午後からでした。なので少し道をもどって、先に「アシュモーレン博物館(The Ashmolean Museum)」を見学する事に。

そこは、考古学少年だったロレンスが頻繁に出入りし、後のロレンスの人生に大きな影響を与える館長ホガースと出会った博物館です。余り時間もないので、サッと見て、気分だけでも味わおうと思ったものの、それでも何かロレンスに関係したものが展示されていれば見たいので、念のためインフォメーションで聞いてみました。すると電話で問い合わせてくれて、
「今、当館が工事中なので、彼の発掘品などは全部ラッピングして保管されてしまっているそうです。なので、ピクチャー・ルームへ行ってください。」
えっ?ピクチャー・ルーム??

言われるままに向かうと、閲覧室らしき部屋で女性職員が明るく迎えてくれました。 「え〜っ、こんな飛び込みでも何か見せてくれるの??」と驚いていると、「ちょっと待っててね。今、絵を出すから」と言って、彼女は絵を保管している箱を幾つも出してきました。

でも箱を開けると、そこは空。えっ!?彼女はそこに入っていたメモをじっと読んで、
「そうか!ゴメンね、ロレンスの絵はロレンス展に貸出していたから、今、地下室にあるのよ。ついてきて。」
また言われるままについていくと、幾つもの扉を鍵の束で開けながら、地下室に降りて行きました。

 

アシュモーレン博物館

「それ、壊れやすいから気をつけてね」と言われながら、修復中(かな?)の古いレリーフの間をすり抜け、「ロレンスもこんな雰囲気の中にいたのかなぁ」なんて、またちょっとウキウキしていると、おっと!階段の踊り場にいきなりロレンスの肖像画がっ!ウィリアム・ロバーツが描いた空軍時代のかなりイカついロレンスです。そうそう、ロレンス展にあったヤツだ。でも、なんで階段の踊り場に!?

そしてさらに入った奥の部屋には、オーガスタ・ジョンが描いたロレンスとフェイサルの油絵がありました。両方ともロレンス展で見たけど、ここで見るとまた格別の感があります。特にフェイサルの絵は、ロレンスの希望で彼の死後に彼のコテージからここに移されたと聞いていたので、よけいに感慨深い気がします。

そして、「ここにはロレンスの手紙もたくさん保管されているけど、担当者が席を外しているのよ。居たらそれも見せてあげられたんだけどねぇ。」と言われてまたビックリ。ほんとにノンビリした雰囲気の博物館でした。

他にも、この博物館には様々な分野のものが所蔵されていて、イギリス最古の博物館とはいえ、小さな地方都市の博物館がこれだけの所蔵品を持っているのにも、ちょっとビックリでした。「今、ここは工事中なんだよね?」と、彼女に聞いたところ、「正面の建物はそのままで、裏に大きな新しいビルができるの。すっごい楽しみだわ!」と言ってました。「完成すれば、もっとたくさんの所蔵品が公開できるね?」と聞くと、嬉しそうに頷いてました。そうなったら、ロレンス関係のものも展示されるのかなぁ。

彼女と別れた後、ショップでロレンス関連の所蔵品がスライド写真になっているカタログを見つけました。今時、”スライド”!?(笑)だから棚の片隅に埋もれるように売れ残っていたんですけどね。

T.E.ロレンスを巡る旅

May/2006 再度、T.E.ロレンスを巡る旅 in UK

Feb/2006

July/2006

July/2007

番外編

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