THE FUTUREHEADS ■ CARLING ACADEMY LIVERPOOL ■ 30/May/2006

2月にロンドンに行ったばかりなのに、5月からフューチャーヘッズのUKツアーがスタートするというニュースレターが届いたのは運の尽き(?)ただでさえ、マイレージが貯まっていて「いつ使おうかな〜」なんて浮かれていた矢先、しかもニュースレターに「チケット先行販売」なんて悪魔のささやきがぁぁ。「大丈夫っ!彼等のチケットなんてすぐには売り切れないっ!」と、必死に自制心を働かせたのに、深夜は判断力が鈍ります。気がついたらポチッと・・・。

翌日、冷静になって、「どうしよう!ダンナに何て切り出そう!」と悩んでいたのに、夕方に帰宅すると、いきなりダンナに、
「フューチャーヘッズのチケットを買ったな?」
「な、なぜ、それを!?」
「たわけめ。申し込み完了のメールが届いておるわ!」
「げえぇ〜!それを忘れていた〜!」
でも、半ば呆れ気味ながらお許しが出ました。

無事マイレージで航空券もゲットでき、ロンドンに滞在後、フューチャーヘッズを観るため、最初の目的地リバプールに向かいました。昼頃に到着できるよう、ロンドン・ユーストン駅(EUSTON)に朝9時に到着。ホームに止まっている列車に乗り込み、重い荷物を荷台に置いて一息ついていると、車内アナウンスで、トラブルのため発車できない、なんてコトを言ってるような・・・でも、他の乗客は特に動揺する様子もないので、少し遅れるくらいかな、とそのまま座席に座っていると、次のアナウンスはいきなり「復旧に数時間かかります。この駅から列車は発車できませんので、列車を降りて別のルートを探してください。」ええーっ!?


今度はさすがに乗客全員が「やれやれ」という表情で列車を降り始めました。別ルートって言われても。重たい本やらノートパソコン(前日にリリースされたフューチャーヘッズのニュー・アルバムを聞くためだけに持ってきた(苦笑))が入った鞄を持ってどこに移動しろと(涙)

駅の構内は右往左往する大勢の乗客で混乱状態でした。とにかくインフォメーションの長蛇の列に並んでいると、通りすがりの駅員に皆が殺到。その中で、女の子がリバプールへの行き方を聞いている?隣のキングス・クロス駅から行けと言われている?彼女を捕まえて聞くと、「そう、リバプールはキングス・クロスから行くそうよ。」

よし!ユーストン駅とキングス・クロス駅の距離なんて、歩けば10分程!・・・荷物がなければね(苦笑)キングス・クロス駅に到着して、リバプールへのルートを確認しようと、また切符売場の行列に延々と並んで、ようやく駅員に聞くと、
「15分後にユーストン駅が再開されるので、直ぐに戻りなさい!」
・・・はいっ??
「ユーストンから列車が出るようになったの?」
「そうよ、だから急いで戻りなさい」
・・・最近のイギリスは列車や地下鉄のサービスが良くなったので油断してました。やっぱりイギリスの鉄道だ(苦笑)あの、「復旧に数時間」は何だったのか。

ユーストン駅に戻ると、次々と列車がアナウンスされていました。「リバプール行きはっ??」構内にいる人たちの顔つきは、「位置について、ヨーイ・・・」状態(笑)お昼ご飯を買っておこうか、なんて考えている内に、リバプール行き列車のホームがアナウンスされ、一斉に「スタート!!」

運休になった2、3本の列車の乗客が一斉に大移動するので、ホームは大騒ぎです。でも、アナウンスされたホームに止まっていた列車には、なぜかマンチェスター行きと書いてある。いいのか?これで?一緒に乗った人はリバプール行きだと言ってるけど、車内の電光掲示板もずっとマンチェスターと表示されてる。まぁ、いいか、マンチェスターに行っちゃったら、そこからまたリバプールに行けばいいさ、と腹をくくって、席に座りました。


何の合図もなく発車し、しばらくしてアナウンスが「リバプール行き」を告げました。でもやっぱり車内掲示板は「マンチェスター行き」のまま。細かい事はいいや。とにかく疲れた・・・。しかしダイヤは乱れきっていて、結局リバプールに到着したのは2時過ぎでした。

初めて訪れたリバプールは、マンチェスターと同じく数多くのミュージシャンを送り出してきたイングランド北部の街ですが、雰囲気はずいぶん違いました。工業都市のマンチェスターに対して、リバプールは少し荒っぽさを感じさせる港町という空気がありました。

ホテルにチェックインして急いで会場に向かうと、すでにバンドの移動バスが到着していました。早いっ!(汗)4時頃にくるかと思っていたのに。東京で撮った写真を渡したかったので、他にもメンバーを待っているらしきファンが何人かいたので、彼らの隅にコソっとまぎれ込み。でも・・・この子達、15,6才だよね。若いなぁ・・・。

海の方から時折吹いてくる風がメチャメチャ冷たい!メンバーはもう会場に入っているだろうし、周りは若いし(苦笑)結局、お昼も食べ損ねてるし、出待ちってツライ・・・と、ちょっと弱気になっていると、他のファン達が何か騒いでいる。あっ、ロスだ!


穏やかな笑顔で彼らと話しているロスは、他のメンバーから「Gentle Giant(優しき巨人)」と呼ばれているそのイメージそのもの。私も少し話しかけて写真を撮らせてもらうと、なんだか私のカメラが気になっている様子。そういえば、ロスも東京で一眼レフを持っていたから、カメラに興味があるのかな。

またしばらく待っていると、遠くで騒いでいたお子さま達が突然、「バリー!バリー!」と騒いでいる。何を言ってるんだか、と振り向くと、あっ、ほんとだ、バリーが一人で歩いてくるっ!

彼らがサインをもらった後で、バリーに東京での写真をあげると、あの時の事を思い出してくれて、すごい喜んでました。でも「なんで俺って、いつもこんな顔なのかなぁ(笑)」と写真写りをとても気にしていたご様子(いやぁ、こんな顔でしょ?(笑))そしてロスの写真で大笑いしてました。そして、
「今日も写真撮るだろ?パスを用意しとくよ」
と、こちらから頼む前に言ってくれました。ほんと、気の良いアンちゃんといった感じのバリーです。

それにしても、イギリスのチケット販売システムにはいつも悩まされます。イギリスのチケットを、大手チケット販売からネット購入すると、郵送か、当日に窓口受け取り(Box Office Collection)になります。今回も申し込み時は「郵送」となっていて、しっかり送料(4ポンドぐらい)を取られたのに、数日後にメールで「チケットの郵送が間に合わないので当日会場で受け取ってください。なお受け渡しは開場時間以降です」って書かれていました。開場後って・・・今日は写真を撮りたいから、ステージ前に行きたいのに・・・。

チケット窓口が開いて、チケットと撮影用のパス(イギリスでは、大きな会場でもライブのカメラ撮影は基本的にOKですが、一眼レフのようにデカイやつはパスが必要)を受け取り、入場の列に並びました。夜の7時頃でも空は明るいのですが、空気が冷えてきて、かなり寒いっ!なのに、周りのお子さまたちはTシャツ一枚・・・。

会場は1500人収容くらいのスタンディングで、ステージもこじんまりとしていて、セッティングもシンプル・・と思っていたら、あれ?バリーとロスのギターアンプは、小さな「VOX」ですが、このスピーカーにマイクを直接貼り付けてある?フツーはラインで音を拾うんじゃないの?まさかアンプが古くてラインがない?(と、帰国してダンナに聞いたら、実はこれが今の流行りらしい。音がちょうどいい感じに歪んで、それをマイクが拾うと、ちょうどいい音の広がりが出るらしいです。)

そして遂にライブがスタート!前日にリリースされたばかりのニューアルバムの曲が多く、音もまたさらにハードになってる!

ステージから客席を見たロスが、「キッズばっかりだな。どこかアダルトはいないのか?」と笑っていて、は〜い!ここに思いっきりアダルトなヤツがいま〜す!(苦笑)しかしリバプールという土地柄なのか、そのキッズの生きがいいのか、ライブはとんでもない盛り上がり!それにバンドがどんどん反応して引っ張られていき、その音に応えてファンが盛り上がり、すさまじい勢いのライブとなってしまいました。こんな相互に反応していくようなライブは本当にカッコいいなぁ!前日にロンドンでモリッシーを観たけど、私はやっぱり、こんな「ナマモノ」と言えるようなライブの方が好きだなぁ。

そして、お馴染みの「Hounds of Love」や「He knows」は大合唱でしたよ。

ライブが終わってロビーに出ると、彼等のツアーのチラシを配っていました。「もっとちょうだい」と言うと、いきなり2cmくらいの束で渡された(汗)ああ、また荷物が増えちゃった。