再度、アラビアのロレンス 足跡を巡る旅 in UK May/2006
5月27日/ドーセットへ小旅行 part 3

霧の中に現れた古城跡
そして、ロレンス巡りはここで終了。次は、友人が行きたがっていた「ジュラシック・コースト(Jurassic Coast)」を目指します。その海岸はイギリスで最初の(唯一だったかな?)の自然物の世界遺産だそうで、100キロ程の海岸線に、何億年もの地球の歴史が刻まれているとか何とか。
コテージから20キロほどの場所なので、ドーセットの田舎道を走っていきました。曇り空で徐々に霧も出てきましたが、そんな空気の中の緑深い田園風景は本当にイギリスらしい。おまけに霧の中、突然丘の上に崩れた古城が現れたりして、どこもかしこも絵画のような風景でした。
道に迷いつつも1時間程で目的の海岸に到着。とはいえ、友人いわく、この海岸もナショナル・トラストが管理していて、あえて近くに駐車場を作っていないので、海岸へは2、30分は歩かなければいけないとのこと。
それならばその前にお昼を食べようと、駐車場の横にあるパブに入りました。いかにも昔からあるパブといった趣で、5月にしては気温が低かったので、暖炉に火が付けられていました。それなのに、隣のテーブルの集団はどう見ても海水浴の後らしい(苦笑)髪はぬれているし、ビーチサンダルを履いているし。イギリス人の感覚は分かんないなぁ。そこでとても美味しいシーフード料理をいただきました。田舎のランチとしては少し高めでしたが、とにかく量が多かった(汗)

古風なパブでした
それから歩いて海岸へ。目的の海岸はその100キロに及ぶ海岸線の中の「Old Harry Rocks」というスポット。パブを出て標識に従い、低木の茂みと緑の野原の中をひたすら、ひたすら歩いていきました。

ジェラシック・コーストまでの道
すると突然、純白の石灰岩の切り立った絶壁が続く海岸が現れました。下の海に吸い込まれそうな何十メートルもの高さのある崖で、そしてところどころに、そこから切り離されたような巨大な白い石柱が海の中に立っていました。
海岸線の先端まで行ける道もありましたが、人ひとりが歩けるくらいの狭い道で、おまけにこの日は風も強くて、這いつくばっても怖いなぁ(汗)でも、そこまで行かなくても、地球の歴史を感じさせる壮大な風景は充分味わえました。天気が良ければ海も青かったかもしれませんが、このグレーの空と海、そして湿気を帯びた空気と濡れた緑、その中に溶け込んだような石灰岩のコントラストが、英国だからこその美しさを感じさせてくれました。

石灰岩の海岸
ドーセット州を観光するには、車がないと大変かもしれないので、そのせいか日本のガイドブックでもあまり紹介されていません。私も今まで全然知らなかったんですが、イギリスらしい美しさを味わえる地域でした。機会があれば是非行ってみてくださいな。
そして帰り道にウェアハムに寄ると、既に5時過ぎていたので、教えてもらった本屋さんも、ロレンス像のある教会も閉まっていました。なので、あとはひたすらロンドンへの道をひた走り、8時過ぎに到着しました。運転してた友人は「これくらいの運転なら全然平気」と言ってました(しかも車はスズキの軽自動車・・・あ、もちろんイギリスに「軽」なんて区分はありませんけどね。)ともかく、再訪とはいえ、2月とは違う発見がたくさんあって、充実した日帰り旅行でした。

白亜の絶壁