THE FUTUREHEADS ■O-EAST TOKYO ■ 6/Sep/2006

翌朝、Kさん、Eさんと名古屋駅で待ち合わせ。そして3人でメンバーを待ったけれど、12時になっても来ない・・・・。
「まさか自由席で行っちゃったとか?」
「『君たちねぇ、今回儲けがないんだよ。夜行バスで移動してね』と言われた??」
「だから昨日ジャフとロスが慌てていたのか!?」
なんてアホな会話でもしてないと、待つ身はもたないのです。

「マジで行っちゃったのかなぁ。これ以上遅いと東京のリハ時間に間に合わないんじゃないの?」なんて、ちょっと諦めムードになりかかっていたら・・・来たっ!!

私達を見たメンバーは皆、笑顔で「ハイ!」と手を振ってくれました。でもなんかバリーに笑顔がない・・・?バリーだけ床に座り込んで、少しジャフと話しをしてる。そっと近づいてイギリスで撮ったライブ写真を出して、「バリー・・・サイン貰ってもいい?」と聞くと、「ああ、OK〜」とサインをしてくれ、一緒に持っていたロスの写真をジャフに見せてました。でも頭を押さえて、なんだか調子が悪そう・・・。

「バリー・・・二日酔い?」
「え?違うよ。夕べは一睡もしてないんだ。」
えっ!?な、なんで??
「ご飯食べた後でどこかへ行ったの?」
「いや、そのままホテルに帰って寝たんだけど、全然寝れなくてさぁ。結局一晩中インターネットをしてたんだ。」
なんでもiTuneでアメリカのコメディアンを聞いたり、You Tubeでビデオ・クリップとかをずっと見ていたんだって。

でも話し始めるといつもの調子の早口バリーだったので、ついそのまま話しをしてしまいました。
「昨日、ロスに『Piece of Crap』をやってくれって言ったんだ。そしたら他のメンバーが反対するって言っていてね。で、ロスがジャフに聞いたら『オレのせいじゃない』って言うし。だから、あなたかデイヴのせいなんだよね〜」と言うと、大笑いのバリー。
「あれはね、もう古いからさぁ。」
「う〜っ、でも私はライブで聞いたことがないんだよ〜」
「はは、でもたぶん、もうやらないよ。」
「そうか・・・じゃあ『Thursday』や『Face』は?彼女(Kさん)がリクエストしたでしょ?」
「あれは・・・・TOO QUIET(静かすぎ)」
すると横にいたKさん、思わず「え〜っ!でもあんたが作った曲でしょう!?」と突っ込み。
「う〜ん、他のメンバーが反対するんだよ。ウチは民主主義なバンドだからね。」
この曲はバリーが反対し、あの曲はメンバーが反対し・・・ややこしいなぁ、あんたら(笑)

そんな話しをしていると新幹線が来ました。別れ際に「毎日ライブの一列目のメンツが一緒なのは分かってるよね(笑)だから今日は曲を少し入れ替えてよ」と言うと、笑ってました。きっと変えないだろうな(笑)

私達も大慌てで新幹線に乗り込みました。
「バリーに決定権がないなぁ(笑)大丈夫か?」
「と言うか、本当にバリーはリーダーなのかな?ボーカルだから勝手にリーダーだと思い込んでるけど。」
「イギリスだとフューチャーヘッズの名前でいきなりロスの写真が使われていたりするよね。」
「そうそう、私もビデオを見るまで、眼鏡の人がボーカルだと思ってた」
「1stアルバムのジャケットを見て、右端の男がボーカルだなんて誰も思わないよね(爆笑)」
「え?じゃあ結局、誰がリーダーなの?民主主義だからリーダーがいない??」
「・・・・船頭のいない船は沈むよ。」
やばいぞっ!フューチャーヘッズ!!(笑)

「ところでジャフに気がついた?」と、Kさん。「バリーがロスの写真をジャフに見せていたでしょ?あの時『俺のは?』と言わんばかりの寂しそうな笑顔してたよ」
「えっ!?気がつかなかったよ・・・」
「それであなたがバリーと話し始めたから、ジャフはロスのところへ行っちゃったけど、こっちを見てはフッと寂しそうに笑ってたよ。」
「ええっ!!バリーしか視界に入ってなかった・・・全然気づかなかった。マジ??」
うわ〜っ、ゴメンよぉジャフ!!よし、まだジャフとはまともに会話したことがないけど、今日はちゃんと謝っておこう!!

新幹線を降りて渋谷へ行き、Kさんたちのホテルにお邪魔しました。ちょっとダラダラしていたら、気がついたらリハの時間が近づいていた!ヤバい!慌てて会場に向かうと、開場の入口にはファンが数人いて「まだメンバーは見てないです」と言うので、ひと安心。

入口をウロウロしていると、隣のライブハウスに出演する(らしき)バンドが入っていきました。すると、通りを歩いていた人たちが、「おっ、あれ、何てバンドだ?」「『THE FUTUREHEADS』って書いてあるぞ」「へ〜っ、あれがフューチャーヘッズか!!」と、とんでもない勘違いをしそうになっていたので、遠くから一生懸命「×」出しをすると、「あ、違うんですか?(苦笑)」ちゃんと訂正しておきました。

「でも・・・本当にここからメンバーは入るの?見取り図だと他からも入れるようになってるよ。」Kさんと他の出入り口を探索に行くと、そっちにはファンは全然いない。「分からないなぁ・・・」と二人で悩んでいたら、いきなりデイヴが飄々とやってきて、またあっさりと「ハイ!」とだけ言って、別の入口から入っていってしまいました。

「こっちだよ〜っ!!」と皆を呼び、そこで待っていたけれど・・・一向に他のメンバーはやってこない。さすがに5時になり「遅すぎる。多分他のメンバーはもう入ってる!たまたまデイヴだけが外に出たんだよ。」と結論づけて、開場前に軽く夕食。

そして開場になり、また整理番号の遅い私は、一人でゆっくりと中へ入りました。柵前のKさんたちに呼ばれてると、またしてもバリーの前だけがポッカリと空いて・・・(汗)

すると、ステージには始めてのステージ・セットが!と言っても、単に2ndアルバムのジャケット風のデザインがプリントされた布が、4本ほど天井から垂らされていただけなんだけどね。

そしてメンバーが登場すると、うわぁ!!バリーがTシャツにベストを着てるっ!昨日にシャツ姿を褒めたところだったのに(笑)

ライブの途中でいきなりバリーが「全員、こうやって両手を挙げて!!」と言いだした。「そこっ!そこもちゃんとやるの!」と客を指導して、ロスとジャフも一緒に場内全員が両手を挙げました。
「よしっ!」と、バリーが後ろを振り向くと、デイヴも両手を挙げる(笑)
「おまえはドラムだろ?!」とジェスチャーするバリー。
「え?だって全員手を挙げろって・・・・」
「だからおまえはドラムを叩くの!!」と、また必死にジェスチャーするバリー。
「え?手を挙げるんだろ??」
ステージ上で兄弟漫才はやめて(笑)しぶしぶ(?)手を下ろしたデイヴのドラムに合わせて手拍子、そして3人がマイクに向かって「A to B!!」とコーラスして爆発するように曲が始まる!きゃあきゃあ、かっこいい〜!!

「バリー、大丈夫?途中で倒れないでね」なんて、私の心配をよそに、キレキレにギターを引きながら踊るバリーの足!!惚れ直しちゃったよ。

そして大合唱の「He knows」。またロスとバリーがマイクに近づいて、またしてもバリーがロスに「ちゅー」!ぎええ〜っ!!あっ、あんた今回はロスの口に当たってたぞっ!?また場内大盛り上がりでした。

それにしても、フューチャーヘッズのライブはあれだけ音がヘビーでガリガリしているのに、雰囲気が全然殺伐としない。メンバーの「のほほん」キャラのおかげかな?お客さんも「暴れるぞ」とか気負ったところがなくて「この1時間、楽しんじゃうぜ」なんて雰囲気。これは本当にフューチャーヘッズならではの空間なんだよね。

「Hounds of Love」では、「じゃあ、この真ん中からは〜ロスっ!」と、バリーがちょうど私のところで仕切ったから、Kさんたちに「や〜い、真っ二つ!」と笑われた。でも私はロスのパートがいいんだっ!(またごめんよっ、ジャフっ)
「よしっ!マイ・チームっ!!」両拳を挙げたロスの呼びかけに「うお〜っ!!」
「マイ・チームっ!!」ジャフの声に反対側も答える!
「マイ・チームっ!!」「うお〜!!」
「マイ・チームっ!!」「うお〜!!」
そしてデイヴのドラム、ロス・パートの大合唱にジャフ・パートのコーラス部隊がかぶさる。そしてバリーのギターとボーカルが始まる。うわ〜ん、これで当分聞き納めか(涙)

それにしても今日のバリーはやけくそ(?)のごとく動きまくって、ほんとにカッコいい!!

そしてラストの「The Carnival Kids」の「You should be old enough」のコーラスを大声で歌って、ついに彼らのジャパン・ツアーは終わってしまいました。

今日は最後だからメンバーにお別れを言いたいよね。外で待っていると、裏口にメンバーの姿が見えたので行こうとすると、反対にメンバー全員が白いバラの花束を持ってこっちに向かってきた。えっ!?何?何?と、戸惑っていると、「はいっ!」と待っていたファンたちにそのバラを配ったのでした!うわぁ、似合わねぇ(笑)でもちょっとステキよ。

最後はバリーと話したいなぁ、と彼を遠巻きに見ながら、彼の手が空くのを待っていたら、んっ?何か視線を感じる・・・横を見ると、げっ!デっ、デイヴっ!!いつの間にっ!
「ハ〜イ!毎日来てくれて本当にありがとうっ!」
と、密着してくるデイヴ。あんた、酔ってるな(苦笑)
「毎日、一番前で見てくれていたよね。俺はちゃんと知ってるよ〜!」
そんな恥ずかしいトコ見ないでよぉ(汗)というか、ドラム叩きながら何を見てるんだよっ(笑)デイヴは本人が言うように、きっとシャイなんだろうね。だから酔わないと、こんな風に気楽に話しができないんだろうなぁ。そういうヤツ、私は好きだよ!でもね、デイヴ・・・今、お兄ちゃんの手が空いているんだけどなぁ・・・(苦笑)

「本当に日本はいいよ。みんな俺たちの曲をちゃんとリスペクトしてくれる。」と、デイヴ。
「だって、フューチャーヘッズの曲、大好きだもん。」
うんうん、とうなずくデイヴ。
「フューチャーヘッズは世界で一番グレートなバンドだよ!」
と、言ったら、「そこまではなぁ」なんて、一瞬苦笑いのデイヴ。おまえに笑われては、こっちの立つ瀬がないだろっ(笑)それぐらい思い込まなきゃ、ここまでバカやれないっていうの!

と、そんな話しをデイヴとして、ちょうど通りかかったジャフを捕まえた。
「ジャフ、今日は名古屋駅でごめんね。」
「えっ!?」
「だってバリーと話ししていたのに・・・」
「あはは、そんなコト気にしてないよ」
と、笑ってました。


ジャパンツアーの置き土産

それからロスのところへ。なんと、ロスが名古屋グランパスのユニフォームを着てる!浦和サポの私としては見過ごす訳にはいかない!!
「なんでグランパスのシャツを着てるの、ロス〜っ!!」
「だって俺、ストイコビッチが大好きなんだよぉ!」
ピクシー!?まさかロスの口から彼の名前が出てくるとは!でも、ロス!浦和は?
「名古屋は私のホームタウンだけど、私はそこは応援してないんだよなぁ。」
「じゃあ他に応援している日本のチームがあるの?」
「うん!あのね、浦和レッズ!」
「お〜っ!知ってるよぉ!前にイギリスに来たよなぁ!!」
さすがマンUファン!親善試合の対戦相手もちゃんと覚えてるんだね!
(後日、「イギリス人でピクシーを知ってるなんて、すごいオタクだよね」とグラ・サポに言ったら、「そんなコトないよ。ピクシーは世界的プレイヤーだもん!!」と言い返されました。その昔、名古屋のクアトロでOASISがライブをした時、ステージ上のスタッフが皆、グランパスのユニを着ていてビックリしました(客席はマンUやマン・シティのユニで一杯だったのに(笑))当時はリネカーの人気だと思うけど、ビッグ・ネームの選手が在籍すると、チームが世界的に有名になりますね。)

ロスによると、これから3週間の休暇後、USツアーがあり、年明けからレコーディングに入るそうです。5月のUKからずっとツアーだったもんね。この3週間はゆっくりと休んでよ(と思っていたのに、帰国していきなり地元のガン基金のチャリティー・ライブに出るってお知らせが。ほんとにライブ好きだなぁ。)

そしてバリーのところへ。バリーも年明けからはレコーディングになるので、日本には来年夏頃にまた来るつもりだと言ってました。う〜ん、もっともっと彼らのライブが見たい。
「じゃあ毎週来ようか?ムリムリ」と笑ってました。
体調は大丈夫かと聞いたら「ライブをやったから、もう元気になったよ」と言ってました。朝に比べると、ニコニコ顔で元気回復してました。名古屋で食べた手羽先の話しとか(アジア料理は大好きなんだって。手羽先も「うまかった〜」と大喜びしてた)Kさんたちとバリーを囲んで、たわいもない会話でも嬉しい。そういえば、タバコを吸っていたバリーはちゃんと気を使って、煙を上に吐き出してましたよ。エライ、エライ。

またしても徒歩でホテルへ帰っていく(笑)メンバーを見送って、3日間のツアーが終わりました。私は普段はバンドを追っかけるなんてことはしません。ましてやメンバーに、「ハグしてもらいたい」なんて考えたコトもありません。でも、今回は素直に彼らに感謝したくて、「日本に来てくれてありがとう!」とメンバーをハグハグしちゃいました。最高に楽しい3日間をプレゼントしてくれたフューチャーヘッズに感謝。大勢のファンの人達、そしてもちろん、メンバーたちとたくさん話して楽しかったです。そしてあんな世界最強なライブを毎日観て・・・体力はやや限界(苦笑)

するとKさんとEさんが、
「ねえ!UKツアーの後はヨーロッパ・ツアーをするみたいだよ。一緒に行かない?」
えっ!?行きたいっ!!・・・けれど、その前に財布とダンナに相談させてね(苦笑)